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【リスク警報】アベノミクスと新自由主義とオバマケア[桜H25/11/15]
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テレビの収録と講演で、またもや西に向かって新幹線に乗っております。
『土砂災害20年で1.5倍 温暖化、大雨が頻発 伊豆大島の土石流から1カ月
http://www.asahi.com/articles/TKY201311150738.html?ref=nmail
全国の土砂災害の発生件数がこの20~30年で1・5倍に増えていることが、国土交通省のまとめでわかった。国交省が増加の主な原因とみるのは、地球温暖化が招く大雨の頻発だ。大雨の頻度は今後さらに増す恐れがあり、土砂災害への一層の警戒が必要になっている。(後略)』
国土交通省の調査によると、1984年から93年までの土砂災害は一年あたり約771回だったのに対し、04年から13年(5月)は1178回とのことです。土砂災害のうち、土石流の発生は一年あたり169回から249回に増えています。およそ、1.5倍になっているのです。
しかも、「雨」の方も以前とは様相が変わっていまして、気象庁の言う「経験のない大雨」が多発しています(大雨が多発するから、土砂災害が増えているのでしょうが)。過去十年間で「記録更新」となる雨量を経験したのは、観測地点である927地点中、何と600地点超。しかも、大島の災害を引き起こした台風26号は、同地で24時間雨量が824ミリと、それまでの記録を100ミリ以上も更新しました。
南海トラフ巨大地震や首都直下型地震はもちろんのこと、水害、土砂災害についても、我が国の国土は脆弱化しつつあるわけです。
すでに何度も書いていますが、橋本政権以降の公共投資の削減や公共事業の規制緩和(一般競争入札化)により、各地の土建業者が淘汰されました。99年時には60万社を数えた我が国の建設業許可業者数は、今や47万社にまで「淘汰」が進みました。しかも、生き残ったところもリストラクチャリングを繰り返し、企業としての供給能力が弱体化しています
そこに、東日本大震災が発生し、現在の建設サービス、土木サービスは、完全にインフレギャップ状態になってしまいました。日本全体では未だにデフレなのですが、土木サービスはインフレです。(他にも、砕石や生コン、さらには物流までもがインフレ状態に陥っています)
土建産業の労働力は、完全に「企業側の需要>労働者の供給」になっており、人件費が急騰しています。先日、仙台に伺ったときに確認したところ、以前(震災前)は一日15000円程度だった人工単価が、今や25000円とのことです。
人件費が上がり、しかも砕石や生コンといった資材も供給不足から価格が急騰しており、土建サービスのコストが膨らんでいます。それにも関わらず、公共事業の調達価格がなかなか上がらないため、誰も落札できない「応札不調」が増えているわけです。結果、東北の復興がなかなか進みません。
国土交通省は、一応、公共事業の基準価格の引き上げを決定し、自治体も追随していますが、追い付いていません。わたくしが全国を回り、各地の業者さんにインタビューして回ったところ、例えば、
「7千万円で受注しなければ、赤字になる公共事業の基準価格が、5千万円」
といった感じのようです。
すなわち、現在の日本の公共インフラ整備は、二つの問題を抱えていることになります。
「99年以降に企業淘汰が進み、人材が喪失し、業界全体で供給能力不足に陥っている」
「公共事業の基準価格が低すぎ、その割に土建業のコストは上昇しているため、応札不調にならざるを得ない」
上記の問題を解決するためには、どうしたらいいでしょうか。財務省は、
「土建業のパワーが不足しているならば、公共事業をやらない」
という路線に誘導しようと動いています。あるいは、
「土建業のパワーが不足しているならば、外国企業にやらせればいい」
と、主張する人もいるでしょう。
我が国は、世界屈指の自然災害大国です。自然災害は、いつ、どこで起きるのか誰も分かりません。そのため、各地に土建企業が「健全な競争を維持しつつ」存続してもらわなければ、国民の安全保障が脅かされます。
国民の安全保障を「外国企業」に委ねるなど、まさに「安全保障の基本」を理解していないとしか言いようがありません。(ついでに書くと、外国企業は日本の国土的条件(自然災害が多く、震災も発生する)を理解していません)
というわけで、現実的な解決策は、
「公共事業の基準価格を適正な水準に引き上げると同時に、政府が長期予算(できれば10年)をコミットする。土建企業の政府に対する信頼を取り戻し、各社の設備投資、人材投資を促す。さらに、土建産業の人材育成について官民連携して取り組む」
以外にないと考えているわけです。しかも、土建企業の供給能力を回復しつつ、政府が公的固定資本形成を拡大することで、経済全体もデフレ脱却の方向に向かいます。
結局のところ、国民経済の中心は供給能力です。お金ではないのです。デフレ期の日本国民(政治家、官僚含む)が「お金! お金!」「節約! 節約!」「削減! 削減!」とやり続けた結果、我が国は「国民の自然災害に対する安全保障」が失われようとしています。
一応、書いておきますが、自民党の国会議員たちの多くは上記の問題を理解しています。とはいえ、「このままではまずい」という国民的コンセンサスが無ければ、「予算節約!」「外国に頼め!」といった論調に抗うことは難しくなっていくでしょう。そうなると、我が国の国土はますます脆弱化していかざるを得ません。
ならば、どうするべきなのか。皆さんのご意見をお聞かせくださいませ。
本日のエントリーで「国民の自然災害に対する安全保障」について考えて下さった方は、
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積極財政による日本経済復活を目指して活動をしているボランティアグループです。
Klugにて「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」
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