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『三つの対立(後編)③』三橋貴明 AJER2014.4.15(3)

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WiLL (ウィル) 2014年 06月号 [雑誌] 」に「移民亡国論 移民で成功した国はない」を寄稿しました。


 まだ台湾にいます。
 本日は、藤井先生からのご投稿。(国土強靭化に関する、極めて重要なお話です。)


日本の「診断結果」が出ました! From 藤井聡@京都大学大学院
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2014/04/29/fujii-87/
 先週の4月25日、「国土強靱化推進本部」(本部長:安倍内閣総理大臣)が官邸内で開催され、「脆弱性評価」の結果が正式に決定されました。
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/actions/201404/25kokudo_kyoujinka.html
 まだ基本計画策定の前段ということもあり、メディア上ではほとんど取り上げられてはいませんが、強靭化に向けての極めて重要な重要な一歩でありますので、今日は、その内容について、お話したいと思います。
 この本部決定に際して、安倍総理が、
「今般行った「脆弱性評価」は、大規模自然災害に対し、警察・消防から金融、情報通信に至るまで、我が国行政がきちんと対応できるかどうか網羅的に評価した「国土の健康診断」と言えるものです。
 と、説明しておられます通り、この「脆弱性評価」は、昨年12月に成立した「国土強靱化基本法」の中で定められているもので、5月末頃を目処に策定する予定の国土強靱化の「基本計画」の基本となるものです。
 この脆弱性評価は、昨年末に策定した「政策大綱」の立案においても行っていたのですが、今回は、数値化できるものについては、
具体的な数字を使って評価をした
 というのが大きな特徴となっています。
 自然災害の時に起こしてはならない(だけど、起こりそうな….)「激ヤバ45項目」というのが(正式には、「起こしてはならない45の事態」)あるのですが、今回はそれぞれについて、様々な数値を使って、その「ヤバさ」を評価しています。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokudo_kyoujinka/pdf/hyouka_2604.pdf
 その主立ったものを紹介しますと、まず、「民間」の取り組み(とりわけソフト対策)に関するものとしては、次の様なものがあがっています。
(民間・ソフト対策)
■石油精製・元売会社におけるバックアップ体制を盛り込んだBCP の策定率 0%(H24)
■石油コンビナート等防災計画の見直しを行った防災本部の割合 0%(H25)
■製油所が存在する港湾における、関係者との連携による製油所を考慮した港湾の事業継続計画(港湾BCP)策定率 0%(H24)
 要するに、地震が起こったときに、石油等をどうやって調達・配給していくのか、ということについて、政府が推奨する水準で十分に検討している「石油会社」「コンビナート・港湾等」は、今のところ、まだ「無い」ということになっているわけです。
 これは、油会社等がこれまで地震対策を全くやってなかったということではないのですが、政府にて今回新たに定めた「より本格的な防災対策!」の水準での策定率が「ゼロ」という少々極端な結果になったということであります。いずれにしても、政府ではこの評価結果を踏まえて、急ピッチで、この数値を「100」に近づけていくための取り組みが始められることになります。
 一方で、個別企業の防災対策(BCP/BCM)は、長い間、その必要性が主張され続けてきたものなのですが、その策定率は、まだまだ低いのが実態です。
■大企業及び中堅企業のBCP の策定割合 大企業:45.8%(H23) 中堅企業:20.8%(H23)
 さらに、「避難所」等では、石油備蓄の必要性がかねてより主張されてきたのですが、その配備率も、低い状態なのです。
■避難所となりうる施設への石油製品貯槽の配備率 31% 等
。。。ってことで、今、巨大地震が起こってしまえば、日本のエネルギーは大混乱に陥ることは必至。。。。という状況であることは間違いなさそうです。。。。
 さて、以上は「民間のソフト対策」に関わるものですが、「民間のハード対策(投資)」に関わるものとしては、次の様な数値がまとめられています。
(民間のハード対策[投資])
住宅・建築物の耐震化率 住宅:約79%(H20) 建築物:約80%(H20)
■(不特定多数が集まる施設)建築物の耐震化率 約80%(H20) 等
 80%というのはなかなか高い水準とも言えますが、そもそも、ここで「クリアすべき基準」と定められている基準をクリアしたからといって、絶対安心、と言うものでもありません。震度6程度の震動でも崩壊する可能性が存在している程の基準です。
 ですから、ここで残りの「20%」の建物は、相当「ヤバイ」状況にあるわけです。しかも、「不特定多数が集まる施設」とは、駅や空港等ですが、そういうものが倒壊すると、極めて深刻な被害が生じます。ですから、この「20%」は早期にゼロにしなければならないものです。
 以上は、「民間」のものですが、「政府」に関しても様々な数値がまとめられています。まず「ソフト」的な側面としては、例えば、次の様な数値がまとめられました。
(政府のソフト対策)
