市場原理と文化・伝統

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『三つの対立(後編)③』三橋貴明 AJER2014.4.15(3)

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 スウェーデンの取材が終わりまして、これから帰国します。


 最も行きたかったストックホルムのフースビーと、マルメのローゼンガードの二つの街には、無事に赴くことができました。両地区共に移民(中東移民)の割合が極端に高く、犯罪が多発し、暴動も発生している地区になります。


 凄かったです・・・・。何が凄かったかと言えば、我々日本人は「移民が多い街」と言われた際に、いわゆる「貧困街」「スラム街」を想像すると思うのです。とはいえ、真実はまるで違いました。(詳しくは「移民亡国論」をお待ちください)


 それはともかく、ストックホルムとマルメ間の列車から、スコーネ地方の農園を撮影した一枚を。ちなみに、スコーネ地方はスカンディナビア半島南端に位置し、元々はデンマーク領だったのですが、カール・グスタフ戦争でスウェーデン王カール十世がコペンハーゲンを降伏させた際に、スウェーデンに割譲されたものです。


【写真 スコーネ地方の農園風景(菜の花畑)】



 とにかく、昔のスウェーデンはやたら戦争が強く、あるいは戦争が強い国王が出現し(グスタフ二世やカール十世やカール十二世など)、三十年戦争、北方戦争(デンマークにとってはカール・グスタフ戦争)、大北方戦争と戦乱に明け暮れていました(主な戦場はポーランドやデンマーク、ドイツでしたが)。スウェーデンの領土は、一時的にノルウェイ中部、フィンランド全域、バルト三国をも手中に収め、「バルト帝国」と呼ばれたのですが、日本人のほとんどは知らないでしょう。


 将来的に、バルト海周辺諸国の興亡の話など書けたらいいなあ、と考えていたりします。
 
 ところで、いきなり話が変わりますが、日本文化チャンネル桜から「日本を主語とした言論マガジン 言志 平成26年5月号」が書籍版として創刊になりました。
http://www.genshi-net.com/


 本誌には、わたくしは勿論のこと、中野剛志先生、柴山佳太先生など本ブログでお馴染みの方々が寄稿し、藤井先生が登場される「国土強靭化レポート」も掲載されています。


 個人的に驚いたのは、川口マーン恵美氏が「「脱原発のドイツを見習え」は危険すぎる間違いである」というコラムを寄稿され、文中でEFIレポートを取り上げていたことです。実は、間もなくTAC社から発売になる「マスコミが絶対に伝えない 「原発ゼロ」の真実」(旧タイトル「電力崩壊」)において、わたくしもドイツのEFIレポートを川口先生と同じロジックで取り上げています。
 EFIレポートが何かといえば・・・。


ドイツの再生可能エネルギー法は失敗だったのか? 科学的視点に欠けた脱原発推進がもたらす矛盾が次々表面化
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40112
 2月26日、ドイツで衝撃的なリポートが発表された。EFI(Expertenkommission Forschung und Innovation=研究・革新専門家委員会)といって、2006年にドイツ政府によって作られた6人の専門家からなる調査グループの提出したリポートだ。
 EFIは、教育、研究、技術開発を中心に詳細な研究をし、毎年1度、結果を政府に報告する。つまり、政府のコンサルタントといった役割を果たしており、その権威と影響はかなり大きい。
◆再生可能エネルギー法を全面否定したリポート
 さて、そのEFIのリポートによると、「再生可能エネルギー法は、気候変動防止も技術の刷新も促進しない」という。
 再生可能エネルギー法では、自然エネルギー由来の電気は、20年間にわたって全量が固定価格で買い取ってもらえるということが定められている。この法律は、自然エネルギーの先進国を自負するドイツが誇って止まない法律であったのだが、それを、今回のリポートは全面否定したわけだ。(後略)』


 EFIのレポートでは、
「再生可能エネルギー法は電気代を高騰させるのみで、気候変動の防止も技術改革も促進しない
 と、にべもありません。


 ドイツのFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)の基になっている再生可能エネルギー法成立以降、ドイツでは発電に占める再生可能エネルギーの割合が7%から23%に伸びました。結果的に、ユーザーは巨額の賦課金(日本の再エネ賦課金と同じ)の支払いを強いられているわけです。その額、驚くなかれ230億ユーロ!(約3兆2200億円)。不安定な再生可能エネルギーを利用するために、ドイツ国民は一人当たり年間4万円を超える負担をしている計算になります(世帯当たりではなく、国民一人当たりです)


 さらに、EFIのレポートには、再生可能エネルギー法に基づくFITについて、
「同法は技術開発の役にも立っていない。その理由は20年間有効の全量固定価格買取制度で、これがあれば勝手にお金が入ってくるがために、新しい技術を開発しようというモチベーションが働かない
 と、実に核心をつく解説をしています。太陽光パネルを設置し、電力会社の系統に接続されれば、後は「何もしなくても」20年間、需給と無関係に発電した全量を「高価格」で買い取ってもらえる「市場競争がないビジネス」において、技術革新が起きるはずがありません。


 ちなみに、わたくしは「市場原理主義」的な政策を批判することが多いですが、別に自由競争を否定しているわけでも何でもありません。技術的ブレイクスルーの動機は、多くのケースで市場競争です。
 ただ、わたくしは、
「安全保障や文化・伝統など、市場競争よりも優先されるべき事項、あるいは市場競争とのバランスを考えるべき事項が存在している
 と言っているに過ぎません。


 FITの場合、エネルギー安全保障を弱体化させる上、市場原理が働かないわけで、将来的な再生可能エネルギーの技術的ブレイクスルーを妨げることになるわけです。本当に「最悪の制度」でございます。


 さて、上の写真、スウェーデンのスコーネ地方の菜の花畑ですが、農家は菜の花を栽培して菜種オイルを作っているわけです。とはいえ、スウェーデンの人件費は高いため、同地で伝統的な菜の花栽培をしても「儲からない」ように思えます
「儲からないなら、止めればいい。もっと競争力がある高付加価値農産物の生産にシフトすればいい」
 と、「市場原理」を愛する人は言うのでしょうが、果たしてそういうものなのでしょうか


 別に、市場原理は常に正しいわけでもなく、常に間違っているわけでもありません。結局のところ、各国の国民は自国の文化や伝統、さらには安全保障と「市場原理」あるいは「利益」のバランスを保ちつつ、試行錯誤を繰り返していくしかないというのが正解なのだと思います。


 ストックホルムからスコーネ地方の中心都市マルメに向かう列車の中で言志を読みつつ、「市場原理」「文化・伝統」についてつらつらと考えたわけでございます。


「安全保障や文化・伝統と市場競争のバランスを取る」に共感して頂ける方は、

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