安全保障産業 前編

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NEW!『財政均衡主義の罪(後編)③』三橋貴明 AJER2013.7.23(1)

http://youtu.be/b4kuVx5fL1w

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 本日は13時からテレビ大阪「たかじんnoマネー」に出演いたします。(先週収録した分)

http://www.tv-osaka.co.jp/ip4/takajin/


 本日はチャンネル桜「日本よ、今...「闘論!倒論!討論!」 日本新富国強兵論」に出演いたします。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1587


 メンバーは一色正春(元海上保安官)、潮匡人(評論家)、片桐勇治(政治アナリスト)、佐藤守(軍事評論家・元航空自衛隊南西航空混成団司令 空将)、福山隆(元陸将)、三橋貴明(経済評論家・中小企業診断士)、渡邉哲也(経済評論家・作家)、司会:水島総です(敬称略)。


 本日のメルマガから、無料メルマガ「三橋貴明の「新」日本経済新聞」浅野久美(チャンネル桜キャスター)様がご登場です。(さかき漣との隔週制になります)


 さて、9月後半にマガジンハウス社から出版予定の『「TPP参加」を即刻やめて「エネルギー安全保障」を強化せよ! 安倍総理「瑞穂の国の資本主義」への直言』(旧「瑞穂の国の資本主義」)のタイトルは、正しくは「「TPP参加」を即刻やめて「安全保障」を強化せよ!」のはずでした(というか、中身がそう)。ところが、
「安全保障と聞くと、日本人は軍事的安全保障しか頭に思い浮かべませんよ」
 との出版社の意向で、「エネルギー安全保障」になったわけです。(ちなみに、本書は中野剛志氏との特別対談「エネルギー安全保障の行方」を収録しています)


 なるほどね。と思いました。


 実際には「安全保障」とは幅広い概念ですが、日本国民の多くは理解していないでしょう。

 現実には、離島の皆様に、その島で「生業」を立てて頂くことも、いざ「非常事態(震災など)」になったとき、全国のトラック野郎たちが物資を満載したトラックで高速道路を走り抜けるのも、震災時に備えて隣近所の現況を把握しておくことも、近場に病院があり、品質が高い医療サービスを保険適用で受けられるのも、全て「安全保障」の範疇に入ります。


 Wikipediaから引用すると、安全保障とは、
「ある集団が生存や独立などの価値ある何かを、何らかの脅威が及ばぬよう何かの手段を講じることで安全な状態を保障することである。また、その目的のための体制・組織などを指す場合もある。国際関係における安全保障は主として他国からの防衛をその主眼に沿えるものである。」
 と書かれています。


「国際関係における安全保障は主として他国からの防衛をその主眼に沿えるものである」
 という、「狭義の安全保障」、つまりは軍事的安全保障の観点から云えば、現在の我が国の安全保障は「盤石たる」とはお世辞にも言えません。何しろ、軍事的な狭義の安全保障に限っても、事は自衛隊一組織で完結する話ではないのです。


 デフレ不況、造船不況の深刻化で、日本の造船会社が苦境に陥っています。このまま造船会社の経営難を放置し、順次、潰れていくか、あるいは大企業がこの分野から「撤退」という話になってしまうと、「誰が海上自衛隊の艦船を整備、修理するのだ?」という状況に陥ってしまいます。


 また、三菱重工が「採算が合わない」という理由で、戦闘機のラインを閉じてしまうと、F2などの航空自衛隊機の整備、修理ができなくなります。修理が必要なたびに、戦闘機が太平洋を渡るといった事態になり、果たして我が国の軍事的、国防的安全保障は維持されるのでしょうか。


