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チャンネルAJER更新しました!

『ウクライナ危機①』三橋貴明 AJER2014.8.19(3)

http://youtu.be/cyaQKYmCqLo

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2014年9月6日(土)三重県商工会議所青年部連合会 講演会

 テーマ「中小企業が日本経済を牽引する」

http://www.yokkaichi-cci.or.jp/web/12/post_993.html

2014年9月13日(土) 大念寺本堂 三橋貴明講演会

 テーマ「増税による「国民経済の崖」を乗り越えるには、どうしたらいいのか?」

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_47.html#Koen

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 本日はチャンネル桜「報道ワイド日本ウィークエンド」に出演します。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1521


 「シリーズ・外国人労働者受入問題」の最新版が公開されました。今回、取材にお伺いさせて頂いたのは建設業界(群馬県建設業協会様)。

【三橋貴明】シリーズ・外国人労働者受入問題~建設業界からの声 Part1[桜H26/9/2]
http://youtu.be/_uvAu_b20Xw?list=UU_39VhpzPZyOVrXUeWv04Zg


 さて、安倍改造内閣が始まりました。


 個人的に注目したのは、厚生労働大臣に「塩崎恭久氏」が就任した点です。塩崎大臣は、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)改革の「旗手」であり、就任会見で、
「GPIF改革は安全で効率的な運用をどこまで、やるのかだ。リスク低減には分散投資が必要だ
 と、語りました。要するに、年金運用における株式の割合を増やすわけです。

 はい、外国時投資家のみなさ~んっ! 買い時ですよ~っ!


 無論、塩崎氏を厚生労働大臣に据えたということは、労働規制緩和、労働時間規制緩和(いわゆる残業代ゼロ制度)、さらには外国移民(外国人労働者)受入の方向に政権が進むという宣言でもあります。すなわち、第二次安倍政権が発足してきた労働市場の規制の緩和、労働者同士の競争激化による実質賃金低下政策が続く可能性が高いわけです。


 結局のところ、安倍政権の経済政策に対する基本的コンセプトは、
所得よりも株価
 なんだなああ・・・。と、思う次第です。


 無論、株価を引き上げ、株主のキャピタルゲインを増やし、消費や投資(設備投資、住宅投資のみ)を拡大させることで国民経済全体が成長するという、トリクルダウン的な資産効果はあるでしょう。とはいえ、無いかも知れません。


 繰り返しますが、株価の上昇「のみ」では、誰の所得にもならないのです。


 まあ、株価を上昇させ、トリクルダウン(起きるか起きないか分かりませんが)により株主の国内投資を増やし、結果的に国民の所得(実質賃金)を引き上げるという考え方は無いでもありません。とはいえ、その場合は、安倍政権が各種の労働規制緩和を推進し、国民の実質賃金を引き下げる政策を進めていることの説明がつきません


 すなわち、安倍政権の経済政策の基本は、
「GPIF改革(ポートフォリオの株式を増やす)」
「労働規制緩和により実質賃金を引き下げ、企業の利益(配当金や自社株買いの原資)を増やす」
「法人税を無条件で減税し、利益(配当金や自社株買いの原資)を増やす」
「円安で外国人(日本の株式取引の六割超が外国人投資家)の日本株買い越しを増やす」
 と、「所得を減らしてでも株価」というコンセプトになっているわけです。


 面白いことに、消費税増税(再増税)まで「株価」と絡めて語る論者が出てきました。


焦点:安倍・谷垣ラインが直面する消費税判断、政権の命運左右も
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0GY1GK20140903
 安倍晋三首相が谷垣禎一氏を自民党幹事長に起用したことで、市場は消費再増税の推進力が高まったと受け止めた。だが、足元の景気は政府の想定を下回っているとの見方もあり、再増税先送りの声が根強いのも事実。
 安倍首相─谷垣幹事長の新たなラインが、どちらにカジを切っていくのか。その判断の行方は、アベノミクスの動向だけでなく、政権の命運にも大きな影響を与えそうだ。
<谷垣氏「法律通りが基本」、首相は景気情勢への目配り指示>
 谷垣幹事長は就任後の会見で10%への消費増税について、法律に沿って来年10月から実施することが基本との認識を示し「消費税が財政の安定にも寄与し、税収も図り、政策の選択肢を広げることに役立つ」と前向きの姿勢を示した。(中略)
 政治アナリストの伊藤惇夫氏は、消費増税を先送りすれば「安倍政権が最も大事にしている株価にかなり大きなダメージを与える」とし、積極推進派の谷垣氏を幹事長に据えた狙いのひとつは「党内の引き上げ反対派を抑え込み、党と内閣の意志を統一させて(再増税に)踏み切る布石」と分析した。 (後略)』


 いやいや・・・。

 消費税を再増税すると、国民の需要が縮小し、我が国の経済は再びデフレ深刻化のプロセスを歩み始めることになうでしょう。デフレ化は「日本円の通貨価値の上昇」ですから、当然ながら円高圧力をもたらします。
 円高になると、外国人投資家にとって日本株が「売り時」ということになるため、日経平均が下落することになります


 すなわち、安倍政権が真の意味で「株価」を大事にしているならば、日本経済のデフレ化と、デフレ化をもたらす消費税増税は絶対に避けなければならないのです。


 それにも関わらず、消費税増税までもが、
「増税しないと、総理の大事にしている株価が下がるよ~」
 などと言い出す「政治アナリスト」とやらが登場してきたわけでございますから、結局のところ安倍総理の「株価至上主義」が見透かされ、政策の手足を縛っていくんだなあ、と思うわけです。


 大変残念なことに、安倍政権が日本国民の「所得(実質賃金)」中心主義に経済政策を大転換しない限り、我が国のデフレ化、国民の貧困化は回避できず、結果的に円高になり、総理の大切な株価も中期的には下がるでしょう


安倍政権は即刻、「国民の実質賃金中心主義」に政策を転換せよ!にご賛同下さる方は、

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