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チャンネルAJER更新しました!

NEW!『経済学と思想(後編)③』三橋貴明 AJER2013.11.19(3)

http://youtu.be/sYiJ_f-q59s

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12月13日日本大復活 東京オリンピックと安倍政権、日本経済の行方 (大手町)

12月19日 「「“強い”日本経済は実現するか?」 --安倍政権誕生一年とこれからを検証する 」(御茶ノ水) 

NEW!1月18日 「2014年 日本はデフレ脱却し成長路線に回帰するのか?」( 日本橋人形町)

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 三橋経済塾第三期の宣伝動画、第二弾がアップされました。今度のお相手は、古谷経衡氏でございます。

【三橋経済塾第三期(古谷経衡氏対談)1 】
http://youtu.be/ADYO3rvIPXA

NEW!【三橋経済塾第三期(古谷経衡氏対談)2】

http://youtu.be/WjDPHQvgTjM


 昨日早朝、文化放送で各社の朝刊を見て笑ってしまったのですが、朝日新聞を除き、見出しが全て「TPP年内妥結断念」だったのでございます。


米ごり押し袋小路 TPP年内妥結断念
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013121102000118.html
 シンガポールで開かれていた環太平洋連携協定(TPP)交渉の閣僚会合は十日、日本が「聖域」として関税の維持を主張したコメをはじめとする農産物など複数の分野でまとまらず、目標とした年内妥結を見送り閉会した。交渉官による事務レベルの調整は続け、来年一月下旬に再度、閣僚会合を開いて妥結を目指す。ただ、日米などの主張の隔たりは大きく、交渉は長期化しそうだ。 
 米通商代表部(USTR)のフロマン代表は会合後、共同記者会見で代表して声明文を読み上げ、交渉について「実質的な進展」などこれまで通り抽象的な表現をし、前進をアピールした。食品の安全など交渉対象になっている二十一分野については一言も触れず、具体的な進展状況を伏せて、交渉が難航していることをうかがわせた。(後略)』


 昨日はチャンネル桜の「日本よ、今...「闘論!倒論!討論!」 」で、TPP討論だったのですが、自民党の参議院議員山田俊男先生がいらっしゃいまして、本当にTPP交渉の「中身」について自民党の国会議員は情報を開示してもらえないそうです。経済産業省の担当官僚に尋ねても、
機密保持契約があるためお答えできません
 と、返ってくるそうです。異常です(自民党議員の多くが「異常」と思っているとのこと)


 ところで、ウィキリークスがシンガポールにおける主席交渉官交渉の草案の一部を暴露したのですが、ステータスを見ると、「検討中」が最も多いのが我が国で、24項目。他の国は軒並み「検討中」が一桁(豪州とメキシコが10程度)でございまして、「最も今後の検討事項が多い国」が日本であることが分かります。(ウィキリークスのリークが本物ならば。実物は⇒文書版 http://big.assets.huffingtonpost.com/1294_001.pdf  及び表版 http://big.assets.huffingtonpost.com/1296_001.pdf  )


 正確なところはともあれ、TPP交渉に参加するのが最も遅かった日本が「検討中が最も多い」というのは、ある意味で当たり前です。すなわち、我が国の交渉者たちにとって、TPP交渉とは「長引かせなければならない」交渉のはずなのです。短期で決着がついてしまうと、日本は多数の「検討中」を抱えたまま国会批准プロセスに入ることになり、
「膨大な【検討中】を抱えた状況で、TPP批准か、否か?」
 を国会議員が迫られてしまうことになり、政治的に大変なことになります。


 WTOの交渉などでは、情報が交渉過程からオープンにされ、妥結前に国内で「すったもんだ」をやるわけです。国内でもめる、つまり「検討」した上で、妥協案を貿易交渉に持っていき、妥結を図る。もちろん、国内で検討された結果と、実際の貿易協定の間に乖離が生じる可能性はありますが、それにしても「互いの距離」が事前に分かっていれば、最終的には国内を(政治家が)収めることもできるわけです。


 ところが、TPPは秘密交渉で、中身が外に出てきません。これでは、事前の国内における「すったもんだ」あるいは根回しができず、国会批准プロセスに入ったところで国民に「国内で一切揉んでいない協定内容」が示されることになります。すなわち、事前の予想と現実の乖離が大きくなっている可能性が高いわけです(乖離が大きくならないなら、秘密交渉にする意味が分かりません)。


