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『「原発ゼロ」の真実①』三橋貴明 AJER2014.7.15(3)

http://youtu.be/txi8clj3I_8

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 FRBのイエレン議長が、7月16日に、
財政緊縮政策が米景気回復を妨げている異例の逆風の一つだ
 と、発言しました。


「歴史的に見て、米経済が弱い時に財政政策は少なくとも平均的には、この数年間よりも多くの景気刺激を提供してきた」
「通常は景気を刺激する減税や歳出拡大が行われる」
「(財政刺激策の不在は)今のような時には異例だ」

 う~む・・・。日銀の黒田総裁にも、上記の類の発言をして欲しいものですが、元財務官僚では無理でしょうか・・・。


 イギリスのプレスTVが7月24日に伝えたところによりますと、財政赤字への対策を目的とした緊縮財政の実施により、貧困が増加しているとのことです。そもそも、イギリスは2010年以降、実質賃金が下落を続けています。その上、政府が緊縮財政を強行した日には、貧困が増えて当たり前です。と言いますか、実質賃金の下落とは「貧困化」そのものでございますが。


 ちなみに、2013-14年度のイギリスの平均世帯所得は、07-08年度と比較して6%低下しています。さらに、緊縮財政で社会福祉や税控除を削減していっているため、特に低所得世帯の家計にダメージがいっています


 ドイツ主導の緊縮財政で痛めつけられているユーロ圏では、さすがに各国の「反抗」が始まっています。


フランス、追加の歳出削減策想定せず=大統領
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0FR1Q220140722
 フランスのオランド大統領は、財政赤字の対国内総生産(GDP)比率を来年、欧州連合(EU)が上限とする3%まで削減するという目標に関し、必要となった場合でも追加の歳出削減策を打ち出すことはないとの姿勢を示した。
景気が減速した場合は達成が難しくなることを示唆した。
先月開かれたEU首脳会議では、構造改革を条件に財政健全化に時間的猶予を認める考えが示された。
オランド大統領は21日遅くに開かれたメディアとの会合で、「3%は目標だが、景気が減速した場合は柔軟性の余地を活用する」と表明した。

成長率が低下した場合は、緊縮策は回復の見通しをさらに悪化させることになる」と指摘。「われわれは合理的に行動する」と述べた。』


 経済成長率が低下した場合は、緊縮財政政策は回復(経済の回復も、財政の回復も)の見通しをさらに悪化させることになる。もちろん、そうです。特に、失業率が10%を上回っているフランスにおいては、尚更です。

 エマニュエル・トッド氏が、オランド大統領について、「ドイツの副首相」と表現し、
「パリの官僚はベルリンの方ばかりを向いている」
 と、嘆いていましたが、状況が変わってきたのでしょうか。(変わって欲しいです、心底から)


 イタリアのレンツィ首相は、7月3日に欧州連合の各国に、
財政を緊縮から拡大方向に転換するべき
 と、呼び掛けました。さらに、
 それに対し、ECBのクーレ専務理事は、
長期的には経済成長と健全な財政の間にトレードオフの関係は存在しない」
 と強調し、
「各国は強靭な財政に向かって進み続ける必要がある。新たなEUの財政的枠組みの下で合意したルールを堅持し、この枠組みの信頼性を損なうような地点までルールを緩めてはならない」
 と反論しました。


 レンツィ首相は、別に「長期」の話をしているのではなく、短期的に緊縮財政を実施することで経済成長が抑制されているという事実をベースに語っているのだと思います。それに対し、
「長期で見れば、経済成長と財政再建の間にトレードオフの関係は存在しない」
 と反発するわけですから、何というか現在の世界を混迷に陥れている「経済学」と「プラグマティズム(実践主義)」の議論の典型のように思えました。


 上記の通り、実のところ現在の日本を悩ませている財務省主導の「財政均衡主義」「緊縮財政路線」は、世界共通の問題でもあるわけです。


 先日、経済財政諮問会議が露骨な緊縮財政路線を提言したことを取り上げましたが、それに対する反発も当然の話として起きています。


諮問会議に疑問呈す 公共事業めぐり脇氏
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140729/stt14072919200004-n1.htm
 自民党の脇雅史参院幹事長は29日の記者会見で、デフレ脱却に向けた公共事業の重要性を指摘する一方、予算編成の司令塔となる経済財政諮問会議の在り方に疑問を呈した。「今後の日本を考える予算編成で十分な判断ができるメンバーか。諮問会議が全権を握るような考え方は問題がある」と述べた。
 諮問会議が25日に了承した平成27年度予算の概算要求基準で、公共事業などの裁量的経費を10%削減するとしたことが念頭にあるとみられる。脇氏は「政府が需要をつくる仕事(公共事業)は、補正予算を1回組めばいいというものではない」と強調した。』

 
 そもそも、脇幹事長の仰る通り、経済財政諮問会議の「民間人」が予算編成の司令塔となっている時点で、民主主義的に問題があると思います。しかも、経済財政諮問会議は予想通り完全に財務省の手下と化して、緊縮財政路線の旗を振っています。


 脇幹事長は、別に公共事業の削減についてばかりを問題視しているのではないと思いますが、「彼ら」のやり方は、緊縮財政路線に反対する政治家について、
「公共事業で利権をかくかくしかじか」
「土木・建設業の既得権益がうんぬんかんぬん」
 と、レッテル貼り、印象操作を行い、緊縮財政路線全体への反対の声を弱めるというものです。これは冗談でも何でもなく、94年以来、延々と続けられてきた陳腐な手法です。


 未だに、この手の陳腐なプロパガンダに引っかかってしまう日本国民が多いというのが現実だと思います。というわけで、皆様には是非とも「正しい発言」をしている政治家に応援のメッセージを伝えて欲しいと思います(脇幹事長や西田議員など)。「国民の声」がない限り、政治家は戦いようがないのです。


 世界の多く国々同様に、日本も国民を貧困化する緊縮財政路線と「国民が」戦わなければならない時期なのだと思うのです。


「国民を貧困化する間違った緊縮財政と戦おう」に、ご賛同下さる方は、

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