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『2014年4-6月期のGDP改定値を受けて①』三橋貴明 AJER2014.9.16(11)
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明日は7時から文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演いたします。
http://www.joqr.co.jp/tera/
昨日に続き、G20の話題です。
実は、G20において、日本及びユーロ圏に「景気対策」を最も強く要望したのは、アメリカでした。
『G20、政策協調難しく 危機後の景気回復に格差
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS21H0N_R20C14A9NN1000/
主要20カ国・地域(G20)は20~21日の財務相・中央銀行総裁会議で、短期的な景気対策と中長期的な成長戦略を組み合わせ、世界経済を底上げする方針を確認した。だが各国・地域の経済情勢はまちまちで、政策対応の足並みがそろっているわけではない。金融危機後の景気回復に格差が生じる「分散化」の局面に入り、G20の政策協調も難しさを増している。(中略)
世界経済の減速に最も危機感を持っていたのは米国だ。ルー米財務長官は「ユーロ圏と日本の成長は期待外れだ」と述べ、景気をてこ入れするよう繰り返し求めた。(後略)』
IMFは、今年の世界の実質成長率について3.4%と見込んでいます。(一応、潜在成長率は4%と考えられています)
さらに、IMFは「先進国だけで1兆ドル(約110兆円)の「需要不足」を抱えると、極めて重要な事実を指摘しています。現在の主要国の経済問題は、「改革の遅れ」でも「財政の悪化」でもなく、「需要不足」であると明確に指摘しているのです。
先進国の需要不足が問題である以上、当たり前ですが「輸出拡大で、需要不足を補う」などと各国が始めたら(ドイツはやっていますが)、各国間の軋轢は高まらざるを得ません。いわば、需要不足の押し付け合いが起きてしまうのです。
当たり前ですが、政府だろうが民間だろうが、消費もしくは投資(設備投資、住宅投資、公共投資のみ)として支出をしてはじめて、需要が創出されます。需要とは、名目GDPそのものなのです。
需要不足とは、名目GDPの不足です。名目GDPが不足しており、民間の支出意欲が乏しいならば、政府が財政出動するしかない。ごくごく、当たり前の話です。
ところが、今回のG20では、昨日も書いた通り最も財政的に余裕があるドイツが、事実上の拒否(慎重な姿勢を示した、となっていますが)。中国の楼継偉財政相も、
「大規模な財政出動に依存するのはもはや不可能だ」
と、語り、日本にしても、麻生財相が「成長戦略」や「企業統治(コーポレートガバナンス)の強化」を説明するのみで、財政出動の「拡大」についてはコミットしませんでした。
アメリカのルー財務長官に至っては、 日本の4月の消費税増税について、個人消費と投資が落ち込んでおり(事実です)、
「経済活動の縮小による困難に直面している」
と、懸念を示す始末でした。
さらに、ルー長官は、19日の会議で、麻生財務相に。
「内需拡大を維持するための政策」
を要請しました。
まったくもって、仰る通りとしかコメントのしようがありません。
それにも関わらず、日本の財務省は相も変わらず「増税路線」の既成事実化に余念がなく、OECD(経済協力開発機構)に出向中の元財務相国際局長・財務官の玉木林太郎事務次長は、昨日、日本記者クラブで会見し、15年の再増税について、
「財政再建を脱線させないでほしい」
と、必要性を強調しました。
現実には、消費税増税で経済がデフレ化すると、名目GDPが成長しなくなり、名目GDPを源泉とした税収も減ります。デフレ期の増税で財政再建を達成した国など、歴史上、例がありません。
結局のところ、日本が採るべき道は「増税凍結」と「大規模経済対策」しかないのです(消費税率8%を5%に戻すことが、より理想的なのは言うまでもありませんが)。
というわけで、日本の政界や官界、言論界に多々いらっしゃるアメリカ派(三橋はアメリカの賢さを、ある意味で尊敬していますが、別にアメリカ派というわけではありません)の皆様にも、是非とも、
「アメリカもこう言っている。消費税の再増税を凍結し、緊急経済対策を!」
という声を上げて頂きたいのでございます。
消費税再増税の凍結と、緊急経済対策を!に、ご賛同下さる方は、
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