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NEW!『財政均衡主義の罪(前編)①』三橋貴明 AJER2013.7.16(1)
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日曜日のメルマガで書き忘れたのですが、昨日、チャンネル桜の「日本よ、今...「闘論!倒論!討論!」 ◆どこへ行く?参院選後の日本」の収録がありました。7月27日(土)に放映でございます。
また、同じく7月27日(土)13時からテレビ大阪「たかじんnoマネー」に出演しています。
さて、日本人は(実は日本人だけじゃないんですが)「借金」を嫌悪する傾向がありますが、現実には負債増加なしで国民経済(GDP)の成長は不可能です。と言いますか、
「借金はダメだ! 節約して銀行預金しろ!」
などともっともらしく語る人がいるから、笑ってしまうわけです。何しろ、銀行預金とは「銀行の預金者からの借金」になります。借金を否定する人は、金融経済をも否定していることになります。
と言いますか、そもそも現金にしても中央銀行の負債(返す相手はいませんが)ですから、「借金は一切ダメだ!」と主張する評論家(いたでしょ?)は、貨幣経済まで否定してしまっています。
逆に言いますと、国民経済が成長するためには、民間(特に企業)の負債増加が欠かせません。銀行側から云えば、「銀行貸し出し」になります。
日本の銀行からの貸し出しを見ると、昨年の12月以降(分かりやすい・・・)増加傾向にあります。特に、規模の大きい都市銀行の貸し出しがマイナス(だったのです)からプラスに転じたのは大きいです。
さて、ユーロ。
『ユーロ圏6月の民間向け融資、過去最大の減少-M3は2.3%増
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MQHGDT6JIJVL01.html
ユーロ圏の6月の家計・企業向け融資は1年2カ月連続で前年割れとなったほか、過去最大の落ち込みを記録した。域内経済は引き続き過去最長のリセッション(景気後退)からの脱却に苦しんでいる。
欧州中央銀行(ECB)が25日発表した6月の民間向け融資は前年同月比1.6%減少。これは1999年のユーロ導入後で最大の落ち込み。5月は1.1%減だった。
同時に発表された6月のマネーサプライ(通貨供給量)統計では、拡大M3 (現金、要求払い預金、定期貯蓄性預金、投資信託の一部)が季節調整済みで前年同月比2.3%増加。伸び率は5月の2.9%を下回った。ECBは拡大M3をインフレ見通しの指標としている。 』
銀行からの貸し出しが減る理由は、大きく二つあります。
一つ目は、企業側がカネを借りない。バブルが崩壊し、民間企業がバランスシートの調整(要は借金返済)に迫られ、カネを借りるどころか返してくる。
二つ目は、銀行が貸さない。特に、中小零細企業に貸し出すと、バブル崩壊後は不良債権化する恐れがあり、銀行は貸し出しを減らすどころか、貸しはがしを行う。
融資の二極化ですが、いずれにせよ銀行からおカネが貸し出されないのは変わりません。
企業が銀行融資を増やし、設備投資を拡大しない限り、国民経済が成長することはありません。そして、企業が設備投資を拡大しない理由は、単にデフレで儲からないためです。さらに、企業が設備投資を拡大しないと、デフレはさらに深刻化します。
日本も経験した罠に、現在のユーロ圏は綺麗に嵌ってしまっているわけです。
ついでに、ユーロ圏の「緊縮財政の優等生」だったポルトガル(参考:ポルトガルと日本
)は、緊縮財政(増税&政府支出削減)をした結果、
「政府の歳入が減り、歳出が増え、財政赤字が増える」
という悪循環に嵌っています。
IMFは「ユーロ圏の停滞、何年も続く恐れがある」として、追加対策を呼びかけています。とはいえ、IMFが提唱する政策は、
「銀行の資本増強によるバランスシートの回復」
「雇用の流動性強化」
「不良債権の処理と銀行の整理」
など、金融面の強化&構造改革でございます。つまりは、
「銀行が健全化すれば、企業の貸し出しは回復する」
と、信じ込んでいるわけです。
とはいえ、よくよく考えてみると、上記の政策は小泉政権以降の日本政府がやった政策そのものになります。(銀行への資金注入、派遣社員の拡大、不良債権処理)結果的に、どうなったか。現実には、我が国は延々とデフレ経済の下で苦しみ続けることになりました。
結局のところ、問題は、「経済学」が総需要の不足、つまりはデフレギャップを認めるか否かです。あるいは、「デフレギャップがデフレの原因であること」を認めるか、になります。
【インフレギャップとデフレギャップ】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_43.html#GAP
竹中氏にせよ、IMFにせよ、ドイツにせよ、新古典派経済学に染まった連中は、総需要の不足が現在の経済問題の原因だとは思ってません。だからこそ、
「銀行を健全にすれば、融資が回復するよ」
「従業員を解雇しやすくすれば、失業率が回復するよ」
と、主張してくるわけです。
現実には、企業側は「需要がない」からこそ、銀行から金を借りないのです(銀行側が貸し渋りをしているケースは除く)。さらに、失業率が上昇しているのは、「雇用規制が厳しい」「職種のミスマッチがある」とか、学者が机上で考え出した理由からではなく、単に「仕事がない」ためです。
「仕事がない」は「需要がない」とイコールになります。すなわち、総需要が不足し、デフレギャップが存在しているわけです。
この新古典派経済学という「経済学の間違い」は、世界を脅かしています。ちなみに、戦前の大恐慌期も「経済学(当時は古典派経済学)」が間違いを続け、最終的に世界は「大戦」へと突っ走ることになりました。
冗談でも何でもなく、経済学の間違いは「世界を壊す」のです。
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積極財政による日本経済復活を目指して活動をしているボランティアグループです。
Klugにて「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」
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