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チャンネルAJER更新しました!
『自然失業率①』三橋貴明 AJER2014.12.16(3)
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三橋経済塾第四期「経済時事」、開講しました。
第一回目の講義は、1月18日(日)です。ゲスト講師も次々に決まっておりますので、塾生の方は「対面講義のスケジュール及びゲスト講師 」で確認して下さいませ。
本日はチャンネル桜「日本よ、今...「闘論!倒論!討論!」 ◆経済討論・2015年 日本経済と世界」に出演します。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1587
上記、討論でも一時間目から話題になっていた(というか、話題にしたのですが)「プライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化」目標問題ですが、国債の元利払いを除いた収支という意味になります。
と書いても、普通の人は分からないでしょうから、物凄く簡単に書くと、
「プライマリーバランスが黒字であれば、政府の負債残高は減る。赤字であれば、増える」
と、ご理解頂ければよろしいかと。
プライマリーバランスが均衡していた場合、国債の利子率が名目GDPの成長率を下回っていれば、「政府の負債対GDP比率」が低下していくことになります。あるいは、プライマリーバランスが赤字であっても、十分に名目GDPが成長していれば、「政府の負債対GDP比率」がやはり低下していきます。
財政の目標を「政府の負債対GDP比率を引き下げる」と設定すれば、問題は「名目GDPの成長率」に収斂することになります。名目GDPを成長させるためには、どうしたらいいのか。充分な金融政策と財政政策によりデフレギャップを埋めるのです。しかも、量的緩和という金融政策は、
「物価上昇率を引き上げ、名目金利を引き下げる」
効果を持つため、いわゆるドーマー条件をクリアする方向に向かいます。(名目GDP成長率>名目金利になるという話)
というわけで安倍政権がとりあえず「プライマリーバランス」を忘れて、金融政策は継続しつつ、デフレギャップを埋める財政出動を継続的に実施するだけで、我が国はデフレから脱却し、名目GDPが成長を始めます。名目GDPが成長すれば、金利は日銀により抑えられているため、余裕でドーマー条件をクリアし、「政府の負債対GDP比率」が下がり、そしてプライマリーバランスも黒字化に向かうことになります。
何しろ、名目GDPが拡大すれば、税収が増えます。景気が良くなれば、当然、景気対策も不要になりますので、プライマリーバランスは黒字化の方向に向かうわけです。
逆に、デフレの国で、
「プライマリーバランスの黒字化」
「プライマリーバランスの赤字縮小」
を「目標」に置いてしまうと、特に日本の場合は「プライマリーバランスを単年度で見る」という最悪のことをしていますので、政府は、
「増税で政府の歳入を増やし、政府支出を削減する」
緊縮財政の方向に向かわざるを得ません。
デフレの国で緊縮財政を実施すると、名目GDPが縮小し、税収が減り、プライマリーバランスの赤字は拡大します。それにも関わらず、政府は未だに「プライマリーバランス」に拘り続けています。
『15年度の赤字半減に努力 首相、幹事長と方針確認
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS07H5X_X00C15A1000000/
安倍晋三首相は7日昼、自民党の谷垣禎一幹事長と官邸で会談し、国と地方を合わせた基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字を2015年度に、10年度比で半減させる政府目標の達成に向けて努力する方針を確認した。
首相は「赤字半減に向けて努力している。きちんとやろう」と述べた。政府は15年度に半減させ、20年度までに黒字化することを目指している。(後略)』
デフレ脱却し、名目GDPが成長を始めれば勝手に改善するプライマリーバランスを目標にしている時点で問題なのですが、日本の場合は更に「単年度主義」なのです。単年度のプライマリーバランスを「どうする」などとやっていたら、デフレ脱却策など打つことができません。
単年度のプライマリーバランスを目標にする場合、政府支出の拡大は「悪」というか、「目標達成に反する」という話になってしまうわけでございます。
問題は、日本国民の多くが(※政治家含む)「プライマリーバランス」の正しい意味や、プライマリーバランスと名目金利、名目GDP成長率の関係を知らないことです。結果的に、プライマリーバランスを目標に据え、いつまで経ってもまともなデフレ脱却策が講じれない状況が続いているわけです。
無論、安倍政権も例外ではありません。
というわけで、本日の桜の討論番組でも取り上げますが、暫く「プライマリーバランス」問題に重点を置きたいと思っておりますので、皆様も「正確に理解」した上で、拡散等のご支援を頂ければと存じます。
ユーロ圏は「ユーロの呪縛」に縛られていますが、我が国は「プライマリバーランスの呪縛」に囚われ続けているのです。
「プライマリーバランスの呪縛を打ち払おう!」に、ご賛同下さる方は、
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