■政府全体の業務継続計画に基づく各府省庁の業務継続計画の改定状況0 府省庁(H25)
■各府省庁の業務継続計画の評価状況 0 府省庁(H25)
■最大クラスの津波ハザードマップを作成・公表し、防災訓練等を実施した市町村の割合 14%(H24)
■具体的で実践的な避難計画の策定率(火山) 13%  等
 再び、中央各省庁関連のものとして「0」という数値が出て参りましたが、これは、財務省や国交省、経産省、総務省。。。。といった各省庁の機能が、大災害が起こった時でも、最低限の機能を続けられるようにするために、バックアップを予めつくり、あらゆる事態を想定した緊急時マニュアルを作る。。。。と言う取り組みを「十分」に行っている省庁はまだ「ゼロ」だということです。
 これもまた、今、なすべき方針が新たに定められたので「ゼロ」となっているのですが、これを「ゼロ」と公表したということは、各省庁はまさにこれから、これを「100%」にするために迅速に対応を始めることを意味しています。
 また、自治体関連で言えば、政府が考える水準をクリアできるほどに、十分に津波対策や火山災害対策を遣っている自治体は、ごく一部(13~4%)しかない、ということですから、今のままでは、地震や津波が起こった時の死者数や経済被害は、巨大なものとなるのは火を見るよりも明らかだ、ということであります。
 最後に、政府の取り組みの中でも「ハード」なもの(投資関係)に関わるものとしては、次の様な数値がまとめられました。
(政府のハード対策[投資]の促進)
橋梁の耐震補強完了率 79%
大規模地震が想定されている地域等における海岸堤防等の整備率約31%(H24) 必要な水門・樋門等の自動化・遠隔操作化率 約33%(H24)
■ダム等極めて重要な農業水利施設のレベル2 地震動に対応した耐震設計・照査の実施割合4割(H24)  等 
 これはもう、ほとんど解説を要しないですよね。
 十分に強化されていない橋が、まだ、21%(100%-79%)も残されており、決壊すると「トンデも無いこと」になる様なダムやため池でも、十分な対策が施されていないものが「6割」(10割-4割)にも及んでいるわけです。さらに、政府の基準をクリアする堤防が整備されていない所は、実に7割(10割-3割)も(!)残されている、という次第です。
・・・・
 ということで、以上は、脆弱性評価の一端でありますが、これらを見るだけでも、我が国が、どれだけ深刻な危機に苛まれているかをお分かり頂けるのではないかと思います。
 とはいえ、以上は、「今回数値化できたもの」(しかもその一部)をご紹介しただけで、国家全体の強靱性を確保するために、これで十分かと言えば、決してそうではありません。
 したがって、さらなる「数値化」を目指していくと同時に、そもそも数値化がなじまない項目についても徹底的に取り組みを進めていくことが必要です。
 例えば、今回の脆弱性評価では、以上の様な数値以外にも、次の様な文言が明記されています。
「各地域の主体性を確立すること等を通じて多様性を再構築し、地域間の連携を強化する
 とともに、災害に対して粘り強くしなやかに対応できる国土づくりを進める必要がある。地域の活力を高め、依然として進展する東京一極集中からの脱却を図る必要がある。」
⇒要するに、東京一極集中してるのは、ホントにヤバイ、だから、東京以外の地域を活性化して、地方の自律性を高めて、いろんな機能を東京からシフトさせると同時に、そのネットワークを築きあげていく事が大切だ、と言っているわけです。
「現在諸機能が集中している太平洋側だけでなく日本海側も重視し、日本海側と太平洋側の連携を図る国土づくりを進める
⇒重要なのは、「日本海側」としっかり明記されている、という点ですね。
「機能が集積している地域の防災・減災対策を進めるとともに、中枢機能等のバックアップを確保する必要がある。」
⇒これも、東京や太平洋側への一極集中の問題を指摘しています。
「我が国の大規模エネルギー供給拠点は太平洋側に集中しており、首都直下地震や南海トラフ地震により供給能力が大きく損なわれる恐れがある」
⇒一極集中の問題の中でも、とりわけ「エネルギー」については、こうして別立てでしっかりと明記されている、ということですね。
「過疎化・高齢化等、集落におけるコミュニティ機能が低下している現状を踏まえ、地域機能の維持・強化を検討する必要がある。」
⇒そもそも、地方が疲弊してるから、防災力も低下してるっていうのが、地方の脆弱化の根元だから、地域のコミュニティの再生を通して、地方を強化していかなイカン、ってことですね。
・・・・こういった、「一極集中緩和」「地方活性化」の議論は、なかなか数値目標化することが難しいですが、そういう現時点では数値化が難しいことも、今回の政府決定文書の中には明記されている、という次第です。
・・・・さて、こういう「政府の公式文書」の意味ですが、これは、今後の各省庁の行政展開に、大きな意味を帯びることになります。
 第一に、総理大臣の下で本部決定されたこの文書の中に記載された事柄は、
「全て」
「必ず」
 政府の中のどこかの誰かが対応しなければならない
、ということになります。
 逆に言いますと、万一、ここに記載されたもので、全ての省庁が無視するような事項があれば、それは「大問題」だ、ということになるのです。したがって、そんな問題が絶対生じないよう、関連省庁とは事前に様々な調整を図り、対応できるという一定の保証が得られたものについて、より踏み込んだ記載が書かれていく、と言う格好で、こうした文書が作られるのが一般的なのです。だから、本文書では、各指標や文言についての
「担当省庁」
 がそれぞれ明記されています

