三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba

株式会社三橋貴明事務所  講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッター  はこちら
人気ブログランキング に参加しています。

新世紀のビッグブラザーへ blog

人気ブログランキングへ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

チャンネルAJER更新しました!

NEW!『2013年を振り返って2014年を考える(後編)③』三橋貴明 AJER2013.12.17(3)

http://youtu.be/5MLSAVnKaao

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

1月18日 「2014年 日本はデフレ脱却し成長路線に回帰するのか?」( 日本橋人形町)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

三橋貴明の「新」日本経済新聞のフェイスブックのページができました!https://www.facebook.com/mitsuhashipress
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 


 三橋経済塾第三期の宣伝動画、第二弾がアップされました。今度のお相手は、古谷経衡氏でございます。

【三橋経済塾第三期(古谷経衡氏対談)1 】
http://youtu.be/ADYO3rvIPXA

NEW!【三橋経済塾第三期(古谷経衡氏対談)2】

http://youtu.be/WjDPHQvgTjM

 経済塾の詳細、お申し込みはこちら です。


 本日は19時30分からテレビ愛知「激論コロシアム」に出演いたします。
http://www.tv-aichi.co.jp/gekiron/


 さかき漣:著「顔のない独裁者 「自由革命」「新自由主義」との戦い [Kindle版]」 が発売になりました。http://www.amazon.co.jp/dp/B00H8LHYDU/


 さて、ポール・クルーグマン教授が12月16日のコラムで、
「Inequality remains critical issue. (不平等は重要な課題である)」
http://www.centredaily.com/2013/12/16/3944761/krugman-inequality-remains-critical.html
 と、書いていましたが、日本でも「雇用の質」が今後、問題になっていくのではないかなあ、と推測しています。


 日本の10月の完全失業率は、4%でした。前月と比べると横ばいですが、雇用形態別の雇用統計を見ると、気になる点が浮かび上がってきます


【日本の雇用形態別雇用者数(役員は除く)の推移(単位:万人)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_44.html#Koyou


 上図の通り、日本の雇用形態別の雇用者数(役員は除きます)の推移を見ると、正規雇用が横ばいな中、非正規雇用が明らかに増加していっています。すなわち、今のところアベノミクスによる雇用の改善は「非正規雇用の増加」が主流になっているのです。


 正規雇用と、非正規雇用は何が違うのでしょうか。今回は被雇用者側ではなく、企業側から考えてみたいと思います。

 企業にとって、社員を増やすことは人件費の増加になります。とはいえ、人件費というコストの「質」は、正規雇用と非正規雇用では異なります。
 正規雇用の場合、人件費は企業にとって固定費になります。すなわち、売上の変動と無関係に「必ずかかる費用」なのです。


 それに対し、非正規雇用は変動費です。変動費とは、売上の増減に応じて変動する費用を意味しています。すなわち、非正規雇用の場合、企業は人件費を「売上に応じて増やしたり、減らしたり」することが可能なのです。経営と言いますか、「財務会計的な経営」上、人件費の変動費化は確かに「楽」になるわけです。


 とはいえ、中長期的な「企業の供給力」を考えた場合は、果たしてどうなるでしょうか。

 技術だろうが、ノウハウだろうが、全ての「コンピタンス(能力)」は企業という組織ではなく、実際には「企業に属する人間」に蓄積されていきます。以前の日本企業は、社員を正規社員として雇用し、かつ終身雇用だったため、「企業=社員」として企業内にコアコンピタンス(中核的能力)を蓄積していきました。まさにこれこそが、日本企業の「強さ」だったと確信しています。


 バブル崩壊後、デフレ経済に突入し、企業は社員を「固定費」として雇い続けることができなくなりました。橋本政権、小泉政権と、派遣労働の解禁が進み、企業は社員を正規雇用から非正規雇用へと切り替えていきます


 当たり前ですが、非正規雇用の社員の会社に対するロイヤリティ(忠誠心)は高くなく、コンピタンスを蓄積することもないでしょう。「企業」とは実は「人材そのもの」であるはずなのです。そして、人材に育つのは、短期で会社を辞めてしまう非正規雇用の社員ではなく、正規雇用の社員です。


 というわけで、安倍政権の「雇用対策」は、失業率の改善と同時に「非正規雇用から正規雇用への切り替え」が中心であるべきだと考えるわけです。無論、現時点で強引に非正規雇用を正規雇用に切り替えると、下手をするとそれだけで赤字化してしまう企業が少なく無いため、まずはデフレ脱却。国内の名目GDPが堅調に拡大する環境を構築した上で、実施するべきですが。


派遣受け入れ期間、上限を事実上撤廃 厚労省案
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS12005_S3A211C1MM0000/
 厚生労働省は12日、労働者の派遣制度を見直す案を示した。企業が派遣社員を受け入れる期間の上限を事実上なくし、3年ごとの人の交代で、同じ業務をずっと派遣労働者に任せられるようにする。正社員の仕事が派遣社員に置き換わる可能性があるとして連合などは反発しているが、厚労省はこの案を軸に年内に結論を出す考えだ。
 制度の見直しによって企業は派遣労働者を活用しやすくなり、派遣労働者の選択肢も広がる見通しだ。原案は有識者の意見も踏まえ12日午前の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の労働力需給制度部会に示した。年明けの通常国会に労働者派遣法の改正案を出す。
 まず派遣期間に上限のない取引文書の作成やファイリングなど「専門26業務」の区分をなくす。現在は26業務以外の派遣労働者は最長3年で契約を打ち切られるが、26業務は例外で期間の制限がない。区分の廃止により何が26業務にあたるのか分かりづらかった問題を解決し、派遣労働者に仕事を任せやすくする。(後略)』


 いやいやいや・・・・。厚生労働省が派遣制度を見直すならば、
非正規雇用から正規雇用への切り替えの推進
 であるべきでしょう。何故に、これ以上、企業の「人件費の変動費化」を推進する派遣受け入れ期間延長(上限撤廃)なのでしょうか。企業が派遣社員を増やした場合、短期的には「利益拡大」に貢献するかも知れませんが、中長期的には企業のコアコンピタンスが脆弱化し、競争力、より具体的に書くと「供給能力」は落ちていきます


 無論、
「とりあえずは、失業率を下げることが大事だろう」
 という話は分かります。
 とはいえ、雇用の「量」のみではなく、同時に雇用の「質」も重視する政策を打ち出していかなければ、最終的な目標である「国民が豊かになる」こと、すなわち「経世済民」は達成できないのではないかと危惧するわけです。


「雇用の質も重視するべき」にご賛同下さる方は、

このリンクをクリックを!
新世紀のビッグブラザーへ blog

人気ブログランキングへ


◆さかき漣のページはこちら
三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba
◆本ブログへのリンクは↓以下のバナーをご利用ください。

新世紀のビッグブラザーへ blog

ポルパパのブログ

三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba

投資と車と日々の起業家日記 管理人:ポルパパさん

おじさんの談話室

三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba

経済通のおじさんと、女子高生真理ちゃんが織り成す、経済を解りやすく掘り下げた基礎講座

◇日本経済復活の会

三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba

積極財政による日本経済復活を目指して活動をしているボランティアグループです。


Klugにて「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」 連載中
新世紀のビッグブラザーへ ホームページ はこちらです。
新世紀のビッグブラザーへblog一覧 はこちらです。