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『財政均衡主義の払拭を①』三橋貴明 AJER2014.10.21(2)

http://youtu.be/xKv1OE-9LaY

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2014/11/14 東京都トラック協会 ロジスティクス研究会 三橋貴明氏 講演会 テーマ「生産性向上のためのインフラ整備-運送サービスで考える-」

http://ws.formzu.net/fgen/S54394876/

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Biz JAPAN (ビズジャパン/It's KOREAL 2014年11月号増刊) 」に渡邊哲也氏との対談「日本人はこうして豊かになればいい」が掲載され、「賃金主導型が正しい「成長モデル」」を寄稿しました。


経済界 2014年 11/18号 [雑誌] 」に連載「深読み経済ニュース解説 ドイツの財政均衡を読み解く」が掲載されました。


 アメリカ中間選挙で共和党が完勝し、上下院とも過半数を獲得しました。アメリカが「ねじれ政権」になってしまったわけで、これでオバマ政権のレームダック化は回避不可能となりました。


共和党が上下両院とも過半数 オバマ民主党惨敗
http://www.sankei.com/world/news/141105/wor1411050023-n1.html
 オバマ米政権の今後2年間の行方を決める中間選挙は4日(日本時間5日)開票され、与党・民主党が惨敗した。米メディアによると、野党・共和党は焦点の上院(定数100)で現有45議席を大きく上回る52議席を確実にし、ブッシュ共和党政権が大敗した2006年中間選挙以来8年ぶりに過半数を奪回した。共和党は上下両院で多数派となり、オバマ大統領に厳しい審判が下った。
 下院でも共和党は第二次大戦後で最大となった1946年選挙の246議席に迫る勢い。オバマ氏は、求心力低下によるレームダッック(死に体)化が避けられない情勢だ。(後略)』


 共和党側は支持率が40%台前半に低迷するオバマ大統領を徹底的に批判することで、完璧な勝利に持ち込みました。驚いたのは、オバマ政権の目玉であるオバマケア(医療保険制度改革)について、批判的な人が83%に達したことです。


 オバマケア自体は、別に日本や欧州のような「国民皆保険」では決してなく、さらに確かに色々とシステム上の欠陥がある制度です。それにしても、ここまでオバマケア批判の声が高まっているとは、アメリカ国民が再び「市場」の方に傾き始めていることを感じさせます。

 オバマ政権がレームダック化した以上、今後2年間、アメリカが現在、必要とされている大規模財政出動に乗り出すことは不可能に近くなってしまいました。さらに、米民主党は二年後の大統領選挙に向け、自動車や農業票の立て直しを始めるでしょうから、今後のTPP交渉において、アメリカがこれまで以上に強硬になるのは間違いないと思います。


 先日の「おはよう寺ちゃん活動中」でも語った通り、譲歩できる政権は「支持率が高い政権」です。レームダック化したオバマ政権は、特に自動車や農業の分野で「一切譲歩せず」の姿勢を貫いてくるでしょう。


 TPA(大統領貿易交渉促進権限)の問題以前に、アメリカが、
「一切の譲歩ができない交渉相手」
 と化してしまった以上、日本側は「交渉離脱」の議論を始めるべきです。以前も書きましたが、日本側には「交渉離脱」というカードしか残されていないのです。何のカードもなしに、譲歩できないアメリカを相手取って交渉し、「日本の国益を守る」など、絶対に不可能です。


 また、オバマ政権のレームダック化は、現在の世界的な「需要不足」の解決を、少なくとも大きく遅らせることになります。反オバマである議会を向こうに回し、アメリカが需要不足を(ルー財務長官が提言したように)財政出動で埋めることができるとは思えません。


 逆に、オバマ政権がなりふり構わず「外需」獲得に動く可能性も否定できず、そういう意味でもTPPで「アメリカの譲歩」が期待できる状況ではなくなったのです。


 2014年はまだ終わっていませんが、2015年は日本、アメリカ、欧州、そして中国といった主要国が揃って需要不足に陥り、外需獲得競争に乗り出す可能性が濃厚だと思います。日本の場合、アメリカが量的緩和をやめた直後に金融政策を拡大したわけで、「円安誘導」との国際的な批判が高まってくる可能性があります。


 ついでに書いておきますと、11月3日。世界的な需要不足を受け、原油価格の指標であるWTIが1バレル78.78ドルと、80ドルを割ってしまいました。WTIが80ドルを割ると何が問題かといえば、アメリカのシェール・ビジネスにおいて採算割れになるところが増えてくることです。米バーンスタイン・リサーチの試算によると、原油価格が80ドルを切る水準まで下落した場合、米国のシェールオイル生産の3分の1は採算割れとなるとのことです。


 そして、オバマ政権のレームダック化が確実になった以上、中国は間違いなく東シナ海や南シナ海での攻勢を強めてくるでしょう。 

 気になるのは、今回の中間選挙で「イスラム国」に対する米軍の作戦行動など、外交や軍事が大きな争点にならなかったことです。2012年のシリア危機以降、アメリカ国民の「内向き化」が日に日に明らかになってきています。


 内向き化した国民が増えた「民主主義国」アメリカの政権が、レームダック化する。「あの」中国が、積極的に動き出さないとは、到底、思えません。


 日本国は、消費税再増税を凍結し、財政出動を拡大することで需要創出を図ると同時に、少なくとも方向的には「自主防衛」の方向に進む必要があります。これまでのように「アメリカ様」依存の安全保障体制は、許されない時代がやってきたのです。


 厳しい二年間になりそうです。


「日本は消費税再増税を凍結、財政出動を拡大し、自主防衛の方向を目指すべき」に、ご賛同下さる方は、

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