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『経済力の正体①』三橋貴明 AJER2015.4.21(7)

https://youtu.be/gWHDwLEE4fs
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一般参加可能な講演会

5月9日(土) 熊本市国際交流会館 18時00分より三橋貴明講演「日本と台湾の明るい未来を築くためには
5月15日(金) 19時30分より『Voice』特別シンポジウム『日本の資本主義は大丈夫か――グローバリズムと格差社会化に抗して』
パネリスト:小浜逸郎、三橋貴明、中野剛志
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 明日は6時から文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演します。
http://www.joqr.co.jp/tera/


 さて、昨日のTOKYO MX「モーニングCROSS」のオピニオンクロスでも取り上げましたが、国土交通省が興味深いデータを公表しました。


高速渋滞 無駄1.9億時間 10万人の年間労働分に相当
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015050202000128.html
 国土交通省は一日、全国の高速道路で二〇一四年に渋滞によって利用者が無駄にした時間に関する初の試算を発表した。全区間合計で一億九千万時間に上り、約十万人分の年間労働時間に相当する。最もロスが大きかった区間は、東名高速上りの横浜町田インターチェンジ(IC、東京・神奈川)-海老名ジャンクション(JCT、神奈川)だった。
 試算は、首都高速と阪神高速を除く高速道路が対象。通行台数やカーナビを通じて得た速度などの膨大な情報「ビッグデータ」も活用して、ドライバーや同乗者が渋滞で無駄にした時間を算出した。
 横浜町田-海老名の上りのロスは百三十四万時間で、利用者一万人がそれぞれ百三十四時間を無駄にしていた計算だ。
 ワースト二位は神奈川県の東名高速上り厚木-秦野中井(百九万時間)、三位は東名高速下り横浜町田-海老名(百五万時間)と首都圏の区間が上位を占めた。

 首都圏以外では、兵庫県の中国道上り宝塚-西宮山口JCT(九十一万時間)が四位、三重県の東名阪道上り鈴鹿-亀山JCT(七十三万時間)が九位だった。(後略)』


 さすがに、少しは減ってきたのではないかと思いますが、我が国には高速道路建設や交通インフラへの公共投資に関連し、未だに、
日本の高速道路は作り過ぎ
日本は人口が減るため公共投資は不要
 と、ウソもしくは頭が悪いことを主張する論者が少なくありません。ちなみに、前者を主張する人は「嘘つき」、後者を主張する人は「頭が悪い人」と断定して構いません。


 嘘つきの代表は、もちろん「可住面積当たり高速道路延長距離」という、ファンタジックな指標をでっち上げた五十嵐敬喜です。菅内閣の官房参与を務めた五十嵐敬喜(しかも法曹畑で、公共投資の「こ」の字も知らない人物)が、
「可住地面積が国土に占める割合が、主要国の中で極端に小さい(他の国は七割くらいですが、日本はわずか三割)」
「そもそも、高速道路とは可住地同士を結ぶためにも建設される」
 という事実を無視し、日本の高速道路が「長い」と見せかけるための「可住面積当たり高速道路延長距離」という「世界で五十嵐ら以外には誰も使っていない指標」を大拡散し、マスコミも載り、日本の高速道路網は充分という虚偽が広まってしまいました


 いつもなら、五十嵐らがでっち上げたインチキ指標を載せたいところですが、変に拡散すると困るので控えておきます(昨日の「モーニングCROSS」では使いました)。


 現実の日本の高速道路網は、グローバル標準な「保有自動車1万台あたり高速道路延長距離」で見ると、主要国最短です。アメリカやイギリスなどの先進国はもちろんのこと、韓国までをも下回っているわけですから、情けない限りでございます。


 さらに、公共投資と人口の関係ですが、
「日本は人口が減るため公共投資は不要」
 などと主張する連中は、例により「総需要≒総人口」「供給能力≒生産年齢人口」を区別していません。今後の日本は総人口も多少(誤差程度)減りますが、それ以上のペースで生産年齢人口が減っていくのです。すなわち、供給能力が総需要に対し不足するインフレギャップ状態に、中長期的になっていきます。


 インフレギャップを埋める正しい施策は、外国人労働者受入でも、工場の海外移転でもなく、「生産性の向上」になります。生産性の向上を達成するためには、技術開発投資、設備投資、人材投資、そして公共投資以外に方法がありません。


 特に、公共投資による交通インフラの整備が、生産性向上に大きな影響を与えることは、高度成長期の日本を見ても明らかです。


 記事の通り、国土交通省は首都高、阪神高速を除く高速道路を対象に、渋滞により「1.9億時間 10万人の年間労働分」が無駄になっている試算を公表しました。首都高や阪神高速を入れると、さらに増えるでしょう。


 すなわち、現実には不可能ですが、(首都高・阪神高速を除く)高速道路の渋滞を「ゼロ」にした場合、新たに10万人分の付加価値(モノ・サービス)の生産が行われるも同然の効果を発揮するわけです。すなわち、生産性の向上です。


 といいますか、高速道路建設は、
「これまで10時間かかっていた物流が、(例えば)3時間に短縮される」
 といった形で、ヒト・モノの移動時間を短くするため、100%生産性を向上させることになります。何しろ、「同じ人」が「同じ時間」で、前よりも長い距離を移動できるようになるのです。


 現在の日本政府が採るべき経済政策は、
将来のインフレギャップを生産性向上で解決するため、現在、交通インフラ等に投資し、デフレギャップを埋める
 以外にはありません。


 日本の政治家、そして日本国民は、
「日本の高速道路は作り過ぎどころか、主要国最低」
「日本は【生産年齢】人口が減るため公共投資を拡大しなければならない」
 という当たり前の事実を理解する必要があるのです。嘘つきでも、頭が悪いわけでもなければ、誰でもわたくしが書いていることは理解できると思うのですが、いかがでしょうか。


「日本は生産性向上のために交通インフラを整備しなければならない」に、ご賛同下さる方は、

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