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チャンネルAJER更新しました!

NEW!『経済学と思想(後編)③』三橋貴明 AJER2013.11.19(3)

http://youtu.be/sYiJ_f-q59s

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12月13日日本大復活 東京オリンピックと安倍政権、日本経済の行方 (大手町)

12月19日 「「“強い”日本経済は実現するか?」 --安倍政権誕生一年とこれからを検証する 」(御茶ノ水) 

NEW!1月18日 「2014年 日本はデフレ脱却し成長路線に回帰するのか?」( 日本橋人形町)

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 本日深夜まで、「2014 年 世界連鎖破綻と日本経済に迫る危機 (一般書) 」発売を記念したAmazonキャンペーンを実施します。Amazonでお買い求め頂いた方には、以下の音声3ファイルをご提供致します。
http://www.maroon.dti.ne.jp/mitsuhashi2014/

 キャンペーンは本日の23:59までですので、ご注意ください。


 Facebookグループ「TPPって何?」様から、12月8日(日)に一緒に歩いてくれる人を募集します。との告知依頼を受けましたのでご紹介。
http://notpp.jp/1208hibiya.html

 お時間のある方、是非、ご参加くださいませ。


 12月14日「三橋経済塾・第三期」塾生の顔合わせのパーティを開催します!
 本パーティは「三橋経済塾・第三期生」向けで、ゲストは藤井聡先生、中野剛志先生、渡邉哲也先生、さかき漣先生、古谷経衡先生、さらに施光恒先生と、超豪華メンバーです。
 三橋経済塾に入塾された方に、パーティのお申し込み方法を記載したメールが送られます。
http://members.mitsuhashi-keizaijuku.jp/
 これを機に、是非、入塾をご検討下さいませ。


 本日は国立京都国際会館でシンポジウム 「グローバル資本主義を超えて(Beyond Global Capitalism)」 が開催されます。講演者はエマニュエル・トッド、ハジュン・チャン、藤井聡、中野剛志、柴山桂太という、もの凄いメンバーが集います。皆様、是非、お越しくださいませ。http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/bgc/

 シンポジウムの模様は,以下のサイトで生中継(ustream中継)されます。
 http://iwj.co.jp/
 シンポのustreamサイトは下記のようです。
 http://www.ustream.tv/channel/iwj-kyoto1
 ご参加頂けない方でご関心の方は、是非ご試聴下さい!


 上記シンポジウムに「スケジュールの都合」で参加がかなわなかった、アメリカのノーベル経済学者ジョセフ・スティグリッツ教授が、つい先日まで来日していました。スティグリッツ教授が11月27日に「日立イノベーションフォーラム2013」で、「経済の歪曲化」について語っていましたので、本日、取り上げます。


ノーベル経済学者スティグリッツ氏が語る、米国資本主義の失敗と日本が取り組むべき課題
http://www.sbbit.jp/article/cont1/27192?page=1
 2008年のリーマンショック以降、世界経済は大きく後退してしまった。株価はリーマンショック前の水準を回復しているものの、男性のフルタイムワーカーの所得は40年前よりも悪化し、平均資産は20年前とまったく同じ水準に陥っている。ノーベル経済学賞受賞者で、コロンビア大学 経済学部 教授のジョセフ・スティグリッツ氏は、「“富者が富めば貧者にも富が浸透する”というトリクルダウン経済はうまく機能しなかった」と評する。米国同様に金融緩和を進めるアベノミクスだが、本当に日本再生につながるのか。また日本が取り組むべき課題は何か。日立イノベーションフォーラム2013で、スティグリッツ氏が語った。(後略)』


 わたくしはブログや書籍などで、
「現在の日本の問題(財政均衡主義に縛られ、正しい経済政策を打てず、国民経済においてデフレと格差の拡大を招いている)は『世界の問題』でもある
 と、繰り返しています。スティグリッツ教授の講演要旨を読めば、わたくしが言っていることが別に大袈裟でも何でもないことが理解できると思います。


 長い記事なので、要旨だけ以下の通りまとめます。


・経済の歪曲化が発生ている。アメリカでは金融業界以外への若者就職が限定で気で、中間所得の平均所得は96年時よりも下がっており、平均資産は20年前と同じ水準


・高等教育の授業料が上がる反対側で、中間所得層以下の所得が下がっているため、アメリカが「チャンスのある国」というのは神話に過ぎないというのが現実。


・08年の危機以降に産み出された利益の95%を受け取ったのは、アメリカの上位1%層。ほとんどのアメリカ国民にとって、景気後退は終わっておらず、不平等感、不公平感が蔓延している。


・トリクルダウン経済は巧く機能しなかった。
スティグリッツ教授 「大きな富がトップに集中し、中間階層から最下層はますます悪い状況に立たされた。“富者が富めば貧者にも富が浸透する”というトリクルダウン経済はうまく機能しなかった。これで市場経済は、それ単独では効率的でもなく、安定したものでもないということがわかった


・中間層を構築することで持続的な経済成長を成し遂げるという発想が必要。そのために必要なのは「規制」。アメリカでは十分な規制がなかったため、多くの富が失われた。
スティグリッツ教授 「赤信号を守る必要があるように、どんな社会や経済においても、規制の重要性を理解しなければならない。一連のルールであり、それによってお互いがどのように協調し合うかを示してくれる。1人の人間の失敗が、別の多くの人々に打撃を与えないようにしなければならない」


