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『三つの対立(前編)①』三橋貴明 AJER2014.4.8(7)

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 小泉純一郎氏と細川護熙氏が脱原発を目指す一般社団法人「自然エネルギー推進会議」を設立するそうですが、本当に脱原発を目指すなら、自然エネルギーではなく「蓄電技術」や「メタンハイドレート」にお金を投じる法人を作るべきなのでは? 太陽光発電や風力発電の研究開発にいくら投資しても、蓄電技術がブレイクスルーしない限り、脱原発はできないでしょうに・・・。(他にも「使用済み核燃料の処理やエネルギー安全保障を実現するエネルギーミックスはどうするの?」という疑問が出てきますが。詳しくは、間もなくTAC社から刊行予定の「電力崩壊(仮)」をお待ちください)。


 メタンハイドレートといえば、資源エネルギー庁が新潟県上越沖など、日本海を中心とした五海域における広域調査を開始したことが発表されました。日本海側のメタンハイドレートは、氷状になっているため、砂状の太平洋側より採掘が容易な可能性がある。と、以前、青山千春博士(青山繁晴氏の奥さん)に教わりました。


 もっとも、たとえ日本列島周辺のメタンハイドレートだけで、我が国のエネルギー需要を満たせるようになったとしても、それで「エネルギー安全保障確立」という話にはなりません。くどいほど書いていますが、エネルギー安全保障で重要なのは「多様化」なのです。


 もちろん、経済合理性のみを追求するならば、メタンハイドレートに過度に依存したエネルギーミックスにしてしまえばいいのです。とはいえ、その場合は「何らかの事情」でメタンハイドレートの採掘が不可能になった途端、我が国はエネルギー危機に直面することになります。


 メタンハイドレート「も」やる。トリウム熔融塩炉「も」やる。オーランチオキトリウム「も」やる。もちろん、火力、原子力、水力、太陽光、風力、地熱「も」やる。エネルギー供給源やエネルギー供給国は多様化すればするほど、我が国のエネルギー安全保障は強化されるのですが、なかなか一般の方に分かってもらえません。


 現在の日本のエネルギー安全保障が揺らいでいることは分かってもらえるのですが、「ピコーンッ! ひらめいたっ!」とばかりに、
「ならば、メタンハイドレートですよ!」
「ならば、トリウム熔融塩炉ですよ!」
 と、特定の技術を「救世主」扱いする人が本当に多いのです。特定の技術に頼るのでは、我が国のエネルギー安全保障は却って弱体化します。


 などと書くと、途端に「メタンハイドレートはダメだというのか!」「トリウムがダメだというのか!」と反発されてしまうのですが、誰もダメだとは言っていません。メタンハイドレートやトリウムも、大々的に開発すればいいのです。とはいえ、エネルギー安全保障の「肝」は「多様化」であることだけは、理解して欲しいのでございます。


 上記「肝」を理解して頂いた上で、こちらの記事。


ウクライナが招くドイツのエネルギー危機
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2014/04/post-3245_1.php
◆クリミア問題を受けてロシアへのエネルギー依存を見直すメルケル政権だが、脱原発と同時に進めるのは危険
 エネルギー消費では欧州で1位、世界で7位のドイツが、政治的理由からエネルギー不足に見舞われる恐れがある。
 G7諸国は先週、今回のクリミア危機を受けて、ロシアへのエネルギー依存を見直す方針で一致した。だがいくら情勢が緊迫しても、ロシアが輸出収入の14%を占める欧州へのエネルギー供給をやめるとは考えにくい。
 石油と天然ガスの3分の1をロシアに頼るドイツのような国は、依存度を減らしたほうが長期的な対ロ政策には好都合に思える。だがこうした国では、依存解消後の方策に問題がある。
 ドイツは脱原発を唱える数少ない国の1つ。残り9基の原発を22年までに段階的に廃炉し、50年までに電力の80%を再生可能エネルギーで賄う計画だ。
 一方でドイツの石炭消費は昨年、90年以降で最高水準に達した。従来の方法で採掘可能な天然ガスに恵まれないため、水圧破砕によるシェールガス採掘を提唱する声もあるが、政府は環境保護の立場から反対している。

 エネルギーの対ロ依存を減らし、脱原発を目指し、再生可能エネルギーへ転換するという方針は素晴らしいが、一度に進めるのは大いに問題がありそうだ。』


 ときは少し遡り、3月28日。ドイツのガブリエル経済・エネルギ担当相が、ロシアから輸入している天然ガスについて、
実用的な代替は見当たらない
 と述べました。さらに、ロシアがウクライナ紛争を受けて天然ガスの輸出停止に踏み切る可能性について、
「冷戦が最も暗い影を落としたときでさえロシアは契約を履行した」
 と述べたそうでございます。


 上記の発言が事実だとしたら、まさに「お花畑」としか言いようがありません。ロシアが天然ガスや石油の輸出停止に踏み切る可能性があろうがなかろうが、「実用的な代替手段」を用意することこそが、ドイツのエネルギー安全保障確立に不可欠なのです。さもなければ、今回のウクライナ紛争が典型ですが、政治的に弱腰にならざるを得ません。


 ロシアがガスの輸出を停めるか否かとは関係はなく、「いざというとき」「非常事態」における代替手段がないということが、安全保障を損なうのです。しかも、ドイツは記事にもある通り、22年までの「脱原発」を謳ってしまっています。すなわち、原子力発電という「代替手段」を放棄しているわけで(まだ動いていますが)、エネルギー安全保障は日に日に弱体化していっています。


 もっとも、実はドイツは石炭の産出量が世界第九位でもあります。エネルギー安全保障が危機に瀕したとしても、最悪、石炭火力を強引に(政府主導で)増やすという選択肢はないわけではありません(石炭火力発電所の建設には、十年くらいはかかりますが)。

 対する日本は、国土が天然資源に恵まれているわけではなく、エネルギー自給率は4%台です。


「だからこそ、メタンハイドレートだ!」
 という話なのですが、分かっていますよ。メタンハイドレート「も」やりましょう。とはいえ、エネルギー安全保障の肝が多様化であること「も」忘れないでくださいね。という話なのでございます。


 それにしても、現在の世界は全般的に「エネルギー安全保障」が揺らいでいるように思えます。経済成長のみならず、各国がエネルギー安全保障を「いかに確立するか」(あるいは確立しないか)によって、次の世界の形が決まるのでしょう。


 というわけで、日本の「エネルギー安全保障」を強化するためにも、引き続き本テーマは取り上げ続けたいと思います。エネルギー安全保障が揺らいでいる今こそ、逆にこの種の問題について学ぶ好機ともいえるわけです。


本日のエントリーを読み「エネルギー安全保障」について真剣に考えて下さった方は、 

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