オバマケア

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NEW!『デフレの原因(後編)③』三橋貴明 AJER2013.10.15(2)
http://youtu.be/g7jG7Oq_cwA

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12月2日 グローバル資本主義を超えて(Beyond Global Capitalism)」in 京都

http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/bgc/

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本日 13時半~ 文京区シビックセンターで【シンポジウム】「日本企業、台湾企業の在中経済犯罪被害報告会 中国民事訴訟法231条、国防動員法の危険性を訴えるhttp://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11613422415.html

 文化放送の「おはよう寺ちゃん活動中」で、繰り返し、「プロレスです」と言い続けた通り、アメリカの債務上限案引き上げ騒動が終わりました。今回も例年のごとく、与党と野党が、
「行けるところまで、行くぞ、こらっ!」
 と、ブラフを掛け合い、最後には野党側が妥協しました。


 共和党にしても、アメリカを先進国として80年ぶりのデフォルト(債務不履行)に追い込んだ責任者にされるのは、真っ平御免でしょう。ちなみに、前回の先進国のデフォルトは、1933年のドイツ、ヒットラー政権発足時です。(ギリシャは? とか思われた方がいるかも知れませんが、わたくしは「OECD諸国=先進国」とは全く思っていません。だって、韓国とか入っているんですよ、OECDには・・・)
 
オバマ米大統領が債務上限案に署名、デフォルト回避
http://www.newsweekjapan.jp/headlines/business/2013/10/112026.php
 オバマ米大統領は17日未明、債務上限の短期的な引き上げと政府機関の閉鎖解除に向けた法案に署名、同法が正式に成立した。
 世界経済に甚大な影響を及ぼすと懸念されていた米国のデフォルト(債務不履行)は土壇場で回避された。
 行政管理予算局(OMB)のバーウェル局長は、連邦政府職員が17日午前から勤務を再開するとの見通しを示した。
 議会では16日、上院に続き下院も同法案を可決。共和党は医療保険制度改革法(オバマケア)修正と結びつけた抵抗を断念した。
 ただ法案可決は暫定措置にすぎず、根本的な問題解決ではない。
 今回の同法成立により、政府資金は来年1月15日まで手当てされ、連邦債務の上限は2月7日まで引き上げられるが、年明け早々に再び政府機関閉鎖の危機に直面する可能性がある。(後略)』


 さて、今回、アメリカ政府をデフォルトギリギリにまで追い込んでまで、共和党が阻止したかったオバマケアですが、実はこれ、「国民皆保険」という話では必ずしもありません。と言いますか、日本人が想像している国民皆保険とは、まるで制度が違うものです。


 日本の健康保険は、基本的には全国民が保険料を支払い、病院を選ばずに治療を受け、患者側は医療費の三割のみを負担する制度です。残り七割を誰が負担しているかと言えば、もちろん政府です。GDPで言えば、「政府最終消費支出」の「保健」が政府による医療費の負担分です。対GDP比で言えば、09年は公的医療支出が6.9%、民間医療支出が1.6%でした。


 しかも、何度も書いていますが、日本の医療サービスの「品質」は、WHOの健康達成度評価によると「1位」でございます。もちろん、問題がない、などということは有り得ませんが、我が国の国民は世界最高峰の医療サービスを、比較的「個人負担」が少ない形で享受しているのです。


【図 2009年 主要国の公的医療支出・民間医療支出(対GDP比)】
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http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_44.html#Iryo


 図を見れば一目瞭然ですが、アメリカの医療支出の対GDP比は「異常に高い」です。しかも、公的医療支出は半分に達していませんので、民間は対GDP比9%超の医療費を自己負担していることになります。日本の人口やGDPで計算してみると、ざっと「一人当たり年間35万円」の医療支出ということになります。(家計ではなく「一人当たり」なのでご注意ください)


 医療費が高ければ、当然ながら民間企業が提供する医療保険サービスも高額化します。しかも、医療保険会社は「妊婦は入れない」だとか「持病を抱えている人はお断り」だとか、ふざけた条件を付けてきます。この辺の異様な条件は、2010年に医療保険改革法が成立し、随分と改善されましたが。


