株式会社経世論研究所
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『人口と経済成長①』三橋貴明 AJER2014.6.10(3)
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NEW!7月6日(日) 雑誌「正論」トークセッション「日本を移民国家にしていよいのか」13時~ ホテルグランドヒル市ヶ谷
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_46.html#Seiron
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月刊三橋にさかき漣がナビゲータを務めるネット・ラジオ「経世論入門(仮)」、第三回目
のデータがアップされました。六月は、言問吾妻と土方翔と三名で、デフレについて再学習。 是非ともご聴取くださいませ。
http://keieikagakupub.com/38news/keiseiron/
昨日も書きました通り、5月10日以来、「気を付けてください」と言われることが増えています。もっとも、特に具体的な何かがあったというわけではありません(今のところ)。わたくしは毎日午前中に必ずブログを更新しますので、「何か」があった場合は、皆さんはすぐに「知る」ことになります。
というわけで、毎日、ブログを読みに来て下さり、様々なことを「知る」皆様により、わたくしは守られているのだと思います(恐らく)。ツイッターの方も、おかげさまで間もなくフォロワーが5万人を超えそうです(碌にツイートしないのに、恐縮でございます)。ブログやツイッターで「万単位、十万単位」の発信力があるからこそ、様々なことを「知り、知らせる」ことができるわけでございます。
現在、わたくしは天然ガスをテーマとした本を書いております。今の日本の経済活動、社会生活の半分近くは「ガス」により支えられています。何しろ、原発を再稼働しないため、電力供給の四割強がLNG依存になっているのです。
その割に、我々日本国民は「ガス」について知りません。
世界では、ガス(特にパイプラインを経由したガス供給やシェールガス)が主要イシューの一つになりつつあります。ご存知の通り、ロシアとウクライナは天然ガスの供給をめぐり、何度もガス戦争を繰り広げています。ロシアとウクライナのガス戦争は、
「エネルギー供給を管理することで、他国をいかに支配下に置くか」
上記の手法について、あるいはエネルギー安全保障について学ぶ際の格好の事例です。(別に、日本も他国へのエネルギー供給を管理し、支配下に置くべきなどとは全く思っていませんが)
『ロシアがガス供給停止を決定
http://www.47news.jp/FN/201406/FN2014061601001778.html
ロシア政府系ガスプロムは、ウクライナへのガス供給停止を決めた。滞納料金未払いのためという。』
共同通信がわずか二文で伝えていますが、ロシアがウクライナ向けの天然ガス供給を停止しました。06年、09年に続き、三度目のガス戦争というわけです。
ウクライナのオレンジ革命以降、ロシアはウクライナ政府が西側寄りになるたびに、容赦なくガス戦争を仕掛けてきます。具体的には、ガスプロムによる「値上げ」です。
ウクライナはエネルギー自給率が50%程度でしかなく(日本よりははるかに高いですが)、しかもロシアの天然ガスを一定程度購入する協定を過去に締結しており、国内のガス産業が伸びていません(ウクライナも天然ガスは採掘できます)。
エネルギーの「供給」を抑えられた結果、ウクライナはロシアが仕掛けるガス戦争により、国内が不安定な状況が続いています。何しろ、オレンジ革命前は1000立方メートル当たり50ドル程度だったのが、現在、ガスプロムは同485ドルを提示しているのです。
ちなみに、ロシアと関係が良いベラルーシは同165ドル、欧州諸国向けの平均は同372ドルです。ロシアと関係が悪化しているリトアニアは同465ドルで、ウクライナは更にその上を行く価格を提示されているのです。
欧州連合は消費する天然ガスの三割がロシア産で、しかもそのうちの42%がウクライナを通るガスパイプライン経由になっています。すなわち、ウクライナ経由の天然ガスは、欧州連合の消費の12.6%ということになります。とはいえ、もちろん国ごとの「個人差」があり、ドイツは天然ガス依存が高いですが、フランスはほとんど依存していません。
ちなみに、ロシアがウクライナへのガス供給を停めるとはいっても、ガス栓を閉じるわけではありません(欧州連合に向かう分までもが停まってしまいます)。ロシアはウクライナ経由で欧州連合に向かうパイプラインにおいて、「ウクライナ分を減らし」ガスを送り出すのです。
すなわち、欧州連合に向かうガスはウクライナを通り続けます。過去のガス戦争では、ガスを停められているはずのウクライナが、自国のパイプラインから必要なガスを抜き取ってしまい、その分、欧州連合にガスが届かなくなり、混乱が派生していました。今回は、一応、ウクライナは「抜き取りはしない」と表明していますが、実際にはどうなるか分かりません。
いずれにせよ、現在のウクライナを見ていると、
「エネルギー安全保障を他国に依存した場合、エネルギー安全保障が成り立たない」
という現実を「知る」ことができるのです。
現在の仕事をしていなければ、わたくしはこの手のことを「知る」どころか、「考える」ことすらなかったと思います。日本の国内マスコミにのみ触れていては、「エネルギー安全保障」について真剣に考える機会は、まず訪れないでしょう。
さらに言えば、、安倍政権の成長戦略に含まれるだろう「雇用の流動性強化」について、
「雇用を流動化するんでしょ。いいことじゃん」
と、思考停止状態の反応を見せていたと思います。
現在の仕事をしていることで、
「雇用の流動性強化とは、雇用を不安定にし、実質賃金を引き下げる」
「経済環境には雇用の流動性強化をするべき時期と、するべきではない時期がある」
「現在の日本は、雇用の安定性強化を実施しなければいけない経済環境」
などなどについて、「考え、知る」ことを繰り返しているわけです。そして、冒頭にも書きましたが、皆様にもブログ経由で自らの意見や現況を「知って頂く」ことにより、わたくしは守られているのだと思います。
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