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『実質賃金を引き上げる方法①』三橋貴明 AJER2015.3.17
https://youtu.be/54A1iQdY8Zs
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一般参加可能な講演会

5月9日(土) 熊本市国際交流会館 18時00分より三橋貴明講演「日本と台湾の明るい未来を築くためには
5月15日(金) 19時30分より『Voice』特別シンポジウム『日本の資本主義は大丈夫か――グローバリズムと格差社会化に抗して』
パネリスト:小浜逸郎、三橋貴明、中野剛志
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 本題とは関係ないのですが、昨日のエントリー「驚愕 」(本当に驚愕しました)で取り上げた浜田宏一内閣官房参与は、14日に日本経済新聞のインタビューに応じ、
インフレ目標はそんなに重要ではない。インフレを起こすのは国民に対する課税だからできるだけ避けたい。」
 と、これまた驚愕する発言をしていらっしゃいます。(2015年4月14日 日本経済新聞「金融政策、物価偏重に懸念 浜田内閣官房参与に聞く」)

 浜田教授、いつの間にかデフレ肯定に宗旨替えされたのですか?


 しかも、インフレは「インフレ税(その通りですが)」であると反対しつつ、消費増税には賛成する、この矛盾・・・・


 さて、ギリシャ。


ロンドン外為:ユーロが下落、独財務相がギリシャに警告
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NMW8BT6S972D01.html
 ロンドン時間16日午前の外国為替市場でユーロが下落。経済政策をめぐりギリシャと債権団が再び対立し、ユーロは主要16通貨中15通貨に対して下げている。
 ドイツのショイブレ財務相はギリシャに対する債権者側の一段の妥協の可能性を否定し、「全てはギリシャ次第だ」として、支援資金を受け取るために必要な改革にコミットすることを促した。同国の提出案をユーロ圏の財務相らは24日に検証する。(後略) 』


 ほとんど一週間おきに「節目」を迎えているギリシャ問題ですが、次の節目は24日です。

 現在、ギリシャの長期金利は12%を突破。ある意味で予定通りの上昇を見せています。これが20%に近づいた頃に、ギブアップ(デフォルト)という話になるのではないでしょうか。


 とはいえ、ユーロ諸国は「同じ共通通貨を使う国のデフォルト」だけは絶対に避けたいでしょうから、ギリシャの瀬戸際戦術とのギリギリの綱引きが続くことになります。といいますか、2012年にギリシャは一度、デフォルトしたのですが、当時は、
「債権者の銀行側が自発的にヘアカット(元本削減)に応じたので、デフォルトではない」
 という、意味不明な理屈でEUやユーロが乗り切ったわけです。今回は、同じ手は使えません。

 ドイツのショイブレ財務大臣は、24日にラトビアで開かれる予定のユーロ圏財務相会合において、ユーロ側が納得できる経済改革案をギリシャが提出し、合意に至る見込みは低いと述べました。それは、そうでしょう。


 ショイブレ財務大臣は、
どうしたら合意に達することができるのか、手掛かりすらない
 と発言。ギリシャが2011年以降実現してきた景気の前向きな動きを、新政権はすべて「破壊した」、として強く批判したわけでございます。


 が、「景気の前向きな動き」とは、何でしょうか。ギリシャの前政権であるサマラス政権は、失業率が25%を超える最悪の状況の中、EUやユーロとの合意に従い、緊縮財政を継続しました。結果、国民の怨嗟の思いが膨れ上がり、チプラス政権の誕生につながったわけです。


 何しろ、ギリシャは再び失業率が「上昇」局面に入っています。ギリシャの昨年10-12月期の失業率は、26.1%に上昇。しかも、1年間以上職に就かない、長期失業者の割合は、失業者全体の約73%を占めています。

 長期の失業状態は、人を絶望させます。


 さらに、特に若い世代の失業は、モノやサービスの生産のための技術、技能、スキル、ノウハウ、経験等の蓄積を妨げ、ギリシャを発展途上国へと導きます。生産者の供給能力は、仕事の経験によってしか身につかないのです。

 ショイブレ財務大臣は、
「金融市場はすでに、ギリシャ債務危機で起こり得る結果をすべて織り込んでいる」
 と指摘し、さらに、
「他のユーロ圏諸国に影響が波及することはない」
 と、述べました。ギリシャがデフォルトになっても、ユーロ圏は対処できると考えているようでございます。


 いずれにせよ、国民経済にとって重要なのは「おカネ」よりも「供給能力」です。おカネがなくても、国民は死にませんが、例えば食料や水の供給能力が不足すると、国民は死にます。「おカネがないと食料が買えない」というのはその通りですが、究極的に必要なのは「おカネ」ではなく「食料」であることはお分かり頂けますよね。


 ところが、グローバリズムというのは「おカネ」を指標に物事が動き、その究極的な(今のところ)結実例が「共通通貨ユーロ」だったわけです。そして、今、ギリシャ問題は「おカネの問題」故に、ニッチもサッチもいかなくなってしまっています。


 そう考えたとき、「おカネ(クニノシャッキ~ン)」をやたら問題視し、正しいデフレ対策が打てず、国民が貧困化していっている我が国と、ギリシャ危機を抱える現在のユーロが、根っこは「同じ問題」で苦しんでいることが理解できるわけです。

 日本も欧州も、国民経済の基本を取り戻さなければなりません。


「国民経済の基本を取り戻そう」にご賛同下さる方は、

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