株式会社三橋貴明事務所
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東京都トラック協会ロジスティクス研究会「三橋貴明×中野剛志氏 講演会」
開催日:年9月17日(火) 開場:17:00 開演:17:20~ 懇親会:19:40~
会場:東京都トラック総合会館
7階(東京都新宿区四谷3-1-8 )
参加費:講演会無料 懇親会:参加費1,000円
※懇親会参加希望の方は、応募フォームにて参加するにチェックをお願い致します。参加応募はこちら から
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土木チャネルが更新されました。(藤井先生との対談第二弾です)
【土木チャンネル】 築土構木の思想 第七回 中編
Youtube http://youtu.be/51gGmoa2wqs
ニコニコ動画 http://www.nicovideo.jp/watch/sm21631211
9月19日に発売になる扶桑社『国富新論-「奪い合う経済」からの脱却-』(旧「国家の階層」)では、「ザ・レント・シーキング」であるFIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)について大々的に取り上げています。と言いますか、激しく批判している。本制度は、率直に言って「異様」な制度なのです。
『太陽光発電、稼働まだ1割 買い取りで能力5倍も
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2002C_Q3A820C1EE8000/?dg=1
経済産業省は20日、2012年度の再生可能エネルギーの導入状況を発表した。太陽光発電の新設計画は11年度までの国内の発電能力の5倍に達した。再生可能エネルギーを高値で買い取る制度が12年7月に始まり、発電事業者が申請を急いだため。ただ、稼働済みは1割未満で、計画倒れに終わる恐れもある。
12年度の新設計画は、再生可能エネルギー全体で2109万キロワット。うち太陽光が2002万キロワットと9割超を占めた。これが実際に稼働すれば、11年度までに国内にあった太陽光発電設備(約530万キロワット)が一気に5倍近くに増え、原子力発電所20基分に達することになる。
太陽光の12年度の買い取り価格は1キロワット時42円。業界が「非常に良い条件」(太陽光発電協会)と評価する高めの設定で、異業種の参入が相次いだ。13年度からパネルなどの値下がりを受けて買い取り価格が同37.8円に引き下げられたため、条件が有利だった12年度末までに駆け込み申請した業者も多い。
もっとも、実際に12年度中に運転を開始したのは197.5万キロワットで、計画の1割にも満たない。経産省は運転開始の遅れを「需要急増で太陽光パネルなどの調達に時間がかかるのが主な原因」と分析する。ただ、なかには意図的に発電を遅らせているケースもある。
買い取り価格は計画の認定時点のものが適用される。早めに認定だけ受けて有利な条件を確保する一方、実際の発電開始を遅らせて建設費が値下がりすれば、利益が増えるためだ。所有権のない土地で認定を取得し、売電の権利だけを転売するブローカー(仲介業者)の報告事例もある。
シャープの稲田周次・ソーラーシステム事業部長は「認定分の40%は建設されない可能性がある」と指摘する。太陽光発電施工大手ウエストホールディングスの吉川隆会長も「地主の了解を得ずに設備認定を受けたケースもあり、稼働は3分の1程度」と話す。経産省も事態を重視し、発電計画の実態調査に乗り出す方針を明らかにした。』
詳細は「国富新論」をお読み頂くか、あるいは9月の三橋経済塾「ザ・レント・シーキング」を受講頂くとして、本日はFITの問題を二つだけ指摘しておきます。
投資家が太陽光パネルを設置し、太陽光発電を行い、電気を電力会社が買い取り、代金は消費者(皆さんです)が「再エネ賦課金」として支払う。皆さんの家に送られる電気料金の領収書や請求書を見ると、バッチリ「再エネ賦課金」が加算されているはずです。
この買取価格ですが、なぜか「認定時点」のものが適用されます。すなわち、「稼働時点」ではないのです。投資家が経産省や電力会社に申し込みを実施し、認定を受けた「時点」の買取価格が「稼働時点から(最大)20年」適用されます。
というわけで、投資家は最も儲けを大きくするため、取りあえず経産省と電力会社に申し込みを行い、じっくりと太陽光パネルが値下がりするのを待つわけです。何しろ、太陽光パネルは世界的に供給過剰ですから、時間がたてばたつほどパネル価格は安くなります。
「よし、ここまで値が下がった」
という判断をした時点で、パネルを設置し、太陽光発電を開始すると、「認定を受けた時点」の価格で最大20年間買い取ってもらえます。もちろん、需要とは無関係に「とにかく、発電しさえすれば、固定価格で買い取ってもらえる」というわけで、これほど美味しいビジネスは有りません。
太陽光発電の買取価格は、当初は42円で、現在は38円です。とはいえ、例えば買取価格が10円に下落しても、その時点で発電開始した企業は「認定を受けた時点」の価格で買い取ってもらえるわけです。
どう考えても、経産省やエネ庁は、
「申し込みから最大一年以内に発電を開始すること。さもなければペナルティ」
あるいは、
「買取価格は認定を受けた時点ではなく、発電を開始した時点のものを適用する」
といったルール、縛りを設けるべきだったのですが、そうはなりませんでした。なぜでしょう。
もう一つ。日本の当初の太陽光の買取価格は42円で、ドイツなどの二倍以上でした。なぜ、42円なのでしょうか。
『太陽光発電は税込み42円 買い取り価格、経産省調整
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS22014_S2A420C1MM8000/
7月に始まる再生可能エネルギーの全量買い取り制度の詳細を詰めている経済産業省の「調達価格等算定委員会」は太陽光で発電した電気の買い取り価格を1キロワット時あたり税込みで42円とする方向で調整に入った。専門家の間には30円台後半が適正との声もあったが、発電事業者の要望に沿った高めの価格とし、再生可能エネの普及を促す。(中略)
太陽光発電協会は、同委員会の意見聴取に対して「1キロワット時あたり税抜きで42円」を要望。事業参入を表明しているソフトバンクの孫正義社長も「最低でも税抜き40円」と主張していた。中国製の太陽光パネル普及などで30円台後半でも採算が合うとの声もあったが、算定委の価格は事業者の希望を大筋で受け入れる格好になる。(後略)』
要するに、42円という外国の二倍以上の買取価格を決定したのは、経産省でも調達価格等算定委員会でもなく、民間の「太陽光発電協会」や孫正義氏なのです。電気を「買い取ってもらう側」が、価格を決定する。俄かに信じがたい話でしょう。
信じがたい話は、もう一つあります。買取価格を決定する調達価格等算定委員会の委員長は、京大教授の植田和弘氏でした。
その植田氏が今、何をやっているかと言えば・・・・。
今月頭、孫正義氏が設立者、会長を務める「公益財団法人 自然エネルギー財団(JREF)」の理事に、めでたく就任されましたとさ。
http://jref.or.jp/library/news_20130801.php
「公益財団法人 自然エネルギー財団(JREF)より、下記のとおり新任理事就任のお知らせをいたします。
新任理事 (2013年8月1日就任)
氏名 植田 和弘 所属 京都大学大学院経済学研究科教授 」
これほど露骨な「癒着」「既得権益」であるにも関わらず、なぜか国内の論者たちは誰も批判しません。構造改革主義者たちは、結局はビジネスになれば何でもよく、左翼は「反原発」であるため、再生可能エネルギー関連に批判の声を上げません。
さて、皆様は本日のエントリーを読み、いかが思われたでしょうか。
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積極財政による日本経済復活を目指して活動をしているボランティアグループです。
Klugにて「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」
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