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『国力とは何か(前編)①』三橋貴明 AJER2014.11.11
『国力とは何か(後編)①』三橋貴明 AJER2014.11.18
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夕刊フジで「斬り捨て御免 日中韓経済」が連載されています(短期集中連載です)。
【斬り捨て御免 日中韓経済】衆院選、各党は実質賃金高める政策論争を
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20141201/dms1412011729006-n1.htm
別に、わたくしが「実質賃金」「実質賃金」とやっていたためではないでしょうが、党首討論などで「実質賃金をいかに引き上げるか」の議論が始まったのは、いいことだと思います。
もっとも、
「アベノミクスで実質賃金が上昇します」
といった「ふわっとした抽象的な議論」ではない、具体的な政策論争を展開して欲しいです。
例えば、誰かが、
「労働規制を緩和し、派遣社員を増やすことで実質賃金を引き上げます」
と、主張したとしても、それはそれで構わないと思います。労働規制を緩和し、派遣社員が増え、どのように「実質賃金が引き上げられるのか」のプロセスを明示してもらう必要はあるでしょうが。
現実的な話としては、日本国民の実質賃金を引き上げるためには、政府の財政出動が必要です。といいますか、政府の財政出動は「確実に」国民の実質賃金を引き上げます。
例えば、公共投資拡大で建設労働者の「奪い合い」が発生すれば、実質賃金は引き上げられていきます。(政府の労務単価引き上げも必要ですが) 13年の公共投資拡大で、建設関連の人件費は確かに上昇しました。
が、すでに勢いは失速し、それどころか日本経済は「財政の崖」に直面しています。
昨日の「三橋貴明の「新」日本経済新聞」に、藤井聡先生が「財政の崖」について書かれています。
『【藤井聡】建設業界は、まさに今、再び「冬の時代」に突入しつつあります。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2014/12/02/fujii-119/
(前略)増税をすれば8兆円分の税増収になりますが、それは、国民の所得が8兆円奪われる事を意味します。
これだけでも、日本経済を不況にたたき落とす「経済の崖」となり得るのですが、これに加えてナント、補正予算が10兆数千億円から5.5兆円まで減額することによって、その差額である約5兆円の「経済の崖」が生ずることは、端から分かっていた話なのです。
つまり、昨年度から今年度にかけて、8兆円+5兆円の、都合、13兆円分の「経済の崖」が生ずることは当初から明らかだったのです(なお、これに、駆け込み需要の効果もたせば、15兆円規模になります)。
これを理解するためには複雑な経済論など一切不要であり、経済の基礎知識さえあれば後は、簡単な足し算引き算の世界で理解できる当たり前中の当たり前の事柄でした。』
現在、政府が大幅に補正予算を減額したことで、藤井先生が書かれている通り、建設業界は再び「冬の時代」に突入しつつあります。
少し前まで問題になっていた、建設関連の人手不足問題も、すでに解消の方向に向かっています。
【建設労働需給調査結果(8業種)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_48.html#kensetsu
季節調整比では、わずか0.5であり、人手不足問題は過去の話になりつつあるのです。補正予算を削り、さらに消費増税で「需要」を大きく削った以上、当然なのですが。
今回の「タイミング」がまずかったのは、「公共投資の減少」と「消費税駆け込み需要の反動減」が重なってしまったことです。民間の建設需要でいえば、特に新設住宅が大幅に落ち込んでいます(10月の新設住宅着工戸数は前年同月比12.3%減)。
総理(というか経済財政諮問会議)は、公共投資について「災害対策等、緊急時の支出」にとどめる方向と明言しており、今後の公共投資はまたもや減少局面に入る可能性が高いです。
藤井先生は、今回の「公共投資削減」と「消費増税」による需要の急激な現象について、
「経済の崖」
と表現されていますが(財政の崖と同じ意味でしょう)、まさに「崖」という表現が相応しい失速が、日本経済に襲い掛かっているのです。
というわけで、本来であれば総選挙において、「たとえ日本がデフレではなかったとしても」政府による需要創出策が「大いに」議論されるべきなのです。すなわち、財政出動です。
日本国民の実質賃金を高めるためにも、各党は「補正予算による財政の拡大」という「普通の政策」について、しっかりと議論して欲しいのです。「財政の崖」を回避できなければ、デフレ脱却は100%不可能です。
財政の崖を回避するために、財政出動の拡大を!に、ご賛同下さる方は、
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