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『欧州議会選挙①』三橋貴明 AJER2014.6.17(3)
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徳間書店「移民亡国論: 日本人のための日本国が消える! (一般書) 」が発売になりました。
本日はチャンネル桜「桜プロジェクト」に出演します。「おはよう寺ちゃん活動中」とダブルヘッダだと、きつい(=眠い)のでございますよ。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1520
昨日もチラリと取り上げましたが、五月の実質消費が対前年比で8%の減少となってしまいました。
『5月の実質消費支出、前年比8.0%減 家計調査
http://www.nikkei.com/article/DGXNNSE2IPC01_Y4A610C1000000/
総務省が27日発表した5月の家計調査によると、2人以上の世帯の消費支出は1世帯当たり27万1411円で、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比8.0%減少した。前年同月を下回るのは2カ月連続。季節調整して前月と比べると3.1%減少した。
勤労者(サラリーマン)世帯の1世帯当たり消費支出は29万3050円で、前年同月比8.8%減少した。下回るのは2カ月連続。』
正直、ショックを受けました。まさか、四月を下回るとは予想していませんでした。
【日本の実質消費の推移(対前年比%)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_46.html#jissitusyohi
上記以外にも、住宅着工件数が4月の3.3%減少から、5月は15%の減少。
実質賃金が4月の3.4%減(確報値)から、5月は3.6%の減少(速報値)。
実質消費の大幅な落ち込みを受け、総務省は
「想定の範囲内」
としています。「想定の範囲」が何を意味するのか、よく分からないのですが、この手の抽象語で話を終わらせるのは本当にやめて欲しいと思います。
何しろ、消費(民間最終消費支出)とは支出面GDPにおける最大の需要項目です。日本のGDPを支出面で見ると、約六割が民間最終消費支出になります。おおよそ、300兆円です。
無論、五月の実質消費の落ち込みは「月」の話ですが、これが一年間続くと、24兆円規模の需要が消滅することになります。間違いなく、我が国はデフレに逆戻りしてしまうでしょう。
前回(97年)の消費税増税後の五月を見ると、実質消費は2.1%減でした。今回は97年時よりも大幅に消費が減少してしまっているのです。
最大の理由は、
「前回は実質賃金が上昇(96年)している環境における消費税増税だったのに対し、今回は実質賃金が下落(13年)している環境下での増税」
であることと確信しています。
当たり前ですが、実質賃金が下落している最中の消費税増税は、更なる実質賃金の低下を招きます(招きました)。結果的に、国民は消費を絞り込んだという話ですが、問題は、
「所得とは、誰かがモノやサービスに支出をしなければ創出されない」
ことです。
実質賃金の下落が、消費の縮小を招き、消費の縮小が更なる実質賃金の引き下げをもたらす悪循環に突入したのでなければいいのですが・・・。
昨日も書きましたが、現在の日本は政府が補正予算を組まなければならない局面だと確信します。ところが、国会は閉幕してしまいました。
最近の官庁や政府は、消費税増税後の急激な消費の落ち込み等について「想定内」という言葉を使うことが増えているように思えます。現状が「想定内」ということであれば、果たして何が「想定外」になるのでしょうか。
例えば、97年時や89年時の消費税増税後(導入後)と同程度の消費の落ち込みをとらえて「想定内」と主張するのであれば、まだしも根拠が分かります。とはいえ、現実の14年5月の実質消費の落ち込みは、対前年比%で97年時、89年時の三倍以上なのです。
何と言いますか、反対論を押し切り、消費税増税を決断した政府や官庁が、
「想定以上にまずい状況になっていることを認められない」
結果、「想定内。想定内」と繰り返しているようにしか思えないのです。
上記が正しいとなると、非常にまずいことになります。何しろ、消費税増税でいかなる事態になろうとも、「間違いを認められない」政府や官庁は、問題を問題として捉えることができないということになってしまいます。
「問題が発生している」
と、認めれば、対策を打てます。
問題が発生しているにも関わらず、それを認められない状況になってしまうと、当たり前ですが対策は打たれません。何しろ、問題は「発生していない」わけですから、対策など打つ必要がないことになってしまうわけです。
何となく、大東亜戦争時のミッドウェー以降の「大本営発表」を思わせる現在の政府や官庁の「想定内」に、ゾッとするものを感じざるを得ないわけです。
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