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NEW!『デフレの原因(後編)③』三橋貴明 AJER2013.10.15(2)
http://youtu.be/g7jG7Oq_cwA

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11月11日 19時~ 町田青年会議所:主催「アベノミクス・TPP・増税・オリンピックでどうなる!?日本経済と地域経済」in町田市民フォーラムhttps://www.facebook.com/events/1422541867960133

12月2日 グローバル資本主義を超えて(Beyond Global Capitalism)」in 京都

http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/bgc/

12月19日 14時 清話会:主催「「“強い”日本経済は実現するか?」--安倍政権誕生一年とこれからを検証する in御茶ノ水 http://amba.to/1cHUMye

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 わたくしが企画と監修を担当した小説、「顔のない独裁者 「自由革命」「新自由主義」との戦い 」(さかき漣:著)の予約がスタートしました。(さかき漣は弊社所属の作家です。今回のわたくしは企画・監修のみで、ストーリーは全面的にさかき漣が担当しました。) 本書は以前、PHP研究所から出版した「新世紀のビッグブラザーへ 」の続編にあたります。世界観、主人公たちはそのまま引き継いでもらいました。

 

 う~・・・。富山日帰りの翌日、朝6時から文化放送出演はきついです・・・。
 
 TPPの東京交渉が開催されています。


 NHKの報道によりますと、知的財産分野において、アメリカが「医薬品の特許期間」の延長を求めており、新興国が反発しています。要するに、アメリカ側は(というか、アメリカの製薬会社側は)医薬品の特許を延長し、ジェネリック医薬品(後発医薬品)の投入を遅らせたいわけです。TPP交渉参加国は国民所得の開きが大きいため、この溝はそう簡単には埋まらないでしょう。


 また、政府調達の中身が明らかになりつつあります。公共事業は基本的にはGPA(WTOの政府調達協定)に沿ったものとなるとのことで、日本にとってはデメリットはそれほど大きくならない可能性があります(あくまで、報道が正しければ)。もちろん、公共事業以外にも「政府調達」はあり、懸念が消えたわけではないのですが。


大詰めTPP:公共事業の門戸開放 懸念なし、攻める日本
http://mainichi.jp/select/news/20131029ddm008020124000c.html
 公共事業に対する外国企業への門戸開放を話し合う「政府調達」は、インドネシア・バリ島で今月開かれた環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉会合で「進展している分野」に挙げられた。
 政府調達は、公共事業を発注する際、自国企業と外国企業を差別しない「内外無差別原則」や入札手続き透明化のルール作りを目指す。世界的には、1996年に内外無差別などを定めた世界貿易機関(WTO)の「政府調達協定(GPA)」が発効しており、TPP交渉参加12カ国のうち、日本と米国、カナダ、シンガポールの4カ国が加盟している。国ごとに開放条件は異なるが、日本の場合、国と都道府県、政令指定都市の一定額以上の公共事業を既に外国企業に開放。国の場合、6億9000万円以上の公共事業について、海外企業の応札を認めている。
 日本国内では一時、市町村などから「TPPの合意内容が、GPAより踏み込んだものになれば、地場の建設業者の仕事が奪われる」との不安の声が上がっていた。しかし、政府関係者によると、TPP交渉では「GPA加盟国が、非加盟の8カ国に対し、GPA並みの基準を採用するよう求めている」という。日本にとっての懸念はほぼなく、交渉戦術上、「攻め」の分野となっている。
 一方、ベトナムやマレーシアは国内企業保護のため、これまで公共事業への外資参入を一切認めておらず、開放への抵抗感は依然強い。マレーシアのナジブ首相はTPP交渉中のバリで7日、政府調達も念頭に「いくつかの分野に非常に大きな懸念を持っている」と語った。知的財産権分野などで強硬姿勢を際立たせるマレーシアだけに、妥結までには曲折もありそうだ。』


 例えば、マレーシアは国内の建設サービスについて外資規制を実施しています。外資比率30%超の企業は「外資系」と見做され、政府調達工事への参加はできません。


 マレーシアが建設サービスについて外資規制をかけている理由は何でしょうか。マレーシアは、
あらゆる職種やレベルにおいてマレーシア人が訓練され、雇用されるようにする
 という政府方針を持っており、何と言うかどこかの島国とは違い、「国家」「国民」「安全保障」を政府が明確に意識していることが分かります。自分たちの国の需要は、まずは自分たちで満たすことが基本方針になっているわけです。
 
