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チャンネルAJER更新しました!

『国の借金シンドロームの治療(後編)①』三橋貴明 AJER2015.2.24(3)

http://youtu.be/_OAuQJWGWCc

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一般参加可能な講演会

3月28日(土) 12時より『シンポジウム「台湾映画『KANO』にみる、忘れられた台湾史と今の日本人に求められるもの」』 文京区シビックセンターにて。

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 本日はチャンネル桜「報道ワイド日本 Weekend」に出演します。

http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1521

 

 PHP研究所から「繁栄の絶対法則 」が刊行になりました!




 さて、日本経済は未だにデフレーションの呪縛から解き放たれていません。デフレが継続すると、所得が下がり、国民が貧困化し、購買力を失い、国内の需要が不足し、モノやサービスという付加価値が売れなくなり、物価が下がり、更なる所得縮小と国民の貧困化をもたらします。同時に、余剰になった虎の子の「供給能力」が毀損していきます


 技術、生産設備、人材の集合体である「供給能力」は、主に企業に蓄積されます(厳密には企業の人材)。「モノを生産する」「サービスを供給する」力を持った企業が、デフレにより一つ、また一つ、倒産、廃業していけば、やがて我が国は供給能力が不足する発展途上国と化すでしょう


 日本の発展途上国化を回避するためには、デフレから脱却し、国民を豊かにし、国内の需要(市場)を拡大する必要があります。さらに、各種の「投資」により、供給能力を回復、拡大していく必要があるのです(つまりは、生産性の向上ですが)。


 そして、投資とは、
将来に希望を持った国民
 にしかできません。将来に不安感ばかりを持っている国民は、「将来のための投資」に踏み切ることはできないのです。投資とは、お金を使った瞬間は、支払い手に何の便益ももたらしません。工場建設が分かりやすいのですが、投資からの果実を得ることができるのは、あくまで「将来」なのです。


 不安感に支配された国民は、投資に踏み切れません。結果、投資(総固定資本形成)という名目GDPの需要が拡大せず、需要不足が終わらず、デフレが継続し、国民が貧困化していくことになります。


 それでは、どうすれば国民が「将来の成長のための投資」に踏み切ることができるでしょうか。


 上記の問題に、見事に応えて見せた先人がいます。以前もご登場いただきましたが、1854年の安政南海地震で壊滅状態に陥った広村(現、和歌山県広川町)に「広村堤防」を築いた、七代目濱口儀兵衛こと「濱口梧陵」です。


 濱口梧陵は、実は今回の「繁栄の絶対法則 」の主役だったりします。本書の前半は、濱口梧陵の偉業を基に、「経済」「安全保障」「生産性」「繁栄」について解説したものになっているのです。


 さわりだけ書きますが、安政南海地震で村が壊滅したわけですが、問題は、
「広村は過去何度も、津波被害を受けて来た地域」
 であることでした。
 

 家を失い、生業を失った村人たちは、
「頑張って家を建て、田畑を回復させても、また津波が来て何もかも失ってしまうのでは・・・」
 と、まさに「将来に不安感を持ち」、広村を離れようとしました


 津波被害を受けた田畑を回復させるというのは、「投資」にほかなりません。田畑が使用可能となったその時点で、別に農産物が生産されるわけではありません。農産物という「所得」を得られるのは、将来の話なのです。


 将来的な津波再来を不安に感じた村人たちは、「将来の成長(=所得拡大)」のために投資をする気にはなれませんでした


 さあ、どうなったでしょうか。

 そこで、広村堤防の建設という話です。


 無論、広村堤防の建設には、
「田畑を失った農民、漁具を失った漁民に【生業】を与える」
「将来の津波被害から、村人を守る」
 という意味もあります。同時に、
村人の将来不安を払拭し、投資を促す
 という効果もあったわけです。


 広村堤防に限らず、公共投資は「二つの意味」で生産性向上効果があります。一つ目は、これは分かりやすいのですが、高速道路に代表される、国民の移動時間を短縮するインフラを建設することによる「直接的な生産性向上効果」です。

 そして、「堤防建設」などの防災対策には、生産性向上効果がないかと言えば、もちろんそんなことはありません。堤防建設などの防災投資により、国民の不安感を払拭し、民間の投資を促進する「間接的な生産性向上効果」があるわけです。


 頻繁に津波に襲われ、他の地域とつなぐ道路もないような地域で、企業に「投資してください」とやったところで、見向きもされません。津波被害を防ぐ堤防を建設し、各地域とつなぐインフラを整備して初めて、民間の投資を促進することができるわけです。


 この手のことは、真剣に考えてみれば「当たり前のこと」だと思うわけです。ところが、現在の日本では「当たり前のこと」が国民(特に政治家)の頭から消え失せた結果、長引くデフレで発展途上国への道をひた走っています。


 少なくとも現在の日本にとって、繁栄の絶対法則とは「当たり前のこと」に過ぎないのです。

 当たり前のことを、知ってください。


 「繁栄の絶対法則 」、本日、PHP研究所から刊行となります。


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