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チャンネルAJER更新しました!

『2013年を振り返って2014年を考える(後編)③』三橋貴明 AJER2013.12.17(3)

http://youtu.be/5MLSAVnKaao

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1月18日 「2014年 日本はデフレ脱却し成長路線に回帰するのか?」( 日本橋人形町)

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 本日はチャンネル桜「闘論!倒論!討論!2013 年末スペシャル「国土強靭化が日本を救う」」の放映日です。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1587


 パネリスは、靑木泰樹(帝京大学短期大学教授)、柴山桂太(滋賀大学准教授)、福井照(衆議院議員)、藤井聡(京都大学大学院教授・内閣官房参与)、松原隆一郎(東京大学教授)、三橋貴明(経済評論家・中小企業診断士)、司会は水島総です(敬称略)。


 本日の討論では、国内マスコミが報道しない「国土強靭化基本法」や「国土強靭化基本計画」、「国土強靭化政策大綱」等について詳しく議論されています。(恐らく、日本初でしょう) 例えば、国土強靭化基本計画と「予算」の話など、わたくしが「一般人」として質問し、それに福井先生や藤井先生がお答えになるシーンがあり、具体的な国土強靭化についてより明確に理解できると思います。


 藤井先生が提唱され、その後、多くの政治家、官僚、学者の方々を巻き込み成立した「国土強靭化」は、現在の日本を(そして、恐らく世界をも)「正常な方向」に変える可能性を秘めています。何の話かと言えば、
国家(政府)と、市場のバランス
 を回復するための「転換点」になる可能性を秘めているのです。


 1980年以降、世界では「市場」側にバランスを傾ける新古典派経済学的な政策が広まり、各国で実際に推進されてきました。(我が国では中曽根政権に始まり、橋本政権以降に本格化)


 特に、金融市場の規制緩和は「バランスの市場側への傾斜」を激化させ、最終的には08年にリーマン・ショックを引き起こしました。さらには、国家の主権を削減する方向である貿易協定が推進されていっています。要するに、グローバリズムです。


 「市場」側にバランスが傾きすぎると、所得格差の拡大、金融バブルの醸成と崩壊、失業率の極端な悪化等が発生し、社会は不安定化します。とはいえ、地球規模的に「市場」を徘徊するグローバル資本家にとって、各国の「国民」の豊かさなど、どうでもいい話でしょう。と言いますか、失業率が高まり、名目賃金が落ち込めば落ち込むほど、「グローバル」を市場とする企業は利益を拡大することが可能で(人件費削減により)、それらの企業に投資しているグローバル資本家の所得が最大化されます。


 以前、アメリカの「刑務所の民営化」について書きました。刑務所を民間株式会社化し、「稼働率」で売上が決まり、グローバル資本家の良い投資先になっていると解説しました。


米国“民営刑務所”転換点 州政府が相次ぎ閉鎖決断 非効率運営、訴訟リスク回避で
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131224/amr13122416010005-n1.htm
 1980年代に米国で誕生した民営刑務所がここ数年、相次いで閉鎖されている。州政府が予算削減の切り札として民間企業に運営を委託してきたが、費用を効果的に削減できず、刑務所内の治安も悪化。その責任を問われ、州政府が訴訟に巻き込まれる例もあるためだ。司法機関の“天下り”先になっていることへの批判も強く、登場から30年が過ぎ、民営刑務所は大きな転換点を迎えている。
 米国では80年代以降に犯罪が多発し、厳罰を下す州が相次いだ。84年以降は受刑者の増加で、刑務所運営を民間委託する州が増え、これまでに30州以上で民営刑務所が設置されてきた。
 公立病院の運営経験を生かして参入した米最大の刑務所運営会社「コレクションズ・コーポレーション・オブ・アメリカ(CCA)」などの刑務所に収容される受刑者は、2008年に9万6千人にまで達した。
 しかしその後、東部ニューヨーク州や中西部ミシガン州、南部フロリダ、バージニアの両州などが民営刑務所の閉鎖を相次いで発表。司法関係者によると「『安く効率的な運営』をうたい文句にした民営刑務所だったが、必ずしも経費削減に結び付かなかったため」という。(中略)
 刑務所を運営する民間企業は「刑期を長くして利益を上げられるよう、政界へのロビー活動に奔走している」との批判を真っ向から否定するが、「民間企業は数百万ドルを投じて(PRなど)政治キャンペーンを展開しているのが実情」(司法関係者)だ。』