 ところで、マレーシアは建設業であっても、「単純労働者」の外国人雇用は認めています。となると、日本の建設サービスの供給能力が低いことを受け、
「ならば、日本の建設サービスも外国人に供給してもらえばいいではないか」
 という話になりそうなものですが、事はそう単純ではありません。マレーシアも「単純労働者」しか認めていないのがポイントです。


 単純労働者とは、「特別な技能や経験を必要としない、誰でもできる簡単な仕事をする労働者」という意味です。とはいえ、現実には建設現場において単純労働者の需要がそれほどあるわけではありません。理由は、全ての建設は(公共インフラの建設を含む)オーダーメイドであるためです。


 例えば、鉄筋工事の現場で働かれる鉄筋工の方々は、何となく「単純労働」に見えてしまうかもしれませんが、実際には専門職です。現実には鉄筋を結束するためには、複雑な工程があり、熟練すればするほど「良い仕事」ができます。つまり、「誰でもできる仕事」ではありません。

 また、鉄筋工には「資格」があります(民間資格ですが)。鉄筋工に限らず、日本の建設関連の資格は大量にあり、全部覚えている人はいないでしょう。


 要するに、鉄筋工は決して単純労働ではありません。しかも、現在は公共投資削減のあおりを受け、人数が減り続けています。建設不況が長引いた(20年以上続いています)ため、競争が激化する中、企業が労務単価のダンピングに走り、鉄筋工の給与が下がり続けてしまったのです。結果、異業種に転職したり、あるいは仕事を辞めて生活保護を受ける人まで出てくる始末です。


 このまま鉄筋工が減少してしまうと、我が国はビルやマンション、橋梁、トンネル、高速道路など、コンクリート構造物が建設できなくなるでしょう。鉄筋工に限らず、建設の現場で働かれている方々の多くは「専門職」「技能職」なのです。


 また、工事現場の交通誘導員の方は、単純労働といえば単純労働ですが、「日本語のコミュニケーション能力」が必須です。外国人を連れてきて、ひょいっ! と配置するわけにはいかないのです。


 要するに、現実の建設の現場では、日本語の高いコミュニケーション能力が必須で、そもそも働いている方の多くが専門職、技能職という話です。現場の方々の話を聞くと、
「外国人を連れてきても、ほとんど役に立たない」
 とのことです。繰り返しますが、全ての建設はオーダーメイドです。仕様は毎回異なり、さらにその地域の自然環境等により、工法も変わってきます。その点が、大量生産型の製造業とは違います。


 仕様が違うと云えば、「国家」の国土的条件、気候、風土等も違います。その地に「適切な建築物」を建設するには、「その地の条件」を理解していなければなりません。この種のノウハウは、一朝一夕に身につくものではないのです。ノウハウを身につけるには「経験の蓄積」が必要であり、さらに熟練工のノウハウが若い世代に継承されなければ、将来的にとんでもないことになります。


 日本は今、将来的に「とんでもないこと」になる一歩手前まできています。何しろ、民間・公共を含めた建設投資がピークの80兆円から40兆円にまで縮小し、鉄筋工の方々のみならず、多くの熟練工が市場から退出してしまいました。退出された方々が戻られない限り、この方々が長年の仕事で蓄積したノウハウは「消滅する」という話になってしまうわけです。


 別に、
「日本はマレーシアのように、建設サービスについて外国企業、外国人を締め出せ!」
 などと言いたいわけではありません。

 現実の建設現場では、「日本人労働者が足りないなら、外国人を連れてくればいい」といった単純な解決策は不適当、と言いたいだけです。


 日本から鉄筋工が消え失せると、
「外国企業が、日本に外国人労働者を連れてきて、大型の橋梁や高層ビルを建設する」
 という事態を招きます。自国の人材で橋やビルを建てられない国のことを、発展途上国と呼ぶわけです。少なくともマレーシアは、問題の本質を理解しているからこそ、「マレーシア人による建設を」という姿勢を取っているのだと思います。


 さらに、日本は世界屈指の自然災害大国です。日本の建設企業ほど「耐震化技術」に秀でた企業は、外国には存在しないでしょう。


 震災大国日本において、現在の需要膨張に対応するのはもちろん、将来的にも我が国の建設サービスを高品質で維持するにはどうしたらいいのか。今、日本国民が真剣に考えなければ、手遅れになります。そして、答えは「TPPに参加し、外国企業に供給してもらえばいい」といった単純な解にはならないということでございます。


 我が国の建設サービスを維持、向上させるのは、どうするべきなのか。試行錯誤と失敗を繰り返し、国民一人一人が頭をめぐらさなければならないのです。過去の日本人がそうしてきたように


本日のエントリーで少しでも「どうするべきか?」について考えて下さった方は、

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