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最近、朝日新聞以上に「国土強靭化」批判、「公共投資」批判が激しい毎日新聞が、またやってくれました。
『社説:国土強靱化法案 ばらまきの印籠は困る
http://mainichi.jp/opinion/news/20131007k0000m070090000c.html
あたかも水戸黄門の印籠(いんろう)のように、ばらまきにお墨付きを与える根拠としてはならない。
大規模災害などに備えるための国土強靱(きょうじん)化基本法案の次期国会での動向が注目されている。国土強靱化の名の下に野放図な公共事業に道を開く懸念や、他の政策よりも公共事業が優先される可能性など、法案は多くの問題点を抱えている。
「国土強靱化」は東日本大震災の教訓を踏まえ、自民党が今後10年間の防災のハード整備に加え、道路網整備などによる「多軸型国土の形成と物流ネットワークの複線化」実現に向け、掲げる理念だ。
同法案はこうした「国土の全域にわたる強靱な国づくり」を支える仕組みを制度化する。自民党は野党時代にいったん法案を提出したが廃案となり、さきの通常国会で名称に「防災・減災等に資する」と付け加え、内容も改めた新たな法案を公明党と共同提案した。
旧法案が「ばらまき」批判を浴びたこともあり、今の法案は大規模災害対策に限定的ともとれる構成とし、既にあるインフラ施設の活用を盛り込むなど配慮もみられる。大震災の教訓を踏まえ全国的な防災の再点検は当然だが、なお多くの疑問を指摘せざるを得ない。
まず「国土強靱化」が何を意味するかが依然としてはっきりしない点だ。法案によると、政府は防災に関する課題を洗い出し、基本計画を策定する。どんな分野が対象かが明確でないと、かなり広範な政策が含まれる可能性がある。
中央集権的な要素もある。法案では地方自治体も施策を策定、実施する責務を負い、国民もまた国土強靱化に関する施策に「協力するよう努めなければならない」とされている。統制強化につながりはしないか。
政府の他の計画も国土強靱化に関する部分は「国土強靱化基本計画を基本とする」とされ、国土強靱化が優位に立つ。財政再建、福祉、環境保全よりも公共事業が優先し、幅を利かせる根拠とならないだろうか。
全国的な防災を実施するにあたって道路整備や堤防、防潮堤などのハードの新設を積極化するか、それとも既存設備の老朽化対策、耐震対策を優先していくかなどの議論は十分に尽くされていない。法案では政府の強靱化推進副本部長に国土交通相らが名を連ねる。「女性、高齢者、子ども、障害者等の視点を重視」とあるが、ソフト面の防災への意欲はあまり感じられない。
安倍内閣の発足以来、公共事業への積極路線が取られ、消費増税決定に伴う大型景気対策で分捕り合戦の加速が懸念されている。国会で法案の中身を徹底吟味すべきだ。』
凄い・・・。これだけ長い文章でありながら、数字が「10年間」しかなく、他は全て「印象操作」のフレーズばかり。
「ばらまきの印籠は困る」<ばらまき、の定義は何?
「野放図な公共事業に道を開く懸念」<野放図な公共事業って、具体的に何?
「中央集権的な要素」<中央政府が「国家全体」のために強靭化事業の音頭を取らずに、一体、誰が取るの?
「統制強化」<具体的に何のこと?
「議論は十分に尽くされていない」<すでに二年以上も議論をしていますが・・・。
「法案では政府の強靱化推進副本部長に国土交通相らが名を連ねる」<これの何が問題なのでしょうか?
「ソフト面の防災への意欲はあまり感じられない」<「あまり感じられない」とは、具体的にどのくらい感じられないの?
「消費増税決定に伴う大型景気対策で分捕り合戦の加速」<加速って、具体的に何Gくらい?
結局、問題解決に際し「事実」「数値」「データ」を用いず、印象的なフレーズを並べ立てて世論操作を図り続けてきた毎日新聞が、相変わらず同じことをやっているという話なのですが、本社説については藤井聡先生から反論のご投稿を頂きましたので、掲載させて頂きます。
『毎日新聞社説「国土強靭化法案 ばらまきの印籠は困る」に対する抗議文 京都大学大学院教授 藤井聡
毎日新聞の2013年10月07日号に、「国土強靱化法案 ばらまきの印籠は困る」と題した、以下の様な社説が掲載された。
「社説:国土強靱化法案 ばらまきの印籠は困る 毎日新聞 2013年10月07日 02時31分」
言うまでも無く政府が進める「国土強靱化」の取り組みについては、様々な国民的議論を重ね、多様な意見を尊重しつつ、限られた時間と資源の中で可能な限り効率的に、国民の生命と財産を守るためのソフト、ハードを含めた多様な諸事業を推進していく事が不可欠である事は論を俟たない。
しかしながら、今回のこの毎日新聞の社説には、批判対称としている国土強靭化基本法の基本的な考え方と極めて大きく乖離した記述が様々に散見されるものである。毎日新聞は約350万部の購読部数を誇る国内有数の巨大メディアであることから、こうした事実と乖離した記述が掲載されることは、極めて遺憾である。なぜなら、世論が事実と乖離した記述に基づく社説によって歪められれば、適正な行政展開が阻害され、その結果、国民の生命と財産が大きく毀損してしまうと同事に、国家的危機を回避することが不能となる可能性が危惧されるからである。
第一に、本社説では、国土強靱化の基本法が「ばらまき」を導くものであるという印象を付与しているが、これは著しい事実誤認である。
