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『自然失業率①』三橋貴明 AJER2014.12.16(3)

http://youtu.be/AjgzRylJOYk

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 三橋経済塾第四期「経済時事」、開講しました。


 第一回目の講義は、1月18日(日)です。ゲスト講師も次々に決まっておりますので、塾生の方は「対面講義のスケジュール及びゲスト講師 」で確認してくださいませ。


 フランスでイスラム教風刺画を掲載し、物議をかもしていた週刊新聞社が襲撃され、記者ら12人が殺害されるという事件が発生しました。黒い目だし帽を被り、カラシニコフを乱射し、車で逃走する。まるで、バクダッドかダマスカスを思わせる光景です。


 ギリシャの総選挙が近づき(長期金利が10%を超えました)、ドイツでは「反イスラム・反移民」のデモが起き(過去最高となる1万8000人が参加)、ケルン大聖堂などが「反移民」に抗議し、照明を落としました。

 まさに、揺れるヨーロッパとしか表現のしようがないのですが、ユーロからギリシャが離脱すると取り沙汰されている中、ドイツのメルケル首相は、
「ドイツの首相として、そして政府として、ギリシャがユーロ圏にとどまる政策を常に追い求めてきた」
「ギリシャは多大な犠牲を払った。多くのギリシャ国民にとり、ここ数年は非常に厳しいものだった。われわれはかなりの進展を遂げた」
「ギリシャは自らの責任を果たす一方、われわれは結束を示すとの理念で取り組んできた。これを成功裏に終わらせることができると疑いなく信じている」
 と発言。ギリシャのユーロ離脱について否定的な観測を示しました。


 もっとも、ユーロの問題はすでに「ギリシャ離脱」云々を通り越しているように思えます。と言いますか、ギリシャからのユーロ離脱という問題を抱えつつ、反対側で「より重大な問題」が深刻化していっているのです。


 すなわち、デフレーションです。


ユーロ圏:12月インフレ率は5年ぶりマイナス-デフレ脅威増大
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NHSY3P6KLVR601.html
 ユーロ圏の消費者物価は昨年12月に下落し、インフレ率が5年余りで初のマイナス圏に落ち込んだ。欧州中央銀行(ECB)が刺激策を拡大する可能性が高まった。
 欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が7日発表した12月のユーロ圏消費者物価指数(CPI )速報値は前年同月比0.2%低下。2009年9月以降最低のインフレ率となった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト30人の調査中央値ではマイナス0.1%が見込まれていた。11月のインフレ率はプラス0.3%。
 同日発表された11月のユーロ圏失業率 は11.5%と、10月から変わらず。エコノミストらの予想通りだった。
 物価が下落し家計が消費を先送りするデフレ悪循環にユーロ圏が陥るリスクは「完全に排除」できないとECBのドラギ総裁は言明しており、このリスクを回避しようとECB当局者らは国債購入計画に取り組んでいる。ECBはこの日の会合で量的緩和プログラムの選択肢を協議し、結果を22日の政策決定会合後に発表する可能性がある。(後略) 』


 ついに、ユーロ圏全体のインフレ率がマイナスに落ち込んでしました。2009年も一時的にマイナスになったことはありましたが、あの頃はすでにギリシャ危機が発覚し、世界的にも「金融危機」の状況でした。何しろ、09年は中国までもがインフレ率がマイナスに落ち込みましたので(日本はもちろんマイナス)、ユーロの物価上昇率がマイナスになったことは「特別なこと」とは言えませんでした。


 とはいえ、今回は違います。何しろ、今回は別に世界的に金融危機が発生しているわけではないにも関わらず物価上昇率がマイナスになり、さらにギリシャを除くユーロ圏の長期金利は超低迷しているのです。


 ギリシャの長期金利が10%を突破する反対側で、
・ドイツ 0.48%!
・フランス 0.79%
・イタリア 1.9%
・スペイン 1.69%
・アイルランド 1.24%
・ポルトガル 2.73%


 と、主要国の10年債が「信じられない水準」にまで落ち込んでいるのです


 ブルームバーグの記事にもある通り、ECBは国債購入の量的緩和拡大に走ると思います(ギリシャの国債は買われるのでしょうか?)が、問題は「金利上昇」ではなく、「需要不足」です。ECBが量的緩和に乗り出し、さらに長期金利が下がったところで、資金需要は増えないでしょう。 


 といいますか、ユーロ圏に充分な資金需要があるならば、ここまで各国の長期金利が下がるはずがありません。資金需要が乏しい環境で、お金を供給したところで、ひたすら国債金利が下がっていくという、どこかの極東の国と同じ状況になるに決まっています。


 ユーロの問題は「需要不足」です。と言いますか、需要不足にも関わらず、ユーロという呪縛により、各国が十分な財政支出を実施できず、需要不足を埋められないというのが問題なのです。


 ユーロの「デフレ問題」は日本よりも深刻です。何しろ、各国は「国際協定」によりユーロに加盟しているため、構造的に金融主権全てと財政主権の多くを喪失している状況にあります。日本は「政治家」が問題を解決できますが、ユーロはできません。(無論、政治家がデフレ脱却の方向に舵を切らない日本の現状は、極めて問題ですが)


 ドイツでは、「ギリシャを切り離せば、問題は解決する」という論調が流行っているようですが、事はもはやギリシャの問題ではありません。ギリシャがユーロから離脱したところで、ユーロ加盟各国のデフレーションは続きます。


 ギリシャが1月の総選挙で反緊縮の方向に舵を切り、ユーロから離脱せざるを得ない状況になったとしても、話は終わらないのです。最終的には、
共通通貨ユーロのシステムは、デフレーションに対し無力
 というシステム上の欠陥から、ユーロは中長期的には「解体」の方向に向かわざるを得ないと思うのです。


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