 結局、「利益拡大」が目的の民間企業、民間投資家に「公(おおやけ)」のビジネスを委ねたところで、歪みが拡大するだけの結果に終わるという話です。

 刑務所の稼働率が高まる(=犯罪者が増える)ことは、社会的には問題です。ところが、民間刑務所株式会社に投資している人々にとって、アメリカの受刑者数が増えれば増えるほど都合がいいわけです


「そんな、犯罪者が増えたら、アメリカに住む投資家たちも困るだろう」
 などと、舐めたことを考えてはいけません。アメリカのグローバル資本家は、日本のように「街中」に住んでいるわけではないのです。彼らは高所得者だけが入居できる、ゲーティッド・コミュニティ(壁の中)で安全に暮らしています。壁の「向こう側」で犯罪が増えていたとしても、それは単に彼らの「所得を増やす」ことに貢献するだけ、という話でございます。


 壁の外では、巨人ならぬ「99%」の人々が増加する犯罪に怯えながら暮らしているわけですが、壁の中の住民にとっては「別世界のお話」というわけでございます。


 まるで、帝国主義時代の「宗主国民」と「植民地人」のようですが、要するにそういうことです。


 かつての欧米植民地と違うのは、宗主国民と植民地人が「同じ国籍」という点です。すなわち、国家という共同体を共有しているのです。


 さて、大規模自然災害、環境破壊、そして「戦争」といった非常事態は、「壁の中」の住民にも、「壁の外」の住民にも、等しく分け隔てなく訪れます。無論、壁の中のグローバル資本家たちは、
「ウォール街が震災でダメになったなら、ロンドンのシティやシンガポールに移ればいいや」
 くらいにしか考えていないのかも知れませんが、それこそ「壁の外」の99%の国民はそういうわけにはいきません。


 「国民」の安全保障を強化は、極めて非効率です。「利益」を稼ぐことは、少なくとも短期的には困難でしょう。例えば、津波に備えた大堤防を造ったところで、短期的に利益が出ないのはもちろんのこと、「永遠に津波がやって来ない」ケースすらあるわけです。その場合、堤防建造は果たして「無駄」なのでしょうか。効率、非効率の話で言えば「無駄」ですが、それでも国民の安全を守るために必要な事業は、必要という話です。


 だからこそ、「非効率」を許容できる「国民の政府」がやるしかないわけですが、99%の「壁の外」の住民にしても、民主主義国においては選挙権を持っています。そして、彼らが「自分たちの安全保障」のために票を使うと、「壁の中」の人々の権益が侵されることになりがちです。


 というわけで、「壁の中」の人々は民主主義を歪めるため、政界へのロビー活動に精を出し、ときには「民間議員」として直接的に(一般人であるにも関わらず)政治に影響を与えようとするわけでございます。

 これが、現実の世界です。


 とはいえ、
非常事態は発生し得るし、安全保障は政府が強化するしかない
 上記の現実は誰も否定することができません。


 そして、多くの国民はグローバル資本家たちにように、「非常事態」の際に国を捨てることはできません。我々は、いかなる事態が発生しようとも、この日本国で生きていくしかないわけです。結果的に、「壁の中」と「壁の外」の国民との間で、利益の乖離が発生してしまうわけでございます。(注:当たり前ですが日本の話における「壁の中」「壁の外」とは、抽象的表現でございます)


 本年は大変、お世話になりました。来月告知される予定の都知事選では、また皆様のお力をお借りすることになりそうです(文句なしで支援できる方が、出馬される可能性が高いのです)。


 本エントリーは、明日の後編に続きます。明日は、6時から文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演いたします。
 来年も何卒、よろしくお願いいたします。


三橋貴明


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