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『日本の問題①』三橋貴明 AJER2014.5.20(3)

http://youtu.be/hAhKKDm7GcA

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6月16日(月) 『G0.5の世界』 (日本文芸社) 刊行記念 三橋貴明講演会・サイン会 19時より八重洲ブックセンターにて 
http://www.yaesu-book.co.jp/events/talk/3927/

NEW!7月6日(日) 雑誌「正論」トークセッション「日本を移民国家にしていよいのか」13時~ ホテルグランドヒル市ヶ谷
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_46.html#Seiron

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 徳間書店「移民亡国論」(このままのタイトルで6月後半に刊行されます)を書き終え、次なる書籍に取り掛かっているわけですが、テーマはずばり「ガス」でございます。(TAC出版「原発ゼロの真実」は6月末発売予定です。「移民亡国論」と順番が逆になってしまいました)


 現在、反グローバリズム的な傾向を強めているロシアが、ウクライナを「経由」しEU(欧州連合)側とガス戦争を繰り広げています。



9日にガス問題を協議 露、ウクライナ、EU

http://sankei.jp.msn.com/world/news/140608/erp14060820460003-n1.htm

 タス通信によると、ロシアのエネルギー省当局者は8日、ウクライナへのロシア産天然ガス供給問題に関し、9日にブリュッセルで、ロシア、ウクライナ、欧州連合(EU)による3者協議を開催すると述べた。

 議題はロシアからウクライナへ輸出されるガスの価格や、ウクライナが滞納しているガス輸入代の支払い問題。10日は毎月のガス代を全額前払い制へ移行する期限に設定されている。

 ロシアのプーチン大統領はガス協議をめぐり「最終的な合意に近づいている」との認識を示しており、9日の協議で一定の合意に達する可能性もある。』



 個人的に、天然ガスのパイプライン(厳密には国境を越えたパイプライン)ほど、グローバリゼーションを象徴する物体はないと考えています。パイプラインでのガスの購入は、確かに極めて「安定的」なエネルギー調達です。


 但し、「平時」が続くことが前提ですが。


 外国からのパイプラインに依存すればするほど、間違いなく経済は「効率化」されますが、非常事態への対処能力は落ちます。何しろ、ガスの輸出側は栓をひねるだけでガス供給を停めることができるのです。


「そんなことは、誰もやりはしないさ。AHAHAHAHAw」


 という「ノリ」(恐らく)で、1992年以降にロシアからEU諸国へパイプラインが敷かれていき、今、大変なことになっているわけでございます。


 また、パイプラインに依存すると、LNG(液化天然ガス)関連への投資が減ります。結果的に、パイプラインによるガス供給者の寡占性が強まり、価格は高くなっていくように思います。(この辺はこれから調査)


「いやいや。市場競争がある限り、パイプラインでガスを輸出している側も、そう無体な値上げはできないよ」

 と、経済学者様に言われそうですが、現実にガスプロム社(というか、ロシア)は半端ない値上げを繰り返しています


2004年にウクライナでオレンジ革命が勃発し、明確な親欧米政権が誕生しました。翌年、ロシアのガスプロム社(半国有のロシア最大の天然ガス企業)が、ウクライナ政府に対し、天然ガスの価格について、1000立方Mあたり50ドルから、230ドルに引き上げる料金改定案を提示しました(第一次ガス戦争)。

その後、08年末から翌年にかけて第二次ガス戦争が勃発し、現在は第三次が継続中です。


現在、ウクライナはロシアへのガス料金を滞納していますが、ロシア側もロシア側で、2015年6月(一年後)にガス料金を1000立方Mあたり485ドル(現在は286ドル)に値上げすると通告しています。第一次ガス戦争以前と比べると、九倍以上に値段を吊り上げられるわけです。


そもそも、ウクライナは経済が成長しておらず、ロシアへのガス料金を現状価格ですら支払えない状況になっています。結果的に、例によりロシアが「ガスの供給を停止する」と通告していたのですが、EUが仲介し、何とか即時停止は回避されている状況にあります。



 ウクライナは、ロシアにクリミア半島を奪われ、東部への介入を招き、挙句の果てにそのロシア産出の天然ガスに経済が依存しているという悲惨な立場にあるわけです。チェルノブイリがあるウクライナではありますが、原発を推進している理由が嫌というほど分かるでしょう。


 結局のところ、パイプラインで送られてくる天然ガスにエネルギー供給を依存することは、非常時を想定しない「お花畑発想」であることが分かります。平和ボケに陥っていたのは、別に日本人のみならず、欧州人も同じだったということです。(しかも、選りに選って相手がロシア)


 平時である限り、極めて効率的。非常時には、極めて脆弱。ガス・パイプラインこそ、グローバリズムの象徴なのでございます。


 さて、我が国のエネルギー供給も、原発を再稼働しないため、現在は発電の半分近くをLNGに依存している状況にあります。わたくしたちの経済活動の基盤の半分が「外国から輸入されたガス」で動いているのです。


 それにしては、我々日本国民は「ガス」について詳しく知りません。というわけで、次なるテーマとしてガスを取り上げてみたいわけでございます。


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