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『いわゆる国の借金①』三橋貴明 AJER2014.9.23(3)
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2014/11/04 『Ｖｏｉｃｅ』特別シンポジウム「2015年の安倍政権を占う」
小浜逸郎氏、藤井聡氏、三橋貴明氏、柴山桂太氏が安倍政権の経済政策を斬る！ http://voice.peatix.com/
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「経済界 2014年 10/21号 [雑誌]
さて、麻生財務大臣が、
「今の日本で、ハイパーインフレになるはずがない」
「財政破たんは考えられない」
と、国会で明言しました。
『ハイパーインフレになるはずがない＝麻生財務相
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0SB28G20141016
麻生太郎財務相は１６日、午後の参院財政金融委員会で「今の日本で、ハイパーインフレになるはずがない」と述べた。西田昌司委員（自民）の質問に答えた。
経済・財政運営に関して「経済成長と財政再建という一見、二律背反したことをやっていかざるを得ないのが、いま日本が置かれている立場だ」としながらも、「（国民の気持ちを明るくし）上向いて歩かせるためには、景気がある程度良くなることに優先順位がある」と語り、経済情勢次第で追加財政出動も辞さない考えに含みを残した。
また、麻生財務相は「財政破たんは考えられない」と語った。 』
国会答弁ですから、政府として、
「日本はハイパーインフレーションも財政破綻も起こらない」
ことを認めたことになります。
ちなみに、どうでもいい話のように思えて結構重要なのは、「ハイパーインフレーション（物価上昇率１３０００％）」と「財政破綻（政府の債務不履行）」は、両立することはないという点です。
例えば、インフレ率が１３０００％に本当に上がったとしたら（日本ではあり得ませんが）、政府の負債の実質的な価値が１３０００分の１になります。借金の実質的な価値が万分の一になるわけですから、債務不履行は逆に起こりません。
逆に、日本政府が「兆が一」債務不履行になるということは、何しろ負債が１００％日本円建てです。日本円を発行できるにも関わらず、日本政府が日銀に通貨発行（国債買取）を指示せず、債務不履行するという、意味不明な状況しかありません。日本銀行は日本政府の子会社ですので、債務不履行に陥るくらいならば、普通に日銀が国債を買い取ってしまうでしょう。と言いますか、実際にやっています。
日銀が国債を買い取ると聞くと、条件反射のように、
「ハイパーインフレーションがっ！」
となるわけですが、またまた「兆が一」日本が本当にハイパーインフレーションになったら、負債が１３０００分の一になり・・・。
要するに、「財政破綻」や「ハイパーインフレーション」といった言葉を使っている、特に「多用」している現代のノストラダムスたちは、スローガンやレトリックで「煽り」、国民に恐怖を与えること自体が目的なのです。本気で日本政府の債務不履行や、インフレ率の急騰について心配している人など皆無でしょう。
本気で心配しているならば、「財政破綻！」「ハイパーインフレーション！」といった言葉ではなく、数字に基づき現在の日本の状況を分析し、例えば、
「政府の負債対GDP比率を引き下げる」
という意味の財政再建を成し遂げたいのであれば、
「現時点で政府が総需要を創出し、デフレ脱却し、名目GDPを成長させることで税収を増やす」
方法が最も適切であることに気が付くはずです。
ちなみに、現在、自民党の中にすら、
「消費税を再増税しなければ、国債金利が急騰し、財政破綻する！」
と、頭の悪～～～いことを本気で主張している議員たちがいます。
【図 主要国の長期金利の推移（単位：％）】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_48.html#Kinri
ご覧の通り、日本政府の国債金利は、世界で最も低い水準なのです。地球でお金を借りる際の資金コストが最も小さくなるのが、日本政府です。（スイスと世界最低金利の座を争っていますが）
消費税を上げようが上げまいが、日本のデフレが継続し、円の運用先が国債以外にない以上、国債金利は上がりようがありません。しかも、上がったところで、運用先に飢えている銀行が買いに走り、金利は瞬く間に下がります。
さらに言えば、そもそも何のために「日本銀行」があるのでしょうか。消費税増税を凍結し、「京が一」金利が急騰したならば、日本銀行が国債買取を増やせば済む話でしょう。
正直、レベルが低い、と思われた方が多いでしょうが、現実はこんなもんです。
とりもとりあえず、財務大臣が「政府の公式見解」として、
「日本はハイパーインフレーションも財政破綻も起こらない」
と認めたわけでございます。財政均衡主義や財政破綻論者と戦うための、武器が一つできました。
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