 とはいえ、先進国でありながら、5000万人近い無保険者がいるというのがアメリカの現実で、医療保険改革法成立により、アメリカ政府が「アフォーダブル・ケア・アクト」という一種の皆保険的制度を開始することになりました。(これがオバマケア)


 なぜ「一種の皆保険的制度」と書いたかといえば、オバマケアは「政府が国民全員に医療保険を提供します」という形ではないためです。というか、現在のアメリカのように民間医療保険会社という業態が拡大した国では、政府の医療保険提供は政治的に通らないでしょう。もちろん、アメリカには政府が貧困層、高齢者層に向けて提供しているメディケア、メディケイドは有りますが、新たな一般の保険提供は無理だと思います。


 オバマケアは、実際には政府がオンラインの医療保険取引所で「民間の医療保険」を国民に売る、という話でございます。政府は無保険者が医療保険取引所で保険を買った際に、税控除という形で費用を一部負担してくれます。(但し、税控除を受けることができるのは、収入が連邦政府の定める「貧困レベル」と、その4倍の収入以下の人々のみです)


 何だかよく分からないかも知れませんが、アメリカの医療サービスは現状がすでにわけがわからない状況になっている以上、仕方がありません。ぶっちゃけた言い方をすると、アメリカは医療サービスの費用が高すぎるのです。医療費が高すぎるからこそ、医療保険も高額になり、さらに「国民皆保険」も不可能になっています。無保険者に「政府が保険サービスを提供します」とやると、民間医療保険会社の反発もさることながら、財政的にとんでもない負担になってしまうでしょう。


 と言いますか、アメリカ議会の予算局は、オバマケアにより新たな政府支出が今後十年間で9400億ドル(94兆円)増えると試算しています。制度的に財政均衡主義を導入し、債務上限引き上げで毎回大揉めに揉めるアメリカが、十年間の年平均10兆円近くの財政負担ができるのかどうか、なかなか大変です。


 それ以前に、問題の根っこを追求していくと、アメリカの医療サービスが「自由化」されてしまい、医療費が高騰し(自由化すると、サービス料金が下がるはずだったのでは・・・・???)、国民の「医療安全保障」が脅かされていることに行き着くことが分かります。医療とは、国民のライフラインの一つです。そこに「自由化」の考え方を持ち込んだことが、そもそも現在のアメリカの医療問題の根底にあるわけです。


 アメリカの医療サービスや医療保険サービスは、すでに強大な政治力を持っています。信じがたいでしょうが、アメリカの医療産業は3100人以上のロビイストを抱えていると言われています。


 アメリカ国民の「医療安全保障」が強化されることは、今後、数十年はないと思います。とはいえ、アメリカは伝統的に「個人主義」「自分のことは、自分で」と考えることが「保守的」とされる国でございます。「医療サービスは、自己責任で、別に構わない」という人も少なくないのでしょう(だからこそ、ティーパーティがオバマケアに猛反発しているわけです)。

 そして、我が国はアメリカとは違います
「医療のことは、自己責任で構わない」
 という人もいることはいるでしょうが、アメリカよりは圧倒的に少ないはずです。

 要するに、我が国は文化・伝統・歴史的に「医療安全保障」に対する考え方がアメリカとは違うのです。それにも関わらず、医療サービスに関して「アメリカでは~」などと、日本に混合診療解禁などの「改革」を迫る人たちが少なくありません。正直、彼らはTPPや並行協議で日本に対し「非関税障壁の撤廃」を要求しているグローバル企業の尖兵たちと連携しているように見えてしまいます。


 実際には、現在の日本にとって、アメリカの医療サービスは「こうなってはいけない」という反面教師に過ぎないと考えるわけですが、いかがでしょうか。


「アメリカの医療サービスは反面教師」にご賛同頂ける方は、このリンクをクリックを!
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