株式会社経世論研究所
講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッター
はこちら
人気ブログランキング に参加しています。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
チャンネルAJER更新しました!
『国の借金シンドロームの治療(前編)①』三橋貴明
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
さて、最近のわたくしが読んで「これだ!」と思った本の二冊目(一冊目は中野剛志氏の「資本主義の預言者たちニュー・ノーマルの時代へ (角川新書)
」)が、佐藤健志氏の「愛国のパラドックス: 「右か左か」の時代は終わった
」になります。
本書は、わたくしが以前から疑問に思っていた日本の「保守派」について、回答を示してくれたものです。わたくしは「自分は保守派ではありません」と繰り返していますが、例えば「日本の保守派」と言われる首相が、
「戦後以来の大改革」
「改革断行」
「聖域なき構造改革」
などとやるのは、「そりゃ、保守主義ではないでしょう・・・」と、違和感を持ち続けているわけでございます(「グレートリセット」とやらも同じです)。
保守派ならぬ、保守主義とは何か。佐藤氏が「愛国のパラドックス: 「右か左か」の時代は終わった
」で、
「日本の保守派は左翼的である」
と、見事に喝破していらっしゃいます。
以前から、わたくしが「共産主義と新自由主義は、同じに見える」と主張していた真意が、本書をお読み頂ければご理解頂けるのではないかと思います。
ちなみに、 保守主義ならぬ「保守派」は、理想の状況をなかなか構築できないとき、
「自分は完全に正しいのに、なぜ巧くいかないんだっ!」
という思いに至り、佐藤氏によれば、
「完全に正しい立場や主張さえ封じ込めることができるほど強力な敵」
の存在を勝手に想定し、「敵」に対する怒りを募らせることで、苛立ちを解消しようとします。
とはいえ、現実には「強力な敵」(実際にいるかどうか不明なのですが)は倒せません。結果、苛立ちを解消するために、
「身内に『裏切り者』を見出し、それを攻撃・粛清する」(P81)
行動に走るわけです。すなわち、内ゲバです。
わたくしは「政策」「思想」を批判しても、特定の人物(言論人など)を攻撃したり、あるいはファシズム的に誰かに対する攻撃を煽ったりすることはありません。とはいえ、逆に「うまくいかない苛立ち」を、特定の言論人(例えばわたくし)を攻撃することで解消しようとする人は、実に多いです。
この手の人たちは「韓国」と同じですから、基本的には無視。正しい情報を相手の百倍の声で叫び、一線を越えたら訴訟。という対応を取ることにしています。(そもそも、政治家でも官僚でも学者でもないわたくしを攻撃したところで、世の中がまともな方向に変わるわけがないでしょうが・・・。)
ところで、話は関連しつつ変わりますが、田母神俊雄氏の事務所の「寄付金の流用」問題について、
「保守分裂はダメ」
「内ゲバは止めよう」
などと、的外れなことを言う人がいますが、↑これは思想やら政策やらは無関係な、単なる「横領」であり、政治資金規正法や公職選挙法に抵触する「疑い」を持たれているというだけの話でございます。わたくしにはよく分からない「保守派」とやらを守るために、横領や法律違反を見逃すなど、筋が通るわけがありません。
さらに、「三橋は水島派なのか!」などと書いてくる人がいるわけですから、情けなくなります。勝手に内ゲバでも何でもやっていなさい。わたくしは単に、田母神氏が嘘を言ったため、それを指摘しただけです。
わたくしは、一昨日の記者会見で、田母神氏が「本当のこと」を語ったならば、昨日のような取り上げ方をする気はありませんでした。とはいえ、田母神氏はそうせず、さらにその後のTwitterでもチャンネル桜の攻撃に専念し(これはまさに「内ゲバ」です)、以下の疑問に答えていません。
(1) 都知事選が終わった時点の残高が、選対本部長だった水島氏は「8000万円以上」、田母神氏は「6000万円」と認識しており、その差異はどこから生まれたのか?
(2) 会計責任者の鈴木氏が3000万円使い込んだにせよ、残りの(少なくとも)3000万円はいかにして使われたのか?
(3) 犬伏氏は「月に100万円のペースで赤坂の倶楽部で鈴木氏が使った」と説明しましたが、倶楽部に行ったのは本当に鈴木氏だけなのか?(事務局長の島本氏は行っていないのか? あるいは他のメンバーは?)
(4) 衆院選前の時点で「1000万円くらいしか残っていない」と認識していたにも関わらず、その時点で対応しなかったのはなぜか?
(5) 本当に衆院選後まで分からなかったのか?(八か月もあったのに!)
(6) 記者会見が真実だとして、数千万円の横領をした鈴木氏について、田母神氏が「名前は可哀想だから出さない」と発言し、さらに「弁済計画によっては、刑事告訴をしない」と、意味不明な対応を取るのはなぜなのか?(普通、即告訴です)
そして、これが決定的ですが、2月11日に田母神事務所の方(名前も分かっていますが、公表は控えましょう)が水島氏に電話で相談してきた内容と、記者会見の内容が食い違っているのはなぜか。
繰り返しますが、これは単に「横領」「法律違反」の疑いの話であり、保守派の「内ゲバ」でも何でもありません。田母神氏はTwitterで水島氏を攻撃している暇があれば、上記の疑問に答えるべきでしょう。
ついでに、都知事選後に水島氏が資金を「がんばれ日本の口座に云々」とは、本筋の問題ではありません。実際にお金が移っていない以上、殊更に本件を取り上げる田母神氏は、「他に隠したいことがある」との疑念を持たれても仕方がないでしょう(ついでに、政治資金の取り扱いに慣れている水島氏が、明らかな違法である「資金を移す」ことを持ちかけるなど、考えられません)。
淡々と真実が明らかになることを期待します。
「淡々と真実が明らかになることを期待する」に、ご賛同下さる方は、
↓このリンクをクリックを!
◆本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。
◆関連ブログ
◆三橋貴明関連情報
Klugにて「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」 連載中
新世紀のビッグブラザーへ ホームページ はこちらです。