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チャンネルAJER更新しました!
『お金の正体①』三橋貴明 AJER2015.4.14

https://youtu.be/z82Ql8POWZg
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一般参加可能な講演会

5月9日(土) 熊本市国際交流会館 18時00分より三橋貴明講演「日本と台湾の明るい未来を築くためには
5月15日(金) 19時30分より『Voice』特別シンポジウム『日本の資本主義は大丈夫か――グローバリズムと格差社会化に抗して』
パネリスト:小浜逸郎、三橋貴明、中野剛志
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 本日は三橋経済塾第四期第四回講義開催日です。ゲスト講師は藤井聡先生!

 塾生の皆様、よろしくお願いいたします。


 チャンネル桜「報道ワイド日本ウィークエンド」に出演しました。


【物価目標】過ちて改めざる、是を過ちと謂う[桜H27/4/17]
https://youtu.be/kMvy3hFURmY
【明るい経済教室】経営と経済の峻別、その違いは技術・供給能力の重視にあり[桜H27/4/17] https://youtu.be/Nd4iCH4EUZs
【高浜原発】反原発脳が国を亡ぼす、皆で樋口英明裁判長に異議を![桜H27/4/17] https://youtu.be/3xluA8JxVVY


週刊新潮 4.23 」の「新潮人物文庫⑮ これからのエネルギー、私の視座」に登場しました。というわけで、本日のエントリーは本稿のご紹介。

 上記、【高浜原発】反原発脳が国を亡ぼす、皆で樋口英明裁判長に異議を!とも関係しております。



三橋貴明【経済評論家】 

危機感を抱かない人が多すぎます。火力発電への依存度「約9割」は異常です。


「エネルギーの安全保障、日本経済の復活、原子力技術維持のための経験の蓄積。その実現には、原子力発電所のすみやかな再稼働が絶対必要」と舌鋒鋭く主張するのは、経済評論家の三橋貴明さん。日本が進むべきエネルギー政策の道筋について、気鋭のエコノミストに聞いた。


●日本では、東日本大震災以降、全国の原子力発電所が停止したままです。この状況をどう見ておられますか?


 エネルギー安全保障の基本は、何よりも「多様化」にあります。実際、震災前のわが国のエネルギー政策は「ベストミックス」を国是とし、原子力、火力、そして水力、太陽光、風力などの再生可能エネルギーなど、多様な電源を組み合わせる方針をとってきました。また火力においては、石油、石炭、LNG(液化天然ガス)など燃料種の多様化を図り、調達先についても中東のように政治的に不安定な地域に偏ることのないよう努力が払われてきたのです。しかし、震災以降、全国の原子力発電所が停止した結果、このバランスは大きく崩れ、現在、わが国の電力は、約9割を火力に依存しています。しかも、その大半をLNGで賄っている状況です。エネルギー安全保障の観点から、わが国の状況はいびつで脆弱なこと、この上なく、そのような異常な状態が4年も続いているのです。この状況について、リアルな思考をせず、誰かが何とかしてくれるだろうと危機感を抱かない人が多すぎます。


●不安定な中東情勢やウクライナ危機。日本のエネルギーは大丈夫でしょうか


 化石燃料のうち、最もコストが高いのは石油で、最も安いのは石炭です。しかしながら、石炭はCO2を大量に排出します。震災後、各電力会社が石油より安くクリーンなLNGへの依存度を高めていったのも、当然のことでした。LNGの主な輸入先は、カタールをはじめとした中東諸国やマレーシアなどの東南アジア諸国、オーストラリアなどで、日本のLNG基地には、毎日のように巨大なタンカー船が数珠つなぎになって入ってきますもし、中東や東南アジアと日本にまたがる長いシーレーンのどこかで有事が発生するようなことになれば、日本の電力供給がたちまち危機的状況に陥るのは想像に難くありません。


 また、多くの日本人にとってウクライナ危機は遠い国の話かもしれませんが、エネルギー安全保障の観点からすると、日本とは無関係とも言えません。ドイツやイタリアなどの欧州各国は、ウクライナを通過するパイプラインによりロシアから天然ガスを輸入しており、ロシアとウクライナ間の紛争に神経を尖らせています。欧州各国が、パイプラインを使えなくなるリスクを懸念し、タンカーを使ったLNGの争奪に参戦してくるようなことになれば、わが国はLNGを安定的に確保するのが難しくなるでしょう。


●日本が今なすべきことは何でしょうか?
 
 日本全国の原子力発電が停止した結果、その代替として火力発電量が増加しました。結果、LNGをはじめとする化石燃料費は昨年だけで3・7兆円も余計にかかっていて、この4年の合計は12.7兆円に上ります。これだけの国富が、今後も海外に流出するようでは、喫緊の政治課題であるデフレ脱却などは夢物語です。


 では、日本は今、何をすべきなのか。私は、原子力発電所のすみやかな再稼働しかないと思います。日本経済を復活させるために絶対必要です。国が定めた新たなエネルギー基本計画で「原子力をベース電源のひとつとする」とした以上、安全が確認された原子力発電所は、すみやかに再稼働させるべきと考えます。審査に時間を要している現在の規制委員会のあり方にも違和感を覚えます。原子力発電所を動かしながら問題点を洗い出し、安全性を高めていくという方法もあるのはないでしょうか。


●再生可能エネルギーへの期待が高まっており、中には原子力の代替も可能との声もあります。


 太陽光や風力はお天気まかせであることから、発電効率が悪い上、発電できないときには火力などのバックアップ電源を必要とするなど、現状ではベース電源である原子力の代替は困難です。
 太陽光や風力で発電した電気を電力会社が長期間、固定価格で買い取ることを義務付けた「固定価格買取制度」にも問題があります。お天気まかせで、ムラのある発電でも、お金が自動的に発電事業者に入るという仕組みでは、設備を作ることにしか投資されません。蓄電などの技術開発を伴えば、より普及拡大が期待できるのに、この制度では技術開発がストップし、再エネの未来が閉ざされてしまいます。しかも発電事業者の懐に入るこのお金は、われわれ一般の消費者が毎月の電気料金に上乗せして払っているのです。このような制度は、即刻廃止して欲しいと思います。


●最後に、読者に向けたメッセージをお願いします。


 あらゆる技術は、経験の蓄積を必要とします。経験が人材を育み、人材が技術を維持・開発します。買ってくるなんてことは、簡単にできないんです。このままわが国が原子力発電所を動かさず放置していると、原子力に関する技術も人材もノウハウも徐々に消えていってしまいます。そうなると脱原発どころか廃炉もできなくなってしまうでしょう
 国家のエネルギー安全保障は、「非常事態、危機にいかに備えるか」という現実的な課題です。国民が科学的、技術的な課題から目をそらし、現実に背を向けてしまっては、いずれ国家が成り立たなくなります。エネルギーを他国に依存した国家に「平和」と「未来」があると思いますか?
 今こそ感情論を排し、落ち着いて日本がどうあるべきかを考えていただきたいと思います。


「感情論を排し、落ち着いて日本がどうあるべきか考えよう」にご賛同下さる方は、

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