 このことはつまり、この文書に書かれた内容については、各省庁はその推進を一定程度は「了承」「承諾」している、ということを意味しています。
 第二に、特に、今回数値がまとめられたものについては、これからの強靭化の取り組みを通して、その数値を「改善していく」事が
「確約」
 されたという事になります。これは、単なる文言を記載するよりも、より一層重たい宿題を、各省庁が担うことを意味しています。
。。。。
 行政というものは、各省庁という「実行部隊」と、その指揮命令組織としての「内閣」との一体化が何よりも重要となりますが、いうまでも無く、今回の強靭化の取り組みも、その例外ではありません。
 そして、国土強靱化には、実に様々な課題が残されているのは紛う事なき事実でありますが(それについては、本部決定の中でも記載されています)、着実に少しずつ前進していることもまた間違いないと、考えています。
 そんな事を踏まえつつ、来たるべく「Xデー」に、本当にこの地域、国家が壊れてしまわないように、あるべき強靭化を巡る「中身」の議論に加えて、各省庁等との各種の「調整」、そして、国民運動を企図したこうした一般の皆様への解説等を、多面的に勧めて参りたいと存じます。
 ついては、「ニッポンの強靭化」に向けましての皆様のご支援、ご協力を賜れますと、ホントに有り難く存じます。
(#いろんな側面での各省庁との「調整」の雰囲気は、そういう「国民的支援」「機運」「風潮」がある場合とない場合とで全っ然変わってまいりますので 笑)
 では皆様、引き続き、よろしくお願い致します!!』


 予想通りと言えば、予想泥いですが、今回の「大規模自然災害等に対する脆弱性評価」および「地方公共団体及び民間団体からの意見聴取」の取りまとめについて、報じた国内マスコミはゼロでした(見つけた人は、コメント欄で教えて下さい)。すなわち、首相官邸のホームページを見に来なければ、「自分たち国民の安全」に関わる重要な情報を、日本国民は知らずじまいということになります。

 散々、繰り返していますが、5月(予定)の国土強靭化基本計画に「数値目標」が入るか否かは、まさに決定的に日本国の運命を変えることになります。基本計画の前提となる脆弱性評価に、数値目標と担当省庁が入ったことは、これは大きな前進だと思います。


 とはいえ、日本国民が「自分たちを守る国土強靭化」の意味を知らないままでは、5月に基本計画が数値目標付きで発表されたとしても、マスコミの、
「国土強靭化というバラマキ計画が立てられた」
 といった印象操作に騙され、「自分たちを守る国土強靭化」に反対する空気が醸成されかねません。それ以前に、国土強靭化反対の空気が濃くなれば、財務省は喜んで数値目標を排除するでしょう。


 結果的に、国土強靭化は「絵に描いた餅」に終わってしまいかねないのです。

 というわけで、これから一か月間、できるだけ国土強靭化関連の「正しい情報」を拡散することに努めたいと思います。皆様のご協力、よろしくお願いいたします。


「数値目標の入った国土強靭化基本計画の策定を!」に、ご賛同下さる方は、

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