そもそも「ばらまき」という言葉は、「公園で鳩に餌をまく」様に、明確な目的もなく、資源を無作為に配分するという様子を意味する。しかし、国土強靱化は、国民の生命と財産と安寧を「守る」という明確な意図をもって行われるものであり、かつ、その施策は基本計画を立案した上で実施される。したがって、国土強靱化の各種取り組みが「明確な目的がなく、資源を無作為に配分する」という「ばらまき」となることは、本基本法の理念上あり得ないのである。
同様に、「野放図な公共事業に道を開く懸念」が論じられているが、上述の様に基本計画を策定する以上「野放図」な事業展開は不可能であることは言うまでもない。
第二に、「国土強靱化が何を意味するかが依然としてはっきりしない」と記述されているが、基本法には、「大規模災害等からの国民の生命、身体及び財産の保護並びに大規模災害等の国民生活及び国民経済に及ぼす影響の最小化」を図る取り組みである旨が明記されており「国土強靱化が何を意味するかがはっきりしない」という指摘は全く妥当しない。
なお、それに続いて「かなり広範な政策が含まれる可能性がある」と指摘しているが、この指摘は正しい。なぜなら、大規模災害等から国民の生命、財産等を守るためには、かなり広汎な政策が求められることは必然だからである。
ところが(第三に)社説後半にて「ソフト面の防災への意欲はあまり感じられない」と論じているが、これは大いに事実と乖離するものである。そもそも基本法案に明記されている通り、国土強靱化推進本部は「全ての国務大臣」を本部員とするものであり、かつ、国土強靱化は「国民生活および国民経済に及ぼす影響の最小化に関連する分野」全てにおいて推進するものなのである。したがって、ソフト的取り組みが不当に過小評価されるなぞということは、本基本法の理念からして、あり得ない指摘なのである。
第四に、「政府の他の計画も国土強靱化に関する部分は『国土強靱化基本計画を基本とする』とされ、国土強靱化が優位に立つ。財政再建、福祉、環境保全よりも公共事業が優先し、幅を利かせる根拠とならないだろうか」という「危惧」が表明されている。しかし、この危惧は「極めて不当な危惧」にしか過ぎない。
そもそも、国土強靱化の取り組みは公共事業だけで構成されるものではない。が、仮にそれをさておくとしても、大規模災害等によって国家が深刻な事態に陥る危機を回避するために何らかの公共事業が求められることがあるとするなら、その公共事業を採択することこそが国益上必要となり得る可能性は当然ながらあり得ることとなろう。そして何より、脆弱性評価を行う事を前提とすることが明記されている本基本法は、まさにそうした「深刻な事態」を想定しつつ、それを回避するための事業を採択せんとするものに他ならない。そして、こうした過程を経た事業採択は、本社説が「幅をきかせる」という言葉で表現遷都した内容とは、著しく乖離するものであることは論をまたない。
しかも、「幅をきかせる」という表現は、「どこかの町の乱暴者が不当な暴力でもってをその勢力を保持し続けている様」等を表現する言葉である以上は、さながら国土強靱化が「町の乱暴者」の様な不条理な勢力拡大をもたらすものである、との印象を与える著しく不当な表現であると言わざるを得ない。
第五に、国家レベルの危機に対応するための国家危機管理のための各種の取り組みを地方政府や国民の協力を要請しつつ推進する事を指して「統制強化」と呼称し批判的に論じている。この指摘はさながら、国土強靱化が、中央政府が国家権力を用いて「不当かつ過剰な統制」を強いるかの様な印象を与える表現である以上、これもまた、著しく本基本法の理念に乖離する指摘であると言わざるを得ない。
そもそも中央政府の取り組みは、基本的に、国民や地方政府の協力無くしては成立するものでないことは自明の前提である。しかも、国土強靱化の取り組みは国家的危機の回避を目指すものなのであり、それを推進する事で守られるのは地方政府や国民の安泰であり安寧である。すなわち、国土強靱化は地方政府、国民の利益の増進を目指すものであるにも関わらず、それに対して「国民や地方政府に不当な取り組みを供用し、その利益を損なう」ものであるかの様な印象を読者に付与する「統制強化」という言葉を用いた批判を加えるのは、著しく事実と乖離するものであると言わざるを得ない。
この様に本社説は、国土強靱化基本法の基本的な内容を著しく曲解しつつ、「ばらまき」「幅をきかす」「統制強化」といった表現を用いて、国土強靱化なるものが「反社会的な取り組み」にしか過ぎないという、基本法の理念から著しく乖離した「印象」「イメージ」を数百万人もの国民に供給する様な、著しく不当なものである疑義が極めて濃厚なのである。こうした事実と乖離した報道や社説メッセージが国民に提供され続ければ、冒頭で指摘したように、不当なる世論が形成され、その結果、国家的危機を回避することが不能となり、国民の生命と財産の大きな損失がもたらされてしまう可能性が増大してしまうことが危惧されることとなろう。公共の利益の増進を企図するはずの毎日新聞を含めた各メディア各社には、事実に基づく適正な報道、あるいはご批判を、適正な表現でもって展開いただくことを、心から希求したい。』
藤井先生、ありがとうございました。
毎日新聞は、口先だけでも「公器」を名乗っている以上、来たるべき南海トラフ巨大地震、首都直下型地震、インフラ老朽化等に対する科学的、具体的な対策を語るべきでしょう。ところが、現実にやっていることは「印象的なフレーズ」を並べただけの社説で批判するのみ。自らが「社会の木鐸」どころか「社会の害悪」でしかないことを、今回の毎日新聞の社説はわたくし達によ~く分からせてくれます。
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