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NEW!『財政均衡主義の罪(前編)①』三橋貴明 AJER2013.7.16(1)

http://youtu.be/yMa-9isevOg

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田母神俊雄氏×三橋貴明氏 講演会「激論!平成の富国強兵論 強い経済が強い日本をつくる」刊行記念
 日時: 2013年7月19日(金)開場18:00開演18:30
 会場:八重洲ブックセンター本店 8階ギャラリーhttp://www.yaesu-book.co.jp/access/
 HP【八重洲ブックセンター】 http://www.yaesu-book.co.jp/events/talk/1302/
 問い合わせ先 TEL:03-3281-8201
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 三橋経済塾第二十六回講義「国民総所得を知る」コンテンツがオープンになりました。

https://m-keizaijuku.com/contents


 三橋貴明は、参議院選挙全国比例区、つまりは投票用紙「二枚目」の候補者として、赤池まさあき候補を推薦します。二枚目の比例区の投票用紙には、「自民党」といった政党名ではなく、「赤池まさあき」と個人名を書いて下さいませ。


【H25年7月15日 赤池まさあき参議院議員候補 渋谷街頭演説 】
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http://youtu.be/i714-17lIqw


 本日は日本経営合理化協会主催「三橋経済動向塾」の開催日です。塾生の皆様、よろしくお願いいたします。本日のゲストは柴山桂太先生でございます。
 明日は田母神先生とのトークセッション「『強い経済が強い日本をつくる』出版記念講演会」開催日です。詳しくは↑上をご覧くださいませ。
 
 チャンネル桜に出演いたしました。(キャスターのお仕事です)


【アンフェア】選挙とアベノミクスと消費増税[桜H25/7/17]

http://youtu.be/V2fM8GD0ZwU

【明るい経済教室】公共サービスの改革?それもレントシーキングかもね[桜H25/7/17]

http://youtu.be/1lIYeC78APo

【場の空気】原電の異議申し立てと経団連の設備投資減税拡大要望[桜H25/7/17]

http://youtu.be/Bzuxvk4Dxy8

【菅直人】何故今なのか?安倍総理提訴のタイミングの訝しさ[桜H25/7/17]

http://youtu.be/5BXhIfFrrbs

【お知らせ】各地の講演と三橋貴明の新刊案内[桜H25/7/17]

http://youtu.be/H6CuExeFgoE


 さて、本日のエントリーは、もちろん青木泰樹先生(帝京大学短期大学 教授)「需給ギャップとデフレ」の後編になります。


『需給ギャップとデフレ(後編) 青木泰樹(帝京大学短期大学 教授)


3.潜在GDPの定義と現実経済


 最近の無関係説の一例として竹中平蔵(敬称略)の見解*を取り上げよう。彼は「需給ギャップがゼロでも物価は下がった事実がある」ことを指摘し、デフレの原因は需給ギャップではなくマネーの量が少ないことであると結論づけている。それはリフレ派の主張に完全に同調する見解といえる。ここでは「需給ギャップがゼロでもデフレは生ずる可能性」について考察する。結論から言えば、「潜在GDPの定義如何によって、理論的にその可能性はあり得る」ことである。しかし、その定義が現実経済の説明として適切か否かは別問題である。


 需給ギャップとは、「現実GDPマイナス潜在GDP」として定義される。現実GDPは総需要と一致するため、需給ギャップがマイナスであれば総需要不足であることを示している。さて、需給ギャップの計算に用いられる潜在GDPには、二つの定義がある。定義が二つあることはあまり知られていない(と言うよりむしろ、専門家が一般国民に意図的に知らせていないのではと筆者は疑念を抱いている)。両者を簡略に示しておこう。


 第一に「最大概念の潜在GDP」である。これは現存する労働および資本が全て生産過程に投入されている状況、すなわち労働の完全雇用と資本の完全利用に対応するGDP水準を意味する。以前は完全雇用状態における失業率は2%台(自発的および摩擦的失業)と考えられていたので、潜在GDPもその失業率に対応する産出水準と想定されていた。


 次に「平均概念の潜在GDP」である。これは過去の平均的労働および資本の稼働率に対応するGDPを意味する。簡単に言えば、過去の平均的な失業率に対応するGDPと言うことになる。例えば、過去の平均的な失業率が5%とすれば、それに対応する産出水準が潜在GDPとなる。もちろん、平均的な失業率が大恐慌当時のように25%であったとしても、それに対応するGDPが潜在GDPになる。


 以前、「最大概念の潜在GDP」は日銀が用い、「平均概念の潜在GDP」は内閣府が用いてきた。しかし、2006年以降、日銀も平均概念のそれを用いるようになったため、現在では最大概念の潜在GDPは使用されていない**。現在では潜在GDPは平均概念のそれを意味することになった。


 さて、筆者は、この定義の変更が単なる技術的な変更ではないと考える。その背後には、主流派経済学の交替の影響が色濃く感じられる。経済観における、ケインズ経済学からマネタリズム、より一般的には新古典派経済学への回帰である。言うまでもなく、両者の根本的な相違は「非自発的失業」を認めるか否かにある。ケインズは明確に認め、現代の主流派は決して認めない。それが潜在GDPの定義に反映されている。端的に言って、最大概念の潜在GDPの定義は明らかにケインズ的である。完全雇用以下の雇用水準、すなわち非自発的失業が存在する時に、需給ギャップが発生するからである。


