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『いわゆる国の借金①』三橋貴明 AJER2014.9.23(3)

http://youtu.be/Kh8vo8Zjc2I

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2014/11/04 『Voice』特別シンポジウム「2015年の安倍政権を占う」

小浜逸郎氏、藤井聡氏、三橋貴明氏、柴山桂太氏が安倍政権の経済政策を斬る! http://voice.peatix.com/

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 日本のみならず、現代の世界主要国の「経済問題」の根っこは、国民の購買力すなわち「買う力」を重視しないどころか、
買う力が下がれば下がるほど、グローバルな国際(価格)競争力が高まって良し
 とする発想、考え方が蔓延っている点です。

 現在の日本は、実質賃金が下がっているわけですが、市場を「グローバル」と捉えると、別に問題ない。それどころか、国際市場における価格競争力が高まるから「良いことだ」という話になってしまうわけです。

 無論、国民の実質賃金が下がれば、国内の需要は伸びようがありません。何しろ、消費性向は「1」を超えることはできないのです。(無論、負債を増やすという考え方はありますが)


 日本国内の需要が伸びないと、企業は、

ああ、やっぱり内需はダメだ。これからはグローバルを目指さなければならない
 となり、グローバルで中国企業や韓国企業と競争することになります。すると、何しろ「グローバルスタンダード」の世界ですので、品質で差をつけることがなかなか難しく、結局は価格競争に突入することになります。


 グローバルで価格競争をすると、為替レートは円安であればあるほど良く、さらに賃金水準も下がれば下がるほど良いということになります。とはいえ、結果的に国民の賃金水準が抑制され、実質賃金が下がり、買う力が衰えていくと、
ああ、やっぱり内需はダメだ。これからはグローバルを目指さなければならない
 となり・・・。という、悪循環(国民経済にとって)が延々と続くことになってしまうのです。


 最後には、
そもそも、人件費が高い日本国内で生産する必要があるのだろうか?
 という話になってしまい、資本(工場など)を外国に移転していきます。グローバリズムの最大の問題は、個人的にはモノ、サービスの移動ではなく、「資本」「ヒト」の移動が自由化される点だと考えています。


 資本が外国に移ると、日本国内から雇用が失われ、さらに実質賃金が下がります。さらに、賃金水準の低い外国人が日本に流入してくると、ますます実質賃金は下落していきます。

 実質賃金が下がれば下がるほど、企業は「内需」を見捨て、グローバル市場を目指し、結果的に国内の実質賃金が下がるという悪循環がどこまでも続いていくわけです。


 というわけで、最近のわたくしはしつこいほど「実質賃金を政策のメトリクス(物差し)にせよ」と言い続けているわけですが、ようやく政治家やメディア(しかも日経新聞)までもが、実質賃金という購買力、買う力に注目し始めました。


目減りする実質賃金 輸入物価高も負担に
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO78340890S4A011C1NN1001/
 消費者がモノやサービスを「買う力」は賃金が物価より大きく伸びれば上がり、逆なら下がる。賃金から物価の伸びを差し引いた「実質賃金」を見ると、前に消費税率を上げた1997年よりも、今年のほうが大きく落ちた。税率の上げ幅が大きかっただけでなく、日本の貿易構造が変わったことも賃金の目減りを招いている。
 厚生労働省の毎月勤労統計を見ると、前回の増税前にあたる96年は実質賃金が前年比1.1%増えていた。生鮮食品を除く消費者物価が前年比で0.2%の伸びにとどまる一方、賃金は増えていたため、増税を前に家計は購買力を蓄えられた。実質賃金が前年を下回る傾向が定着したのは97年8月からで、その後は長いデフレに陥った。(後略)』


 というわけで、日経新聞に掲載されていたグラフを、わたくしも作ってみました(14年8月まで)。


【実質賃金96-97年と13-14年の比較(対前年比%)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_48.html#Jissitsu


 上記の通り、97年の増税時は、国民の実質賃金が下がり始めたのは、本格的には8月からです。それに対し、今回は増税の前年(13年)の時点で、すでに実質賃金が下落傾向にあり、14年4月の増税で一気に落ち込み幅が拡大しました


 この有様で、
「想定内」
 だの、
「天気のせい」
 だのと言われてしまうのでは、政治家などいらない、という話になってしまいます。

 安倍政権は今すぐ、政策のメトリクスを「実質賃金」一本に変更するべきです。それが、日本国民を貧困化から救う道であり、さらに言えば安倍政権が延命する唯一の方法でしょう。


政府は政策のメトリクス(物差し)を実質賃金に変更せよ!に、ご賛同下さる方は、

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