 我が国がTPPをまとめたいならば、交渉参加国の中で最も数が多い「検討中」を検討するためにも、あるいは国内で事前に「すったもんだ」をやり、乖離を小さくしておくためにも、妥結は先延ばしにした方が有利なはずです(ちなみに、わたくしは自民党の公約が守られない状況である以上、TPP離脱が正しいと思っています。上記はあくまで「まとめる気があるなら」という前提です)。

 ところが、なぜか安倍政権(というか、安倍総理)はアメリカと共に、「年内妥結」を繰り返し訴えていました。


 もしかしたら、年内妥結に向けてアメリカと共闘することで、我が国の「死活的利益」の確保にアメリカ側が譲歩してくれるという狙いがあったのかも知れません。ところが、現実にはアメリカ側が一切の譲歩をせず、日本に対しては「関税95%超の撤廃を」、マレーシアなどに対しては「国有企業の競争条件を民間企業と同一に」、さらに全ての国に対し「著作権はアメリカに合わせ、医薬品の特許期間も見直す(ジェネリック薬品投入を遅らせるため)」など、強硬姿勢を貫き、結局、妥結には至りませんでした。


 アメリカが強硬姿勢を貫かざるを得なかったのは、もちろん交渉担当者及び大統領にTPA(大統領貿易促進権限)が無く、少しでも妥協すると議会がさらに非協力的になってしまうためでしょう。とはいえ、このままアメリカ側が譲歩しない姿勢を貫くと、妥結しないまま中間選挙が近付くことになり、そうなるとさらに連邦議会は譲歩できなくなります。


 ところで、上記ウィキリークスの「文書版」の方に、「おいおい・・・」と思いたくなる一節を見つけましたので、ご紹介。


【Investment】
The most important issue for the majority of members is the proposal by US to apply ISDS to investment Agreement and Investment Authorisations.
The United States, as in previous rounds, has shown no flexibility on its proposal, being one of the most significant barriers to closing the chapter,
since under the concept of Investment Agreement nearly all significant contracts that that can be made between a State and a foreign investor are included.
It covers important concessions including mining, administrative or special operating contracts for hydrocarbon exploration, public works concessions (roads, highways, bridges, infrastructure, etc) and it would override the choice of forum provisions in these contracts.
Only the U.S. and Japan support the proposal, while the rest expressed their objections to the proposal and have tried to explore ideas to refine the concept and make some reservations about the choice of forum in contracts, but the U.S. has shown no signs of flexibility.


 以下、三橋の超訳です。(変なところがありましたら、修正しますのでコメントして下さい。)
【投資】
「交渉参加国の大多数にとって最も重要な問題は、投資協定や投資認可にISDSを適用するためのアメリカの提案である。
 アメリカは、前回の会合同様、提案に柔軟性を持たせず、国家と外国人投資家との間に交わすことができる、ほぼ全ての重要な契約を含んだ提案をしており、(投資の)チャプターを決着させる際の障壁の一つになっている。
 アメリカの提案は鉱業、行政、炭化水素資源開発のための特別な業務契約、(道路、高速道路、橋梁、インフラなど)の公共事業(におけるISDの適用)に関する重要な譲歩を含んでおり、これらの契約におけるフォーラムの規定の選択を上書きするものだ。
 アメリカと「日本のみ」が本提案を支持しており、残りの国々は提案に異議を表明し、コンセプトを洗練するためにアイデアを模索し、協定においてフォーラムの選択に関し幾つか留保しようとしたが、アメリカは柔軟性の兆候すら見せなかった。」


 え~っ!!! 自民党の決議として「TPP交渉参加の条件」の一つに、
国の主権を損なうようなISD条項は合意しない
 を上げておきながら、日本は何をやっているのでしょうか。


 ちなみに、ISDについて山田先生が甘利大臣に質問したところ、
「ISDの濫用を許さない形の案が検討されている」
 との返答だったとのことです。「濫用を許さない形の案」とは、もちろん中身は示さず、

「それは禁則j」

 ・・・・じゃなくて「機密保持契約があるためお答えできません」というわけでございます。
 
交渉内容を国会議員にすら公開しないTPP交渉は異常である!にご賛同下さる方は、

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