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さかき蓮:著「顔のない独裁者
」(三橋貴明:企画・監修、PHP研究所)が増刷になりました! ありがとうございます!
【顔のない独裁者】特設ページはこちら。(皆様の書評もまとめてあります)
http://rensakaki.jp/release/dokusaisya.html
チャンネル桜の経済討論に出演いたしました。
1/3【経済討論】米中経済の行方と日本[桜H25/11/23]
http://youtu.be/uy-BRCkt10s
2/3【経済討論】米中経済の行方と日本[桜H25/11/23]
http://youtu.be/emBLITUhqB8
3/3【経済討論】米中経済の行方と日本[桜H25/11/23]
http://youtu.be/REVCQ_-G2Zg
さて、昨日の続きです。
日本の国土強靭化、国民の安全保障強化を阻む三つの壁。(三つだけではないですが、代表的なものということで)
一つ目は、財務省を中心とする財政均衡主義。このテーゼは、国土強靭化関連の公共投資を妨害しているのはもちろんのこと、医療サービスの供給能力毀損、農地の荒廃、防衛力の縮小など、実に様々な分野に影響を及ぼしています。と言いますか、デフレの国が財政均衡を目指す限り総需要の不足が続きますので、物価下落と所得縮小の悪循環がどこまでも続き、日本国民は貧困化し、国家は発展途上国化していきます。
二つ目は、
「国民の安全を守るための国土計画や公共事業に対する、国民の意味不明な嫌悪意識」
です。無論、上記は「政府は常に財政を均衡させなければならない」という間違った認識がベースになっているわけですが、
「鹿しか通らない道路を造って・・・・」
「政治家と土建屋が結びついて・・・・」
などなど、マスコミの針小棒大戦術、「木を見せ、森を見せない戦術」が効果を発揮した結果、国民の認識が歪められていったという面もあります。
笑ってしまうのは、
「赤字の公共事業は、全てするべきではないっ!」
と、真顔でわたくしに仰った評論家がいたことです。基本的に、公共事業は全て赤字です。と言いますか、黒字になるならば民間がやるべきです。黒字の事業を政府がやるなど、それこそ民業圧迫もいいところです。
皆さんの家の前に敷かれている舗装道路は、100%赤字です。何しろ、建設費、メンテナンス費がかかるにも関わらず、皆さんは通行料を支払っていないのです。
事業単体では赤字になろうとも、その事業により国民の経済活動が活発になり、所得水準が上昇していくならばやるべきなのです。公共事業でインフラを整備することで、地域経済が活性化し、国民の所得が拡大すれば、当然ながら税収も増えます。税収が増えれば、政府は事業のコストを何十年もかけて長期的に、「地域的に」支払っていくことになります。だからこそ、建設国債の償還期限は60年と、長期に設定されているわけです。
この種の「公共事業の基本」を国民が忘れてしまった結果、わたくし達は自分たちの住む街の基盤を建設してくれる土木企業、建設企業に対する尊崇の念を失ってしまったわけです。とはいえ、「今」土木産業を批判する人達は、いざ震災などの被害に直面すると、臆面もなく、
「土木産業、助けろっ!(助けて下さいではなく)」
と叫ぶに決まっています。あるいは、
「政府はなぜ土木産業の供給能力毀損を放置していたんだっ! 日本は世界屈指の自然災害大国なんだぞっ!」
などと批判を繰り広げ始めるわけです。この種のおぞましい人種に対しては、堂々と、
「我が国は世界屈指の自然災害大国だ。だからこそ、土建国家復活を成し遂げなければ、国民の安全保障が脅かされる」
と、「今」から訴え、国民の認識を是正する必要があると考えているわけです。
さて、国土強靭化を阻む三つ目の壁は、ご存じ新古典派経済学に基づく市場原理主義です。
『公共事業への外国企業参入条件緩和へ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131122/k10013251151000.html
アメリカで行われているTPP=環太平洋パートナーシップ協定の首席交渉官会合で、参加12か国は、新興国などの公共事業への外国企業の参入条件を緩和する方針を確認し、対象となる事業の範囲を巡って、詰めの調整が行われることになりました。
アメリカのソルトレークシティーで行われているTPP=環太平洋パートナーシップ協定の首席交渉官会合は、「政府調達」の分野で公共事業に外国企業が参入する条件などを巡って議論が行われています。
そして、これまでに公共事業への外国企業の参入条件を緩和する方針を確認し、地方自治体の事業も含めるかどうかや、参入できる事業の規模など対象の範囲を巡って詰めの調整が行われることになりました。
東南アジアなどの新興国は自国の企業を保護するため、公共事業への外国企業の参入を規制しており、合意にこぎつければ、日本の企業が新興国で公共事業などを受注する機会が増える可能性があります。(後略)』
「土木企業、建設企業が外国企業によって供給されても構わない国」
というのも、まあ「相対的」な話ではありますが、存在するのでしょう。その種の国に日本がインフラを売り込むのは、特に反対しません。とはいえ、我が国は違います。
世界屈指の自然災害大国である我が国は、常に国民が「自然災害の脅威」と向き合って暮らしていかなければなりません。いつ、どこで発生するか分からない自然災害に備えるためには、各地に土木企業、建設企業が「健全な競争を伴い」存続してもらう必要があります。
ところが、我が国は89年の日米構造協議以降、公共事業等の政府調達に「市場原理主義」を持ち込み、指名競争入札を一般競争入札に変え、市場競争を激化させました。結果的に、体力のない地域の土建企業から倒れていき、同時に公共投資を96年比で半分にまで減らしてしまった結果、日本の建設企業数はピークの60万社(99年)からすでに13万社も減ってしまいました。
ここでさらに、TPPで地方自治体の公共事業についてまで「自由化」「市場原理」を拡大していくのでしょうか(具体的には、公共調達の仕様書の英語化範囲の拡大や手続きの簡素化だと思います)。それは果たして、我が国の安全保障に寄与するのか。
日本国民は今こそ「安全保障とは何か?」「公共投資の意義とは何か?」について、一人一人が考えなければならないと思います。さもなければ、国土強靭化基本法が国会を通過し、法律が成立したとしても、絵に描いた餅に終わってしまいかねないのです。
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