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『三つの対立(後編)③』三橋貴明 AJER2014.4.15(3)

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 さて、スウェーデンにいるわけですが、この国のエネルギー自給率は66%(2011年)と高くなっています。スウェーデンは電力について、原油や天然ガスなどの化石燃料ではなく、水力と原発に依存しているのです。


 2011年の国内発電電力量を見ると、水力が44%、原子力が40%。水力と原子力だけで、八割以上の供給を確保する一方、化石燃料による発電比率は3%に過ぎません。


 ちなみに、、スウェーデンは1979年の米国スリーマイル島原子力発電所における事故、及び翌1980年の国民投票の結果を受け、国家として正式に脱原発を決定しています。とはいえ、国民投票から30年が経過しようとしていますが、現実には脱原発は進んでいません。


 それどころか、2010年にスウェーデン政府は脱原子力政策を見直し、現在運転中の原子炉の建替えに限って、原子炉の新規建設を認める法案を議会に提出。可決されました。すなわち、スウェーデンは脱原発から原発維持に舵を切ったわけで、この方針は福島第一原発事故以降も変わっていません。結果的に、スウェーデンはロシア産天然ガスに依存していないのです。

 というわけで、スウェーデンにとって今回のウクライナ紛争は「対岸の火事」なのかも知れませんが、多くの欧州諸国にとってはそうはいきません


ロシアの欧州向け天然ガス供給問題 合意できず
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140503/k10014203541000.html
 ロシアが、天然ガスの輸出を巡ってウクライナが滞納している代金を支払わなければ、ヨーロッパ向けの供給も停止すると警告している問題で、ロシアとウクライナ、EU=ヨーロッパ連合の閣僚級会合が開かれましたが、合意には至りませんでした。
 ロシアのプーチン大統領は先月、ウクライナに供給している天然ガスを巡って、ウクライナが滞納している代金を支払わなければ、ウクライナを経由してパイプラインでヨーロッパ各国に届く分も滞るおそれがあると警告する書簡を、各国に送りました。
 これを受けてウクライナとEU、ロシアの3者は、2日、ポーランドの首都ワルシャワでエネルギー担当の閣僚による会合を開いて、打開策を協議しました。
 しかし、ウクライナ側が、ロシアが新たに設定した料金は市場価格を大きく上回り差別的だと非難したのに対し、ロシア側は契約に基づいていると反論し、合意には至りませんでした。
 協議のあと記者会見したEUのエッティンガー委員は、今月の中旬と今月末の2回、さらに会合を開いて、価格や供給量などについて妥協点を探ることを明らかにしました。
 天然ガスのおよそ3割をロシアから輸入するヨーロッパ各国は、ウクライナにガスを「逆流」させるなどして当面の対策を取ることにしていますが、ウクライナを巡る緊張が長期化するなかで、エネルギーの問題も重くのしかかってきています。』


 ロシアのプーチン大統領は、先月の10日、ウクライナが滞納しているロシア産天然ガスの代金が支払われなければ、ガスの供給を削減あるいは停止すると警告しました。EU加盟国が消費する天然ガスのうち、約13%がウクライナを経由しています。


 日本も同じなのですが、消費する天然ガスの10%前後がロシア産であったとして、その供給が止まったとしても、いきなり「経済的破滅!」「ブラックアウト(大停電)頻発!」という事態にはなりません。とはいえ、これはビジネスの現場で働かれている方は誰でも理解できると思いますが、「選択肢」の一つが失われることは、これは経済的な打撃を受けざるを得ません。


 ロシアから天然ガスを購入できないとなると、他の産出国からスポットで購入するしかありません。結果的に、間違いなくBTU単価のガス代金は上昇していきます。


 プーチン大統領は、4月11日の会見で、
「ウクライナに対するガス供給を停止する意向はないことをあらためて表明する」
 と発言したものの、合わせてウクライナが22億ドルのガス料金について未払いに陥っていることを公表。ウクライナに対し、ガス料金の先払いを要請することを提案し、合わせてドイツなど18か国の首脳に書簡を送り、
「ウクライナが天然ガス料金を支払わなければ、ロシアは同国に対する供給を削減する可能性があり、その結果ウクライナを経由したロシア産ガスの欧州への供給も減少する恐れがある
 と警告しました。


 まさに、エネルギー資源供給国であることをフル活用しているわけです。


 これまで何度か書籍で取り上げてきましたが、ロシア経済は極端に「原油」「天然ガス」に依存する構造になっており、資源価格の上下に経済が大きく振り回される状況が続いていました。ロシアの経済人の、
「石油こそ我らが全て」
 とは、別に資源産出国を威張っているわけではなく、「ロシアには石油以外にまともな産業がない・・・」と、自虐的に自国を揶揄しているわけです。


 とは言え、「パイプライン」で大消費地の欧州に天然ガスを輸出するとなると、これは現実的なパワーになります。欧州側がパイプラインでロシア産天然ガスを輸入するとは、安全保障という観点から見れば、ロシアにとってまさしく「欧州の喉元に見えない刃を突きつけた」も同然なのです。(今は見える刃になっていますが)


 それにしても、欧州はなぜここまでロシア産天然ガスに依存する構造になってしまったのでしょう。という疑問が生じた方が少なくないでしょうから、わたくしの次の次の書籍(「移民亡国論」の次に執筆予定)のテーマはLNGを含む「天然ガス」になります。


 原発を再稼働していないため、実は皆さんの社会生活の四割以上は「天然ガス」が供給するエネルギーに依存しているのです。知っていました?


「我々の社会生活の四割強がガス依存」に改めて驚かれた方は、↓このリンクをクリックを。

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