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『財政均衡主義の払拭を①』三橋貴明 AJER2014.10.21(2)

http://youtu.be/xKv1OE-9LaY

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2014/11/14 東京都トラック協会 ロジスティクス研究会 三橋貴明氏 講演会 テーマ「生産性向上のためのインフラ整備-運送サービスで考える-」

http://ws.formzu.net/fgen/S54394876/

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Biz JAPAN (ビズジャパン/It's KOREAL 2014年11月号増刊) 」に渡邊哲也氏との対談「日本人はこうして豊かになればいい」が掲載され、「賃金主導型が正しい「成長モデル」」を寄稿しました。


 わたくしと渡邊氏が「ドーンッ!」という感じで表紙になっている「BizJapan」ですが、グローバリズムではなく「国民経済」「ナショナリズム」「経世済民」をメインテーマに打ち出した経済誌です。是非、ご一読を。


 さて、9月の実質賃金速報値が発表されました。所定内給与で、マイナス2.9%

 ちなみに、最近の毎月勤労統計調査では、確報値が速報値と比べて下方修正される傾向があります。理由は、一部の賃金が低い方々の統計が、速報値段階では乗ってこないためです。


9月実質賃金は前年比‐2.9%、夏季賞与23年ぶりの伸び=毎月勤労統計
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0IP04T20141105
 厚生労働省が5日発表した毎月勤労統計調査(速報)によると、9月の現金給与総額(事業所規模5人以上)は前年比0.8%増の26万6595円となり、7カ月連続で増加した。しかし、物価の変動を考慮した実質賃金は前年比2.9%減と15カ月連続でマイナスとなった。
下げ幅は8月の同3.1%減から縮小したが、賃金上昇が物価上昇に追いつかず低迷が続いている。
一方、6月から8月までに「特別に支払われた給与」のうち、賞与を集計した結果、14年の夏季賞与(ボーナス)は前年比3.1%増の37万0550円となり、1991年(同6.3%増)以来、23年ぶりの高い伸びを記録した。なかでも、製造業(10.5%増)や建設業(10.0%増)が2桁増と好調だった。
所定内給与は前年比0.5%増と4カ月連続で増加した。このうち、正社員などフルタイムで働く一般労働者は前年比0.7%増で、6カ月連続増となった。パートタイム労働者は同0.3%減だった。(後略)』


 というわけで、わたくしが追いかけている「決まって支給する給与」(「所定内給与」ではなく)の実質値の動きを見てみましょう。


【日本の実質賃金(決まって支給する給与)の推移(対前年比%)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_48.html#JC9


 予想通り、決まって支給する給与の速報値は対前年比-3.1%。確報値では下方修正されてくるでしょうが、速報値段階でマイナス3%を上回る落ち込みになっています。


 決まって支給する給与、いわゆる「恒常所得(月給のように定期的に入ることが予想される所得)」が安定化して初めて、内需の中心である消費は伸びていくことになります。とはいえ、現実には実質賃金が下落し、実質消費を減らし、さらに実質賃金を引き下げる悪循環に突入しているわけです。


 実質賃金が下落した国民は、消費を減らす。ごくごく、当たり前の話です。


 実際、総務省の家計調査によると、9月の実質消費は前年比で5.6%のマイナスでした。このペースで実質消費のマイナスが続くと、我が国のGDPは消費減少だけでマイナス3.x%になってしまいます(個人消費がGDPの六割を占めるため)。


 消費が減れば、「所得創出のプロセス」に則り、誰かの所得が減る。誰かの所得、すなわち実質賃金が減少してしまうと、ますます消費は落ち込む。消費が落ち込むと、別の誰かの実質所得が減るという形で、悪循環が延々と進行しているのが現在の日本の姿なのです。


 すなわち、安倍政権が実施するべきは「実質賃金の底上げ政策」であるはずなのです。それにも関わらず、安倍政権は企業が派遣社員を長期間使用可能とする労働者派遣法改正案や、労働時間規制の緩和(いわゆる、ホワイトカラーエグゼンプション)、さらには外国移民の受入、配偶者控除の廃止など、実質賃金を引き下げる政策ばかりに熱心です。実質賃金が下落している環境下において、各種の労働規制緩和を推進する以上、安倍総理や閣僚は、問題を正しく認識していないか、もしくは国民を「故意に」貧困化させていっているとしか考えられません。


 すなわち、目線が常に「グローバル市場」の方向を向いており、国民の貧困化を、
企業のグローバル市場における国際競争力(価格競争力)が上昇する」
 と、好意的に受け止めているのではないかとの疑いを持たざるを得ないのです(あるいは、問題の本質を理解していないか)。


 さて、消費税再増税の判断が下されるのではないかと予想されている11月17日まで、十日となりました。11月17日に、7-9月期のGDP速報値が発表され、総理が判断するのではないかと言われているのです。


 昨日は、本田参与のご尽力で、ポール・クルーグマン教授が総理と会い、消費税再増税の延期を提言してくれました。


 そもそも、グラフを見れば一目瞭然ですが、消費税増税はただでさえマイナスだった実質賃金を、3%超のマイナス圏へと叩き落としました。3%の消費増税は、実質賃金をおよそ2%引き下げる効果があることが分かります。(現在の日本において、です。念のため)


 現在、政府や自民党内で消費税再増税の延期を求める声が高まってきているのは確かです。とはいえ、現実が上記の有様なのですから、未だに消費税再増税の凍結や延期を決めていない時点で、政治の怠慢としか言いようがないのです。


 無論、
「これが、政治だ。政治は難しい」
「政治とはそんな簡単なものではない」
 などと仰る方はいるでしょう。とはいえ、わたくしは政治家でも何でもありませんので、ひたすら愚直に、繰り返し、繰り返し正論を主張することで、主権者としての義務を果たしたいと思います。
 政府は即刻、消費税再増税の凍結と緊急経済対策を決断するべきです。安倍政権の目的が「国民の貧困化」でないならば。


政府は即刻「消費税再増税の凍結」と「緊急経済対策」を決断せよ!に、ご賛同下さる方は、

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