三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba

株式会社経世論研究所  講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッター  はこちら

人気ブログランキング に参加しています。

新世紀のビッグブラザーへ blog

人気ブログランキングへ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

チャンネルAJER更新しました!

『財政均衡主義の払拭を①』三橋貴明 AJER2014.10.21(2)

http://youtu.be/xKv1OE-9LaY

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

2014/11/14 東京都トラック協会 ロジスティクス研究会 三橋貴明氏 講演会 テーマ「生産性向上のためのインフラ整備-運送サービスで考える-」

http://ws.formzu.net/fgen/S54394876/

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 本日は『Voice』特別シンポジウム「2015年の安倍政権を占う」開催日です。
http://voice.peatix.com/


 さて、逆累進課税といえば、代表的な税制がもちろん消費税ですが、実は法人税も同様だったというショッキングな記事を産経新聞の田村秀男氏が書かれています。


 まずは、消費税の逆累進性のおさらいですが、消費税は所得と無関係に消費に対し同じ税率で課せられます。すなわち、年収200万円の人も、2億円の人も、同じ税率になるのです。

 さらに、消費が所得に占める割合、すなわち消費性向は、低所得者層の方が高く、高所得者層が低くなっています。先の例でいえば、年収200万円の人の消費性向は100%に近く、2億円の人は、たとえ5000万円を消費に回したとしても、消費性向は25%に過ぎません。


 というわけで、消費税は所得の大小によって「課税対象金額」が変わってくる税金なのです。低所得者層は課税対象が大きくなり、「消費税額対所得金額比率」が高くなります。逆に、高所得者層は低くなるわけです。


 所得に対する税率が、低所得者層は高まり、高所得者層は下がる。見事なまでの逆累進課税です。


 逆累進課税の問題は、色々とあるのですが、(恐らく)最大の問題は格差拡大効果でしょう。本来は、より負担を負うべき高所得者層の負担を軽くし、低所得者層の上昇を妨げます。結果、税制により社会は二極化していくことになるわけです。


 そして、実は法人税もまた「逆累進課税」だったのです


安倍首相が執念燃やす法人税引き下げ 法人税減税と経済再生は…
http://www.sankei.com/column/news/141102/clm1411020007-n1.html
◆不公平税制の抜本改革急げ
 景気減速の中、来年10月から消費税率を予定通り引き上げられるかどうか微妙だが、安倍晋三首相は法人に対する法定実効税率(国税・地方税合計の税率)引き下げには執念を燃やしている。法人税減税は成果を挙げられるのか。
 財務省によると、法定実効税率は平成24~25年度37%。米国(40%強)より低いが、ドイツ(29%強)、英国(23%)など欧州に比べると高い。だが、実際に税引き前の最終利益のうちどれだけ国税・地方税を払っているかをみた実効税負担率を法人の規模別にみると、全く話が違う
 グラフを見よう。銀行大手平均の負担率は25年度19・6%、金融保険業を除く大手企業平均は26・3%だ。中堅企業は同37・9%、中小企業が同39%で「逆累進税率」の構造になっている。銀行は日銀からの超低利の資金供給で、楽々と利ざやを稼げる。資金を日銀当座預金口座に留め置いても、大部分は0・1%の金利がもらえる。特権に応じた税負担とは言えまい。
 法人税実効税率の引き下げを強く求めているのは、大企業や大手金融機関で構成される経団連だが、実際の税負担を踏まえているのだろうか。中堅、中小企業との税負担率格差はまさに、不公正税制であり、産業界を代表する経団連は法定税率引き下げの前に、不公平税制の是正を提起すべきではないだろうか。(後略)』


 長い記事ですが、是非とも全文をお読みくださいませ。かなり、衝撃的です。


 そもそも一頁目からショッキングなのですが、法人税の実効税率は、厳密に書くと、
「税引き前利益から何パーセントを国税・地方税として払っているか」
 という実行税負担率を見ると、銀行大手や大手企業ほど低く、中小企業・中堅企業ほど高くなっています。まさに、逆累進課税です。


 また、後略部では、持ち株会社や親会社が子会社の法人から受け取る配当金について、「受取配当金不算入制度」を活用すると、非課税となる仕組みについて説明されています。海外子会社からの配当金も、外国子会社配当金不算入制度により、実質的に無税になるそうです。


 もちろん、子会社の方は税金を支払い、残った純利益から配当金を支払っているのですが、それにしても一般人は配当金に対し普通に課税されます。こちらもまた、逆累進性が存在していることになります。


 さらに、法人税実効税率引き下げの代替財源として、自民党は「外形標準課税」を強化しようと図っているわけです。本当に外形標準課税が強化された場合、企業は赤字になったとしても事業規模(など)により容赦なく課税されますので、弱いところからバタバタ潰れていくでしょう。


 後略部において、田村先生は、


『大手企業や銀行は節税して手元資金を確保し、海外でM&A(企業合併・買収)攻勢をかける一方、配当を増やして内外の投資家を引きつけるグローバル化に徹している現実だ。大手企業のビジネス戦略としては当然のことだ。大いにやればいい。収益を稼げばいい。そして納税すれば文句ない。
 だが、グローバル企業は日本国内向け投資、雇用を増やさせるという安倍首相の意図に応えられるだろうか。法人税実効税率を引き下げてもらっても、大手企業は配当に回し、海外展開に残りの資金を活用するだけではないのか。』


 と、書かれていますが、まさにその通りです。現在の法人税減税路線は、逆累進性を強化する上に、国民の負担に基づき増加した企業の利益が、国内の投資、雇用に向かう可能性が低いため、二重の意味で問題なのです。何しろ、法人税制そのものが「グローバル展開」を後押しする仕組みになっているのです。(海外展開、配当金の他に、内部留保というお金の向かい先もありますが)


 逆累進性が強化されることで、国内の格差(主に企業間格差や地域間格差)を拡大し、さらに国内の雇用や投資に結び付くとは限らない現在の法人税減税路線には、一経営者としても断固として反対しします。


安倍政権の現在の法人税減税路線に反対する!に、ご賛同下さる方は、

↓このリンクをクリックを!

新世紀のビッグブラザーへ blog
人気ブログランキングへ
◆本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。 新世紀のビッグブラザーへ blog

◆関連ブログ

三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba


◆三橋貴明関連情報

Klugにて「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」
連載中
新世紀のビッグブラザーへ ホームページ
はこちらです。
新世紀のビッグブラザーへblog一覧 はこちらです。