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NEW!『経済学と思想(前編)①』三橋貴明 AJER2013.11.12(3)

http://youtu.be/ZJKqLwPRs7A

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12月2日グローバル資本主義を超えて(Beyond Global Capitalism)」 (京都)

NEW!12月13日「日本大復活 東京オリンピックと安倍政権、日本経済の行方 」(大手町)

12月19日 「「“強い”日本経済は実現するか?」 --安倍政権誕生一年とこれからを検証する 」(御茶ノ水) 

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【顔のない独裁者】特設ページはこちら。
http://rensakaki.jp/release/dokusaisya.html
【顔のない独裁者】が100倍面白くなる座談会(三橋貴明、さかき漣、平松禎史、古谷経衡)特別音声プレゼントのページはこちら。
https://www.keieikagakupub.com/sp/SAKAKI/index.php


 昨日はテレビ大阪「たかじんnoマネー」の収録(23日、30日放映分)で大阪にいたわけですが、そのまま西に向かっています。(本日は講演)

 新幹線移動ばかりで、単行本執筆の合間を縫い、ようやく「顔のない独裁者 」(さかき漣:著、PHP研究所)をじっくりと読んでいます(おいっ!)。監修作業をしていた頃は、とにかくバタバタで、最初から最後まで読み通す時間もなかったのです。


 改めて読むと、前の三部作(コレキヨの恋文、真冬の向日葵、希臘から来たソフィア)と比べ、今回の「顔のない独裁者」は、ストーリーもキャラ設定が深く、本格的な「物語」になっていることが分かります。これが本当の小説なんでしょう。わたくしには書けません。ビジネス書と小説では、使う「脳」が違うように思えます。本企画をさかき漣に任せて、本当に良かったです(わたくしが書いた日には、無味乾燥かつ妙に論理的で、キャラクターが皆同じ感じになってしまったと思います)。


 さかきが主要キャラクターにトラウマを抱えさせた設定も、小説に深みが出ており、単なる社会小説の枠を超えることになったと思います。(というか、本作品はオンライン書店ではミステリー、SFに分類されているようですが)過去の共作四作品では、文句なしに小説としての完成度が一番高くなっています。ぜひ、ご一読を。


 さて、別に「顔のない独裁者 」系の話ばかりを書きたいわけではないのですが、現実のニュースが「それ系」の報道ばかりが目につくので、仕方がありません。現在の世界で、最も「顔のない独裁者 」に支配されてしまっているユーロ圏のお話。


イタリア14年予算案、EU財政ルール違反の恐れ=欧州委
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTJE9AE01T20131115?rpc=188
 欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会は15日、イタリアとフィンランドの2014年予算案について、EUの財政ルールに違反する恐れがあるとの見解を示した。
 フランスとスペイン、オランダについてはかろうじて同ルールを順守しているとした。
 欧州委がユーロ圏加盟国の予算案を、各国議会に提出される前に審査するのはこれが初めて。EUのルールは加盟国に、政府予算が均衡または黒字になるまで財政赤字を削減し、債務を低下させることを求めており、これを明確に違反している場合は修正を要求することができる。
 財政赤字をEUが上限とする対国内総生産(GDP)比3%内に抑えると同時に債務水準を低下させた低成長国に対しては、ルールの適用である程度の猶予が認められる。イタリアは欧州委に猶予を認めるよう求めたが、債務水準が上昇しているとして欧州委はこれを拒否した。(後略)』
 
 本来、金融政策や財政政策の自由は「国家の主権」の範疇であるはずです。国家の主権とは、要するに民主主義国の場合「有権者」である国民が選挙で選んだ政治家が、自国の為に政策を決定する、という話です。


 ちなみに、「国民主権」は民主主義国にはありますが、中華人民共和国には存在しません。中国にあるのは「共産党主権」のみであり、中国人民は政治的権利を持っていません。すなわち、人民(国民ではありません)は主権を持っていないのです。


 顔のあるビッグブラザー(中国共産党)に支配される中国人民に対し、EU加盟国の各「国民」には主権があるはずです。ところが、EU各国の国民は「欧州連合」という国際協定に縛られ、財政政策の主権を喪失しています(マーストリヒト条約により)。さらに、ユーロ加盟国は、金融政策の主権も欧州中央銀行に委譲しています。ユーロ加盟国の国民は、金融、財政の両主権を事実上、保持していません。


 そもそも、イタリアのレッテ首相は、今年の4月に、
緊縮による死を終わらせる。路線変更をしない限りヨーロッパそのものが『正当性の危機』に直面する」
 と宣言し、国民の喝采を浴びたわけです。ところが、フランスのオランド大統領同様に、結局は財政均衡主義のテーゼから逃れることができず、失業率上昇に苦しむ国民がデモ、暴動に走る事態になりました。


 レッテ政権は「苦肉の策」として、国内の公共投資を財政支出に含めない「投資条項」を活用し、
「実際には公共投資による雇用対策を実施するが、EUの投資条項が適用されるため、財政支出としては増えていない」
 と主張することで、 苦境を乗り切ろうとしました。


 ところが、EU側は「投資条項の適用を認めない」と結論を出したのです。理由は投資条項が政府債務の減少傾向が条件になっているためです。


 イタリアの経済財政相の試算によると、EUが投資条項の適用を認めてくれれば、2015年までに最大120億ユーロの公共投資により、雇用対策(普通の雇用対策)が実施できるはずでした。ところが、投資条項の適用が認められない場合、イタリアは公共投資を拡大するために、さらに30億ユーロの支出削減を迫られてしまいます。


 無論、イタリアがEUやユーロに加盟したこと自体は、イタリア国民の「主権」に基づいていました。問題は、バブル崩壊後に極端に失業率が上昇する事態になっても、EU側が財政均衡主義に固執し、「経世済民」を目的にした政策を認めようとしない点です。


 そうなると、普通に考えれば「EU脱退」あるいは「ユーロ離脱」が選択肢として浮上すると思うのですが、現在のところイギリスを除き、その種の動きは出ていません。まさに「呪縛」です。

 以前も書きましたが、財政均衡主義、構造改革主義といったテーゼから最も早く抜け出した国が、次の世界の規範となるでしょう。現状がどうであろうとも、わたくしは日本を「規範」とするべく言論活動を続けるつもりです。とりあえず、来週から自民党の政治家の皆様へのインプットが本格的に始まります。


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