株式会社経世論研究所
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『欧州議会選挙①』三橋貴明 AJER2014.6.17(3)
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NEW!7月6日(日) 雑誌「正論」トークセッション「日本を移民国家にしていよいのか」13時~ ホテルグランドヒル市ヶ谷
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_46.html#Seiron
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三橋経済塾第三期第六回「規制緩和と経済学(前編)」が掲載されました。
http://members.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=771
青木先生の講義「グローバリズムの欺瞞 ―指導者たちの背信と暴走―」も掲載されています。是非、ご視聴下さいませ。
お待たせいたしました。徳間書店「移民亡国論: 日本人のための日本国が消える! (一般書)
」、TAC出版「マスコミが絶対に伝えない 「原発ゼロ」の真実
」、同時に予約開始となりました。
書き上げたのは「原発ゼロの真実」の方が早かったのですが、「移民亡国論」の方が早く出ることになりました。
さて、本日は日曜日ですが、先週一週間に限っても、世界では色々とありました。
特に、「中東」「東アジア」「ウクライナ東部」の三地域が、大揺れに揺れています。アメリカのパワーが相対的に小さくなり、「現在のグローバリズム」が終焉に向かおうとしているのが現代という時代です。「世界の警察官」の力が弱まる中、今後は上記三地域以外でも紛争が多発していくことになるのではないか、と予想しています。
『ウクライナの停戦発表、親ロシア派への最後通告=ロシア
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0EV2Q020140620
ウクライナのポロシェンコ大統領が、東部で戦闘が続いている政府軍と親ロシア派の停戦を発表したことについて、ロシア政府は、大統領に対話の姿勢が見られず、親ロシア分離派への最後通告との見解を示した。
声明では、ウクライナ大統領の提案が「和平と交渉への呼びかけではなく、ウクライナ南東部の民兵組織に対する降伏への最後通告であり、交渉開始への提案という大事な要素が抜け落ちている」と述べた。
また、ウクライナとロシアの国境沿いにあるロシアの検問所で「偶発的もしくは意図的な」砲撃があり、ウクライナ政府による説明と謝罪を求めるとした。』
ロシアは天然ガスの輸出と国境地帯における軍事紛争を利用し、ウクライナに圧力をかけ続けています。ご存知の通り、ウクライナは「欧州向けガスパイプライン」のルートにあたり、ロシアはウクライナ紛争においてEUを巻き込み、自国に都合がいい落としどころを目指しているように見受けられます。
ソ連(ロシア)から西欧にガスが輸出されたのは、1968年のオーストリア向けが最初で、意外に歴史が古いのです、91年にはフィンランドなど一部の国を除き、西欧向けのガスのほとんどはウクライナ・ルートを経由し、輸出されるようになります(フィンランドには直接パイプラインが敷かれました)。
現在、ロシア-西欧間ほどパイプライン「網」が充実している地域は、世界に他にありません。インフラが密接に関連し合っていた場合、日本のお花畑的な論者の人たちは、
「これだけ関係が深くなっている以上、もはや紛争、戦争は起きない」
と、新聞などで書きたてるでしょう。
ところが、現実にはロシアのように、関係が深いことを「利用」し、自国の国益を露骨に追求しようとする国が存在するわけです(中国も同じですが)。関係が深ければ深いほど、それを利用しようとする「誰か」が現れた場合、対処が難しくなるのは、別に国同士の関係に限らないでしょう。
というわけで、中国。
『南沙諸島の滑走路補修へ=比
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201406/2014061800931
フィリピン空軍幹部は18日、南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島でフィリピンが実効支配するパグアサ島にある滑走路を補修する考えを明らかにした。海水による浸食が進んだためという。
滑走路は約1400メートルで、1970年代に建設された。過去にも補修計画はあったが資金難などから実現していなかった。南沙諸島全域の領有権を主張する中国は、フィリピンの計画に反発するとみられる。』
中国とベトナムが南シナ海で衝突するようになって以降、同海域に権益を持つフィリピンも動き出しています。フィリピンのみならず、台湾も南沙諸島最大の島である太平島に、新たな埠頭建設に着手したという報道が流れています。
ベトナムでは各地で反中デモが発生。すでに、数千人の中国人がベトナム国外へ脱出しています。
また、中国は南シナ海でベトナムやフィリピンと揉めつつ、同時に尖閣諸島周辺で、我が国の領海を侵犯することを続けています。6月20日、中国海警局に所属する二隻が、日本の領海に侵入しました。
以前の中国は、「相手を分断し、一国と揉める」というパターンが多かったのですが、現在は多方面で各国と衝突するケースが増えてきています。これは、中国の内部問題なのか。それとも、「世界の警察官」たるアメリカのパワー衰退を見た上なのか。あるいは、双方なのか。
いずれにせよ、東アジア・東南アジアが抱える「中国問題」は、新たなステージに入ったと思うわけです。
そして、中東。「世界の警察官」アメリカのパワー衰退を決定づけたのは、昨年のシリア問題でした。昨年9月、オバマ大統領は「レッドライン」という言葉を用いながら、結局は国内の政治的状況や、イギリス議会の軍事介入拒否決議などを受け、シリア介入を見送りました。
結果的に、現在はテロ組織ISIS(イラクとシリアのイスラム国。ISILとも)がイラクに侵攻。すでに、モスルやティクリートを落とし、バクダッドに迫っています。
『イラク過激派、シリア国境検問所を制圧
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2101V_R20C14A6FF8000/
イラクのイスラム教スンニ派武装組織「イラク・シリアのイスラム国」が21日、イラクとシリアの国境にあるカイムの検問所を制圧した。戦闘員が大量の武器をシリアから運び込みやすくなり、影響力の拡大が懸念されている。ロイター通信などが伝えた。
両国には3つの主要な国境検問所があり、カイムは戦略的な輸送ルート。シリア側ではすでに同国の反体制派が制圧しているという。国境の両側で双方の政府機関が検問所を掌握できていない異常事態に陥っている。(後略)』
イラク・シリア国境地域は、すでに「無法地帯」と化しており、シリア政府もイラク政府も管理が不可能になってしまっています。以前であれば、間違いなくアメリカ軍が派遣される状況ですが、オバマ大統領はマリク・イラク首相の軍事支援の要請を拒否し続けました。
ようやく、19日にオバマ大統領は300人の軍事顧問をイラクに派遣することを発表しました。とはいえ、地上部隊は送らず、空爆も見送り。シリア、イラクの混乱は、長期化しそうです。
グローバリゼーションとは、世界を「ルールなき自由な世界」にすることではありません。特定の覇権国(現在はアメリカ)がルールを各国に「守らせる」ことで初めて成立するシステムなのです。
各国にルールを守らせるには、結局のところ軍事的パワーがものを言います。現在のアメリカも、もちろん圧倒的な軍事力を誇っています。
とはいえ、現在のアメリカは国民世論、あるいは「政治」の面で厭戦気分が蔓延し、ソフト的にはパワーが落ちていっています。結果的に、世界各地で紛争が頻発し、今回のグローバリゼーションは中長期的に見て衰退に向かっているという話なのだと思います。
冷戦、グローバリゼーション(92年~)の時代が終わり、現在はポスト・グローバリゼーションへと移り変わろうとしている過渡期です。ポスト・グローバリゼーションの時代において、冷戦期やグローバリゼーション期の「常識」「前提」は通用しません。日本国民は、ポスト・グローバリゼーションに向けて早急に頭を切り替える必要があると確信します。
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