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『混迷の日本①』三橋貴明 AJER2015.1.20(7)

http://youtu.be/MzVOqXpdh0g

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 さかき漣が全面リニューアルした文庫版「コレキヨの恋文 (PHP文庫) 」が、PHP研究所から刊行になりました。今回、文庫版をお買い上げ頂いた皆様には、藤井聡先生にもご参加頂いたスペシャル鼎談動画のプレゼント・キャンペーンがあります。
http://rensakaki.jp/release/korekiyo.html  

 文庫版をご購入いただいた方は、是非とも上記ページから動画をダウンロードして下さい。


 「経済界 2015年 2/24 号 [雑誌] 」に連載「深読み経済ニュース解説 悪夢の循環を生むPB黒字化目標」が掲載されました。


 八重洲ブックセンターで文庫版「コレキヨの恋文 (PHP文庫) 」が文庫・新書週刊ベストテンで首位になっていました!  


 さて、毎度お馴染みの「国の借金」でございます

 今回は、日経新聞がテンプレ通りの「国の借金○○。国民一人当たり○○の借金」という見出しで報じていました。


「国の借金」12月末は1029兆円 国民1人当たり811万円
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL10H79_Q5A210C1000000/
 財務省は10日、国債や借入金、政府短期証券を合わせた「国の借金」の残高が2014年12月末時点で1029兆9205億円になったと発表した。1月1日時点の人口推計をもとに単純計算すると、国民1人当たり約811万円の借金を抱えていることになる。
 ただ、9月末からの3カ月間でみると8兆9945億円減った。政府短期証券の残高減少が寄与した。通常は短期証券が償還を迎えた際、借換債の発行でまかなうが、今回は余裕資金を充てたという。技術的で一時的な要因が大きい。
 「国の借金」のうち、国債は9月末に比べ6兆4114億円増の874兆2354億円。政府短期証券は16兆2104億円減の100兆4082億円だった。一方、借入金は8045億円増の55兆2769億円
だった。14年度末の「国の借金」の総額は1062兆7000億円になる見通しだ。(後略)』


 昨日の「モーニングCROSS」やチャンネル桜「桜プロジェクト」でも取り上げましたが、
「いい加減に、この『国の借金』というウソ用語を使うのはやめろ!」
 と、心の底から思うわけです。


 言葉、用語が間違えている以上、国民は「政府の負債(財務省の言う国の借金)」や「財政」「国民経済」について正しい理解をすることはできません。

 言葉、用語の間違いは、正しい解決をもたらさないどころか、思わぬ災難を引き起こすこともあります。わたくしが「イスラム国ではない! ISILと呼ぶべき」と繰り返しているのは、間違った言葉の使い方による「災難」を恐れているわけです。 


 そして、日本における「政府の負債」に対する言葉の間違い(国の借金)は、冗談でも何でもなく我が国を滅ぼしかねない、最悪のプロパガンダなのです。


 現在、中国のGDPはすでにドル建てで比較すると日本の二倍に達しています。中国のGDPが我が国の二倍に達しているとは、名目GDPに対する税率が同じであると仮定すると、
「中国共産党政府の財政規模は、日本政府の二倍に達している」
 という意味を持つのです。しかも、何しろ中国ですので、当然ながら軍事支出は財政以上のペースで拡大します。すでに、中国の軍事支出は日本の四倍です。


 日本の名目GDPの成長を抑制するデフレを放置し、近い将来、中国の経済規模が我が国の三倍、四倍に達した時、軍事支出は恐らく十倍に近い差がついているでしょう。十倍の軍事支出の規模を持つ共産党独裁国、しかも「反日」を国是としている国に、我が国はいかにして立ち向かえばいいのか。立ち向かいようがない、というのが答えなのです。


 というわけで、我が国は早急にデフレから脱却しなければならないのですが、財政出動(及び緊縮財政の拒否)という「正しいデフレ対策」を、「国の借金」という言葉が妨害しています


 しつこく、しつこく言い続けたいのですが(言い続けていますが)、「国の借金」という言葉は間違っています。何しろ、我が国の「国の借金」すなわち対外負債は、500兆円に過ぎません。逆に、我が国は外国に820兆円のお金を貸し付けています。すなわち、対外資産が320兆円です。


 対外資産が820兆円、対外負債が500兆円であるため、日本国は実は320兆円の純資産状態にあるわけです。純資産が多い人のことを「お金持ち」と呼びます。日本国の対外純資産320兆円は世界最大でございます。

 日本国は「国家」として見た場合、世界一のお金持ち国家なのです。これは、統計が示す「覆しようがない真実」です。


 世界一のお金持ち国家の中で、政府が借りているのが「国の借金」の正体でございます。正式にはGovernment Debtと呼びます。翻訳すると「政府の負債」。マスコミに氾濫する「国の借金」は、正しくは「政府の負債」と呼ばなければならないのです。

 常日頃、
「グローバル! グローバル!」
 と言っているマスコミの皆さん、是非ともグローバルに倣って「政府の負債」と呼んでください。国民が財政や政府の負債について正しく知る、第一歩になります。


 政府の負債である以上、借りているのは「政府」です。それでは、貸しているのは誰でしょうか。

 日本国債の所有者の多くは、国内の銀行、生命保険・損害保険会社、年金、そして日本銀行になります。日本国債のほとんどは、国内の金融機関により保有されています。我が国の「政府の負債」の債権者のほとんどは、国内金融機関なのです。


 とはいえ、例えば国内の銀行にしても、別に自前のお金を政府に貸し付けているわけではありません。国民から「預金」という形で借りたお金を、政府に貸し付けている(=国債を購入している)に過ぎないのです。すなわち、我々に預金や保険料などが、日本国債で運用されているだけなのです。


 政府の負債の「債権者」が日本国民なのです。債務者ではありません。

 それにも関わらず、国内の新聞は冒頭の日経記事のような虚偽情報を平気で報じます。結果、我が国の国民に「財政破綻症候群」が蔓延し、正しいデフレ対策(財政出動)が打てないわけです。


 先のレトリックでいえば、国民1人当たり811万円の「債権」です(事実としてそうです)。さらに、100%自国通貨建てで、日本銀行が国債を買い取ることで実質的な政府の負債が消滅する我が国が「財政破綻」する可能性は「ゼロ」。この手の真実が国民に広まらない限り、我が国がデフレから脱却する日は訪れず、中国とのGDP、財政、軍事支出の差が広がっていき、やがて我が国は中華人民共和国という共産独裁国に膝を屈することになるでしょう


 この種の悪夢を避けるためにも、まずは「正しい言葉」を使いましょう。言葉の間違いは、国を亡ぼすのです


「亡国を避けるために、正しい言葉を使おう」に、ご賛同下さる方は、

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