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チャンネルAJER更新しました!

『実質賃金を引き上げる方法①』三橋貴明 AJER2015.3.17

https://youtu.be/54A1iQdY8Zs

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一般参加可能な講演会

5月15日(金) 19時30分より『Voice』特別シンポジウム『日本の資本主義は大丈夫か――グローバリズムと格差社会化に抗して』

パネリスト:小浜逸郎、三橋貴明、中野剛志

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 チャンネル桜「桜プロジェクト」に出演しました。


【震災対策】財政健全化の再定義、しかし財政政策には不整合が[桜H27/4/1]
https://youtu.be/mRnGC6RfCkA
【AIIB】日本の不参加は正解、ADBで着実に実績を積み上げるべし[桜H27/4/1]
https://youtu.be/or5Hnp0X_50
【明るい経済教室】黒田日銀発足2年、物価上昇2%の成否は如何に?[桜H27/4/1]
https://youtu.be/OPrp8Abb08s
【日台交流】台湾人アイデンティティの形成とチャイナ・リスクの現実[桜H27/4/1]
https://youtu.be/eEqqjyz-4qw


 わたくしは今、「技術」の本を書いています。


 よく、発展途上国について「供給能力が不足している国」であると説明します(「カネがない国」ではありません)。例えば、自分の国の企業や人材では「高層ビルを建てられない」「大きな橋を架けられない」国こそが、発展途上国なのです。


 そう考えたとき、我が国が大東亜戦争前から先進国であった事実が分かります。何しろ、自国の土木・建築需要を自国企業で満たし、各地に軍事基地を建設し、世界で最初に航空母艦の機動部隊を運用し、当時としては世界最大の戦艦を建造し、さらに世界有数の性能を持つ戦闘機(零戦、隼など)を万の単位で生産する「供給能力」を持っていたわけでございます。


 大東亜戦争敗北後に日本経済が急成長したのは、偶然ではないのです。無論、アメリカの戦略上、日本経済を成長させる必要があったという面もありますが、元々、急成長するための「供給能力」を保有していたからこそ、日本の高度成長は達成されたのです。


 さて、経済の三要素とは、「モノ・カネ・ヒト」の三つであると言われます。


 実は、これは間違いで、経済の三要素ではなく「ビジネスの三要素」がモノ、ヒト、カネなのです。


 経世済民に語源を持つ経済、あるいは「国民経済」とは、供給能力そのものです。(経済学用語でいうと潜在GDPです)そして、供給能力の三要素はモノ、ヒト、カネではなく、「モノ、ヒト、技術」の三つになるのです。

 供給能力が十分な国は、インフレ率が上昇しにくくなります。経常収支は黒字化し、長期金利は低下。政府が需要創出のための国債発行をする、あるいは中央銀行が国債を買い取る際の障害が少なくなります(相対的に)。


 すなわち、供給能力が十分な国では、政府にとって「カネ」は問題にならないのです。カネが問題になるのは、あくまで企業の「ビジネス」の話です。


 ビジネスと国民経済は違います。国民経済とは、カネを発行することが可能な政府によって管理されているわけです。

 ところが、現実の政治家は、国民経済の三要素が「モノ、ヒト、技術」であることを理解せず、「カネ」ばかりを重視してしまいます。要は、本ブログで解説しているような「国民経済」の教育を受けたことがないのが問題なのだと思います。自分の感覚、あるいは価値観に合わせ、
「政府は無駄遣いしてはいけない」
「政府は財政黒字でなければならない」(企業じゃないんですが・・・)
 と、勝手に思い込み、間違った政策が推進されていっているというのが現在の日本です。

 一昨日、またもや「間違った政策」が国会で可決されました


消費税率17年4月から10%に…景気悪くても
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20150331-OYT1T50151.html
 2015年度税制改正関連法が31日、参院本会議で自民、公明、次世代の党などの賛成多数で可決、成立した。
 消費税率10%への引き上げ時期を、当初の予定から1年半先送りして17年4月とすることが決まった。景気が悪化した時に増税を停止できる「景気条項」は削除された。
 14年4月に消費税率が8%に引き上げられた後、個人消費の回復が遅れている。
 15年度税制改正では、景気の底上げを図る。親や祖父母から受け取った結婚や子育ての資金について、1000万円まで贈与税を非課税とする。企業のもうけにかかる実質的な税負担の割合である法人実効税率(標準で34・62%)を2・51%引き下げる。』


 景気条項が削除されたため、今度は問答無用で17年4月に消費税が10%に引き上げられることになります。


 そもそも、現在の日本の困窮の始まりは、97年の橋本政権による消費税増税でした。さらに、昨年4月の消費増税が、日本経済にいかなる惨状をもたらしているか、ご承知の通りです。


 消費税増税派は、「おカネを発行できる」政府のおカネの問題(財政)ばかりを煽り立て、日本経済をデフレ化し、需要不足をもたらし、我が国の虎の子の「供給能力」を喪失せしめています。モノ、ヒト、そして技術が失われていき、我が国は着実に発展途上国へと歩みを進めていっているのです。


 デフレは様々な問題を引き起こしますが、最悪なのが供給能力(潜在GDP)という「経済力」を失わせることです。何しろ、一度失われた技術は、取り返しがつかないケースが多いのです。


 安倍政権によって、我が国が長期のデフレーション(=発展途上国化)に陥る可能性が高まってきました。


 ならば、どうすればいいのでしょう。結局、政治家が「経済」と「ビジネス」をごっちゃにしている状況が変わらない限り、事態は好転しないでしょう。政治家には「ビジネス」ではなく「経済」のために政治をしなければならないのですが、現状はそうなっていません。


 藤井先生ではないですが、「言論の力」により、正しい「経済」に関する知識、知見を広めるしかないわけです。そのために、わたくしは今日も講演し、キーボードを叩き続けます。(他に何か方法があるという方は、是非、コメント欄に書き込んで下さいませ)


「ビジネス」ではなく「経済」のための政治をせよ!に、ご賛同下さる方は、 

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