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『高度成長期に学ぶ①』三橋貴明 AJER2015.3.10

https://youtu.be/cAze-cExL_s

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一般参加可能な講演会

3月28日(土) 12時より『シンポジウム「台湾映画『KANO』にみる、忘れられた台湾史と今の日本人に求められるもの」』 文京区シビックセンターにて。

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 昨日は三橋経済塾第四期第三回の講義開催日でした。ゲスト講師の青木泰樹先生から、色々と興味深いお話を伺いました。

 インターネット受講の方は、一週間ほどお待ちくださいませ。


 さて、最近は有名になって参りましたが、安倍総理の執務室には「日経平均のチャート」が置かれています。総理が「日経平均至上主義」に陥っているという批判は、別に誹謗したいわけでも何でもなく、単なる事実なのです。
 
『「クジラ買い」の爆発力 公的マネー、需給に大変化
http://www.nikkei.com/markets/column/scramble.aspx?g=DGXLZO8426008011032015EN1000
 前日の米株安を物ともせず、11日の日経平均株価は反発した。誰がつけたか、公的マネーを指す「クジラ」が影響力の大きさを見せつけた一日となった。(後略)』


 クジラ買いとは何のことかと言えば、巨額の「買い」を入れてくる日本の公的機関などの機関投資家になります。具体的には、GPIF、共済、かんぽ生命、ゆうちょ銀行、そして「日本銀行」という五頭のクジラです。要するに、公的マネーが株式市場につぎ込まれ、現在の株高が演出されているという話でございます。


 UBS証券によると、五頭ののクジラの買い余力は、以下の通りです。


・GPIF 7.1兆円
・共済 3.4兆円
・かんぽ生命 3.4兆円
・ゆうちょ銀行 10.3兆円
・日本銀行 3兆円


 ちなみに、日本銀行の「株式購入」は、個別の株を買っているわけではありません。上場投資信託(ETF)を買っているのです。


 さて、話は青木先生の講義に戻りますが、現在の日本銀行のインフレ目標及び金融政策は、
「インフレ率(コアCPI)が2%に達するまで、量的緩和を続ける」
 と、硬直的なコミットメントに基づいている点が「危険」であると解説して下さいました。


 その通りだと思います。わたくしは(青木先生も)量的緩和を「やめるべき」とは全く思っていません。逆に、現時点で量的緩和を終了すると、先日のスイス国立銀行のような有様になり、かえって危険だと思います。 


 とはいえ、硬直的なコミットメントに基づく量的緩和もまた「危険」なのです。理由は、現実に量的緩和を拡大しているにも関わらず、コアCPIは直近で対前年比0.2%上昇に過ぎず(間もなくマイナスに落ち込むでしょう)、おカネを「モノやサービスの購入=GDP」に導くルートが確立されない限り(つまりは、財政出動が十分な金額分、実施されない限り)、インフレ目標はいつまでたっても達成されないためです。


 期待インフレ率により、現実のインフレ率を引き上げるという「岩田理論」は、実験失敗に終わりました。

 このまま、金融政策偏重の政策を続ける場合、日本銀行はインフレ率が上昇しない中、ひたすら金融市場から国債を購入し、日本円を発行し続けなければならないことになります。やがては、近い将来に「銀行の国債が尽きる」日が視野に入ってきます。


 ところが、何しろ「インフレ目標2%達成まで、量的緩和を継続する」というコミットメントがあるため、日本銀行は銀行から国債を買えなくなっても、金融市場からの債券購入と日本円発行(同じ話ですが)を継続しなければなりません


 というわけで、将来的に日本銀行が「コミットメント」により、
ETFの買い取り額を増やしていく
 という状況に陥る可能性が濃厚なのです。何しろ、日本銀行の量的緩和は月に数兆円規模です。買入余力が数兆円といった話ではないのです。


 結果的に、日経平均はひたすら上昇していく反対側で、国民の所得が一向に増えないという「日経平均と実質賃金の乖離」が拡大していくことになります。その先は、果たしてどうなるのでしょうか・・・・?


 分かりません。


 いずれにせよ、日本銀行は量的緩和について、コミットメント方式から、
機動的な量的緩和
 に政策を変更するべきというのが青木先生のご主張で、わたくしも全面的に賛成いたします。
 期待インフレ率により、現実のインフレ率を高めるという「実験」が失敗に終わった以上、量的緩和政策についても「より、柔軟なスタイル」に改めるべきなのです。


「日本銀行は【機動的な量的緩和】に政策変更せよ」に、ご賛同下さる方は、

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