・アメリカには十分な規制がなく、資源配分を間違え、不平等等の問題が生まれた。
「不平等が当たり前な状況は、企業が利益を独占あるいは寡占化するために行うロビー活動、いわゆる『レントシーキング』を誘発する。実際に多くの企業がリッチになり、独禁法に反対するような動きをしている。 」


・成長をサポートしながら、 平等もサポートすることが重要。成長と平等はトレードオフではない。

完全雇用は経済の再生に絶対に不可欠


・金融政策は手段の一つでしかないが、アメリカは依存しきっている。金融危機後の金融緩和による資金の多くは大手銀行に流れ、中堅中小企業には流れなかった。


・緊縮財政の結果は簡単に予測することが出来る。
スティグリッツ教授 「経済そのものが減速するということだ。実際に現在の公共部門の雇用は、景気後退の前と比べて50~60%も低くなっている。強制的に支出を下げようということで、政府機関は一部、閉鎖に追い込まれたが、これも経済に悪影響を及ぼす」
スティグリッツ教授 「アベノミクスでは、拡張型の金融政策が必要だということを認識している。また強力な財政政策が必要であり、そして規制緩和など構造上の強力な政策が必要であるということを認識している。世界の中でも、包括的な枠組みを持っている数少ない国だ」


・日本の問題は財政政策であり、構造上の政策
スティグリッツ教授 「構造改革を考える際は、どのような大きな問題が日本の前に立ちはだかっているのか、またどんな構造改革によって効率を改善し、国民の幸せを改善できるのかを真剣に考えなければならない


・医療分野などのサービス分野で、政府が積極的に関わっていくことが期待される。


・TPPは期待するほど役に立たず、悪い影響をおよぼすかも知れない。アメリカでもTPPの効果を疑問視している声が出てきている。
スティグリッツ教授 「(1986年から1995年に行われた貿易の自由化を進めようとした)ウルグアイ・ラウンドで米国は何もできなかった。その米国が今、TPPで農業の自由化を日本に迫るのは皮肉だとしか言いようがない。(ウルグアイ・ラウンドで農産物の自由化が進んだ結果)実は数十億ドルもの資金が、2万5000の裕福な農家に流入した。その一方で、サハラ砂漠以南やインドの人々に劣悪な労働環境を生んでしまった」
スティグリッツ教授 「TPPのすべてが明らかになっているわけではないが、医療や知財についても議論されており、イノベーションが失われる危険性もはらんでいる。また、TPPの一部明らかにされている内容によれば、参加国はタバコに関する規制を課すことができなくなる。そうなると、アヘン戦争のようなできごとの二の舞になりかねない。何よりTPPは交渉のプロセスが明らかにされていない。それはすなわち透明性が欠如しているということ。米国はNSA(アメリカ国家安全保障局)を通じて他の国々の動向を確認できたが、他の国々は米国が何を考えているのかを把握できていない。つまり、TPPは米国の、それも米国企業の利益に資するものになるということだ」


 トリクルダウン(が現実には発生しない)、規制緩和(による所得格差拡大)、レントシーキング、所得の不平等、中間層の疲弊、金融政策の限界、緊縮財政の害悪、正しい意味における構造改革(国民の幸せを改善できるか?)、TPPの弊害。これらは全てわたくしの新著「2014 年 世界連鎖破綻と日本経済に迫る危機 (一般書) 」のテーマでもあります。


 日本も「日本なりの経済の歪曲化」を抱えており、アメリカも「アメリカなりの経済の歪曲化」を抱えています。個人的には、最も「経済の歪曲化」が進んでしまっているのは、ユーロだと思います。

 世界の主要国は、新古典派経済学に基づく政策を推進し、各国がそれぞれの「経済の歪曲化」という問題を抱えてしまっており、この改善が求められている[過渡期」が現在なのです。


 一つ気になるのが、来年(2014年)の7月にアメリカはボルカールールという金融規制を実施する「予定」になっていることです。現在のアメリカは金融政策で供給されたドルが、実体経済(所得)ではなく、金融経済(株式など)に向かってしまっているという問題を抱えています。


 この状況でボルカールールを実施すると、それ自体が切っ掛けになり、株式市場におけるバブル崩壊を誘発してしまうのではないかという「恐れ」を覚えます。アメリカ当局がそう考えた場合、またもやボルカールールの施行が延期され(すでに一度、延期されました)、バブル崩壊を恐れた当局がさらに量的緩和を拡大し、実体経済がそれほど良くならない環境下において、ますます株価が上昇していくという「歪み」が進行してしまうように思えてなりません。


 上記の問題を解決するには、しつこいですが中央銀行が発行した通貨を、財政政策により実体経済の方向に振り向け、中間層を中心に「所得がある程度平等に拡大していく」環境を構築しなければなりません。ところが、現在は日本やユーロ圏のみならず、アメリカまでもが財政均衡主義というテーゼにより政策に縛りがかかっている状況です(来年2月には、またまた連邦政府の債務上限引き上げ問題が襲来します)。


 経済の歪曲化。この問題を最初に解決した国こそが、次なる世界経済の規範(ロールモデル)になるでしょう。
 そのためには、まずは政治家や国民が上記の問題について「正しく理解する」必要があると考えるわけです。


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