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『都知事選を振り返って(後編)③』三橋貴明 AJER2014.2.18(5)
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 現代ビジネスに週刊連載「三橋貴明の第二次所得倍増計画」第三回が掲載されました。

【第3回】第一章 アベノミクス「第三の矢」は所得格差を拡大する(前編)~強い日本の国力を取り戻すために「いい国民」をやめる!
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/38542


 チャンネル桜「報道ワイド日本ウィークエンド」に出演いたしました。(昨日まで「報道ワイドウィークエンド」だと思っていました。失礼いたしました)


【クリミア半島】民族自決のアイロニー、エネルギーが国家の命運を決する[桜H26/3/7]
http://youtu.be/p7D5plUZSMk
【明るい経済教室】所得上昇の明るい兆し[桜H26/3/7] ]
http://youtu.be/FfBE9TwVPLE
【規制改革】日本人が汗を流さずして、日本の再生は無い[桜H26/3/7]
http://youtu.be/Vj1DE6tWpgM


 さて、桜の番組でも語っていますが、今回のクリミア紛争について、日本国民は色々と学ぶべきだと思います


 すでに、クリミア自治共和国の議会は、ロシアへの「編入」を求める決議を採択しています。さらに、自治共和国の「地位」に関する住民投票を、今月の16日に実施することを決めました。クリミア半島最大tの都市であるセバストポリの市議会も、共和国議会の決議に追随しました。


 クリミア半島の住民の6割がロシア系で、9割がロシア語を話します。クリミアの独立とロシアへの編入は、「民主主義」により成立してしまう可能性が濃厚なのです。


クリミア議会、ロシア編入案を全会一致で可決=ロシア通信
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYEA2508520140306
 クリミア議会は6日、ロシアへの編入案を全会一致で可決した。ロシア通信(RIA)が伝えた。決定文書は「ロシア連邦に入る」ことで合意が成立したとしている。』


 報道によりますと、住民投票では、
1.ロシア連邦構成主体としての編入に賛成するか
2.ウクライナからの独立を定めた1992年の共和国憲法復活に賛成するか
 の二つが投票にかけられます。


 クリミア共和国議会の動きに対し、アメリカのオバマ大統領が「非難声明」を出しました。


オバマ大統領、クリミアの帰属めぐる住民投票を違法と非難
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304278504579423690867352028.html
 オバマ大統領は6日、ウクライナのクリミア自治共和国議会がロシアへの帰属を問う住民投票を実施することを決めたことは違法だと非難する一方、米国は欧州連合(EU)と結束してロシアのウクライナ介入に反対していくと述べた。
 オバマ大統領は声明で「ウクライナの将来に関するいかなる話し合いも、合法的な政府が参加しなければならない。国境が民主的指導者の頭越しに決められるという事態は2014年(現代)では考えられない」とした。(後略)』


 オバマ大統領の批判は何となくもっともらしく聞こえてしまいますが、「違法」云々を言い出すならば、
民主的に選ばれた大統領をデモと暴動で追放し、クーデターで権力を奪取した現『暫定政権』は違法ではないのか?
 という、突っ込みを入れたくなってしまうわけです。


 そもそも、ヤヌコビッチ大統領と野党側は、2月22日の時点で大統領選挙の前倒しや挙国一致政府の発足、大統領権限を制限する憲法改正について、EUの仲介で合意をしていたのです。それにも関わらず、同日にデモ隊が大統領府に突入し、ヤヌコビッチ大統領は逃亡しました。


 翌日23日、ウクライナの議会が「職務不履行」を理由に、ヤヌコビッチ大統領解任の決議をします。首都キエフを野党勢力が掌握した結果、現在の「暫定政権」が成立したわけです。

 別に、ヤヌコビッチ大統領を庇いたいわけでは全くありませんが、武装したデモ隊が大統領府に突入した時に、チリのクーデター(1973年)の際のサルバドール・アジェンデ大統領のように、銃撃戦の果てに「命を落とすべきだった」とでも言いたいのでしょうか。アジェンデ大統領も、民主的に選ばれた大統領(ただし、社会党・共産党という完璧に左派の大統領)だったにも関わらず、ピノチェトのクーデターで命を落としました。


 ピノチェトのクーデターを画策したのは、もちろんアメリカです。アジェンデ大統領がチリの企業や鉱山の国有化を進めたことが、アメリカの「グローバル資本」の権益と衝突したことが原因でといわれています。また、革命による権力奪取以外、不可能と思われていた共産主義者が、民主的な選挙により政権を「正当に」掌握したアジェンダ大統領のケースは、アメリカにとって極めて不都合だったのも事実です。(クーデターで政権を握ったピノチェトは、新古典派経済学に基づく改革を実施し、チリ経済を大混乱に陥れました)


 別に、共産主義を「正しい」などと言いたいわけでは全くありません。ちなみに、日本の共産党は「国家観」がなく、「安全保障」を無視するが故に、日本に存在する価値がない。と、わたくしは真剣に思っているわけでございます。(むしろ、分析能力「だけ」はある赤旗の方が、日本にとっては有益です)


 とはいえ、
「民主主義は善だ!」
「クーデターは悪だ!」
「共産主義は悪だ!」
 といった、ステレオタイプな見方で現実の世界は動いていない。誰もが自分の利益(もしくは「国益」)のため「のみ」で動ていている、というのが現実の世界なのですよ、残念ながら。と、言いたいだけです。


 今回の件でいえば、ウクライナ暫定政府もヤヌコビッチ大統領も、ロシアも、アメリカも、EUも、クリミア自治共和国も、それぞれが自分の「利益」を追求し、自らの行動を正当化するためのお題目を掲げているに過ぎないのです。アメリカは他国にちょっかいを出す際に、「民主主義」を錦の御旗に掲げることが多いです(というか、ほとんどそうです)。「独裁者を倒せ! ○○国に民主主義をもたらせ!」というのは、他国の主権を侵害する際のレトリックとして、説得力が(今の世界では)高いのです。


 ただ、それだけの理由で、アメリカは民主主義をお題目として掲げます。とはいえ、「民主主義」が最も優先順位が高いとなると、ウクライナの暫定政権に正当性は全くなく、クリミア自治共和国の独立は「正当」ということになってしまうわけです。


 しつこいですが、ロシアが正しいとか、クリミア自治共和国が正しいとか、暫定政権は正しいとか、EUとアメリカが正しいとか、そういうことを主張したいのではないのです。現実の世界は残酷で、民主主義により国民が多大な迷惑を被ることもあれば(代表が、ヒットラー政権の誕生)、クーデーターにより国家が安定するケースもある(タイなどは、これに該当するように思えます)。その上、各国は自国の国益のためにしか動かない


 日本国憲法の前文にある、
「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」
 などといったお花畑的な思考は、この残酷な世界では全く通用しないという現実を、日本国民はいい加減に理解しなければならないと確信しているわけです。


 世界は残酷です
 ならば、日本国として、日本国民としてどうするのか。センチメント(感傷)を排し、わたくしたち日本国民がリアルに考えなければならない時期が来たと思うのです。


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