 上記の通り、安全保障の確立とは「市場原理」と極めて相性が悪いのです。国家の役割を軽視する(というか、嫌悪する)新古典派経済学には、安全保障の確立という命題は含まれていません。いや、ないことはないのですが、
軍事分野も民営化し、市場原理により効率化すべし
 という、首を傾げざるを得ないソリューションを提示します。軍事分野を「株式会社」である民間企業に委ね、果たして「国家の安全保障」が確立されるのでしょうか。日本の造成会社や重工の防衛ビジネスについて「市場競争」の波に委ね、
「市場競争の結果、日本の防衛産業が壊滅しました。今後はアメリカや韓国、中国の企業に自衛隊の装備品(兵器のこと)の調達や整備を依頼しましょう
 ↑これで、我が国の安全保障が維持できると思いますか? できるはずがありません。我が国の安全保障は、可能な限り「ナショナリズムを共にする人々」すなわち日本国民の手により担われなければならないのです。


 ナショナリズムとは、「(国家という)共同体において利益を共にする」という意味です。アメリカは同盟国ですが、アメリカ企業とは「ビジネスの利益」を共にすることはできても、「共同体としての利益」を共にすることはできません。そもそも、異なる共同体に属している以上、当たり前です。


 日本の安全保障確立には、「日本企業」に自国の防衛を賄う技術力(これも「国富」あるいは「国力」の一部です)を維持、発展させてもらわなければならないのです。だからこそ、「武器輸出三原則等」が邪魔なのです。


 一応、安倍政権は上記の問題を理解しています。


防衛装備をインフラ輸出 政府、経済成長と産業活性化 
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130816/plc13081608550006-n1.htm
 政府が防衛装備品の輸出を成長戦略の柱であるインフラ輸出と位置付け、関連施設の建設や保守・運用も一体的に売り込むパッケージ型として輸出することが15日、分かった。武器輸出三原則に抵触しないよう装備品を民間転用して輸出に道を開き、輸出活性化による経済成長と防衛産業の底上げを図る。インドや東南アジアを中心に安全保障面での協力関係の向上にもつなげたい考えがある。
 「パッケージ型インフラ輸出」の第1弾として検討しているのは、航空自衛隊が平成26年度に配備予定のC2輸送機や、海上自衛隊の救難飛行艇US2。C2は貨物機として民間活用が期待され、US2は消防飛行艇としても利用できる。
 US2については、インド政府との間でパッケージ型インフラ輸出に向けた制度設計に着手しており、25年度中にも輸出手続きに入る。ほかに、くいを打たないでも橋を架けることのできる陸上自衛隊の特殊車両も候補に浮上している。
 民間転用による海外市場開拓は、衰退が懸念されている防衛産業界の期待も大きい。装備品輸出を事実上全面禁止してきた武器輸出三原則の制約で自衛隊向けの納入に限定されてきたが、輸出により利益率が高まり技術基盤の維持・強化にもつながるからだ。(後略)』


 武器輸出三原則等という、「日本の安全保障を弱体化する」ルールをかいくぐり、防衛装備品を「輸出」する。市場が広がることで、我が国の防衛産業は技術基盤を維持、強化する。方向的には間違っていませんが、
「そもそも、日本の安全保障強化のために、武器輸出三原則等を撤廃するべきでは?
 という疑問を誰でも抱くと思います。我が国が「武器輸出三原則等」を撤廃し、自衛隊の装備品について大々的に「輸出」していくとなると、先日も書いたように確実に「アメリカ」という壁が出現します。


 アメリカにとって、日本の主力装備品(要は主力兵器)について「アメリカ依存」にしておくことこそが、「アメリカの国益」に叶います。さらに、アメリカの防衛産業にとって、日本が「大々的に『装備品』を輸出する」となると、世界市場において強力な競合相手が出現することになってしまうのです。


 それにしても、「武器輸出三原則等」は明確に「市場原理」に反しています。常日頃、
「市場競争こそが重要だ! 市場原理の導入を!」
 などと叫んでいる構造改革主義者の皆様が、なぜ「武器輸出三原則等」という「輸出規制」に沈黙するのか。FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)に反対しないのと同様に、「謎」としか言いようがありません(いや、もちろん理由は分かっているんですが)。


 明日に続きます。


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