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『G0.5(前編)①』三橋貴明 AJER2014.3.11(5)

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 本ブログでも時たま登場するロバート・シラー教授が来日しています。


消費増税を懸念=ノーベル賞のシラー教授
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201403/2014031000665
 2013年のノーベル経済学賞の受賞者である米エール大のロバート・シラー教授は10日、安倍晋三首相との懇談で、4月の消費税引き上げに対する懸念を示した。同教授が懇談後、記者団に明らかにした。
 シラー教授は「首相は『消費税増税が景気回復の腰を折る心配はあるが、楽観している』と話していた。私にはその根拠が理解できなかった」と語った。同席したエール大名誉教授で首相のブレーンの浜田宏一内閣官房参与は「金融政策でかなりしのげると思っている。うまくいくのではないかという点では首相の意見と同じだ」と述べた。』


 わたくしにも消費税を楽観視する根拠は理解できませんし、「金融政策でしのげる」の方はなおさら理解できません。日本銀行にできるのはマネタリーベース拡大までで、マネーストックの拡大はもちろんのこと、お金が「所得」になるように使われるかどうかまでは管理することができません。


【日本のマネーストック(M2 億円)とコアコアCPIの推移】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_45.html#M2CPI


 以前から、我が国はマネタリーベースやマネーストックとコアコアCPIが「一致した動きをしない時期がある」と、繰り返ししてきました。マネタリーベースやマネーストックが拡大していた時期すら、我が国はコアコアCPIが下がり続けました。などと書くと、
「マネタリーベースを拡大しても物価上昇しないならば、日本は無税国家になれる!
 などと、いきなり極論を叫び出すおバカさんがいますが、この種の極論は財政破綻論の否定に対し、「5000兆円の国債を発行して太平洋を埋め立てればいい!」と反論してきた人(竹中氏)と同じというわけです。議論に負けそうになると、極論で逃げる、と。


(1) 日本銀行がマネタリーベースを発行し、それが民間に借りられるのか?
(2) 民間がお金を借り、マネーストックが増えたとして、それが金融資産(株式、土地、為替、先物)に向かわず、実体経済(所得)に向かうのか?


 答えは、(1)にしても(2)にしても、
「借りられることもあるだろうし、借りられないこともあるだろう」
「実体経済に向かうこともあれば、向かわないこともあるだろう」
 という、極めて曖昧なものになります。人間の行動パターンが分からない以上、当たり前です。オールオアナッシング的なことを言い出し、すぐに二項対立に持っていこうとする人たちは、本当に頭が悪いのか、単に煽りたいだけなので相手にしないようにしましょう


 そもそも、(1)と(2)に対する問いが「100% イエス!」だった場合、我が国の経済はとんでもない成長を遂げています。何しろ、日本銀行は12年9月から13年9月までの一年間で、70兆円近く増大したのです。具体的な数字を書いておきますと、12年9月末時点の国債・財融債・国庫短期証券は約105兆円、一年後は170兆円になります。


 この新たに発行された日本円65兆円が「100%」実体経済に向かった場合、日本経済は乗数効果を無視しても10%超の成長を遂げたはずです。などと書くと、またまた二項対立が大好きな人が、
「三橋は金融政策に効果がないと言っている!」
 などと、反対側の極論を持ち出してくるわけです。極論、二項対立をすぐに持ち出す人は、くれぐれも「相手をしない」でください。真摯に議論をする気がない人を相手にするほど、時間の無駄はありません


 ところで、マネタリーベースやマネーストックとコアコアCPIは、逆方向に動く時期もありますが(同じ時期もありますが)、MBでもMSでもない「ある指標」はコアコアCPIとかなり近い動きをしています。ある指標が何かといえば、ずばり名目GDPです


【日本の名目GDP(左軸、十億円)とコアコアCPIの推移】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_44.html#Meimoku


 要するに、名目GDPという需要が減れば、コアコアCPIも下がり、名目GDPという需要が増えれば、コアコアCPIが上がるのです。名目GDPとは、上記の(2)の「実体経済に向かったお金」を意味しています。

 デフレが総需要不足である以上、当たり前なのです。

 というわけで、デフレを解消したいならば「総需要不足」を解消すればいいわけです。すなわち、金融政策と財政政策のポリシーミックスです。

 消費税増税は、もちろん「総需要」を減らす政策なので、デフレ促進策です。というわけで、シラー教授が、
「首相は『消費税増税が景気回復の腰を折る心配はあるが、楽観している』と話していた。私にはその根拠が理解できなかった
 と語ったのは、当然なのです。何しろ、消費税増税の悪影響を防ぐための政策が「更なる金融緩和」という話なのですから、シラー教授が「?」と思って当たり前です。

 ちなみに、シラー教授は昨日の講演で、
市場は人々の心理に依存するためアベノミクスの成功がいつまでも続く保証はない。映画が大ヒットするかどうか100%確信を持てないのと同様だ」 
 とも語っています。


 現在の安倍政権のデフレ対策が、市場の人々の心理、あるいは「期待」に依存している部分が大きい以上、昨日も書いた通り、今後の安倍政権は(特に来月以降)、「こんなはずではなかった」というケースに相次いで遭遇することになると思います。その時点で「総需要を増やす」方向に大々的に舵を切りなおすことができるのか。一つの道標は、5月に作成予定の国土強靭化基本計画になります。


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