 他方、平均概念の潜在GDPは、マネタリズム的である。マネタリズムによれば、経済は常に「自然失業率(マネタリズムにおける完全雇用状態に対応する失業率)」の状態から長期的に乖離できない。もちろん非自発的失業も存在しない。自然失業率に対応する産出水準からの短期的乖離は、外的ショック等の経済的攪乱によってもたらされる一時的な確率誤差にすぎず、長期的に見れば必ず元の均衡に復帰する。実は、このマネタリズムの「自然失業率に対応する産出水準(GDP)」こそ「平均概念の潜在GDP」そのものなのである。


 なぜなら、非自発的失業が存在しないならば、現状は常に完全雇用状態であるはずだが、さまざまな攪乱により均衡から若干はずれることもある。しかし、平均的に見れば、その状態こそ完全雇用状態に他ならないというのがマネタリズムの理屈だからである。正に現状肯定である。現実GDPの平均値こそ、われわれが到達すべき理想の経済規模だと主張しているのである。現実経済における過去平均の失業率が5%であれ、10%であれ、それは自然失業率なのだと言い張っているのである。その失業率は勤労者の自主的選択(主体的均衡)の結果なのだから理想状態なのである。だから政府は余計なことをするなと言っているのである。それが平均概念の潜在GDPに隠されている経済観である。

*日経BP社主催「IT Japan 2013」の基調講演「グローバル経済と成長戦略」。(http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130703/489155/
**日銀副総裁の岩田規久男は、最大概念の潜在GDPを日銀が現在も使っていると勘違いしている。岩田規久男著『リフレは正しい(2013年PHP研究所)』P.17参照。


4.需給ギャップをゼロにする方法


 実は、平均概念の潜在GDP概念を用いると、余程の経済的混乱がない限り需給ギャップ(GDPギャップ)は縮小してゆくことになる。時間経過とともに、「平均は現実に近づく」からである。簡単にそれを説明しておこう。
 100人の勤労者からなる経済を考える。過去10年間の平均によって平均概念の潜在GDPが計算されるとする。さて、過去10年間の平均失業率を5%、今年の失業率を6%とすると来年の平均的失業率は何%になるか。言うまでもなく、10年前のデータが消え、今年のデータが付け加えられるのであるから、「5.1%」となる。来年も今年と同じく失業率が6%とすると、再来年の平均的失業率は「5.2%」となる。現状の6%の失業率が継続すれば、どうなるか。10年後の平均失業率は6%となる。すなわち、6%が自然失業率となり、現状が理想状態であったことが証明されることになる


 しかし、この結論は明らかに非現実的である。現状を理想状態もしくはそこから若干乖離した状況と見なすマネタリズムの見解に全面的に依存しているからである。半数以上が失業しているスペインの若者達に、「君たちは自らの意志で就業せずにバカンスを楽しんでいるのだね。この状況こそ君たちにとって理想状態なのだ」と言っているようなものである。説得力は全くない。しかし、この理屈(屁理屈)を持ち出してリフレ派に転向しようとする人がいる。それが竹中平蔵である


 先述したように竹中は「需給ギャップがゼロでも物価が下落した事実がある」と述べ、それゆえ「デフレの原因は需給ギャップではない」と結論づけている。しかし、この叙述は正確には間違いである。おそらく需給ギャップがゼロの下で物価が下落した事例を見つけたのであろうが、一時的な物価下落をデフレとは言わない。需給ギャップがゼロのまま、物価の下落が継続した事例を見いだしたのか否かは疑問として残る。しかし、ここでは、そうした問題に目をつぶり、需給ギャップがゼロのもとでデフレが生ずる可能性について述べる。


 問題は現実経済を如何に認識するかと言うことである。需給ギャップの定義に平均概念の潜在GDPを用い、それを失業率が高止まりしたまま安定的に推移する経済に当てはめる。とすれば、必ず平均は現実に追いつくことになる。すなわち、最終的に需給ギャップがゼロになる。マネタリストは、その状態を自然失業率に対応する完全雇用状態と見る。しかし、現実的に見れば、失業率が高止まりした状態は不況である。非自発的失業者が溢れている。ケインズの言う過少雇用均衡状態なのである。その結果、需要不足からデフレが発生しているのである。


 竹中は、マネタリズム的な経済観から現実経済を見ることで「需給ギャップゼロとデフレの共存」という誰もが驚くようなレトリックを案出したと思っているのかもしれない。しかし、その帰結は「非自発的失業が存在しない」という経済認識と、それに連なる「平均概念の潜在GDP」による需給ギャップの定義、および明示はしていないがおそらく彼の念頭にある特殊な経済過程の想定に全面的に依存しているのである。


 竹中の需給ギャップの定義を「最大概念の潜在GDP」で書き換え、彼の想定する経済に当てはめればどうなるか。「需給ギャップの存在とデフレが共存する」という至極当たり前の結論が導出されるに過ぎないのである。(終わり)』


 さて、潜在GDP(国民経済の供給能力)と名目GDP(需要)の関係は、以下のグラフの通りです。


【インフレギャップとデフレギャップ】
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http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_42.html#DGAP


 上記の潜在GDPの「定義」が二つある、という話でございますね。


 さて、なぜ参議院選挙前に青木泰樹先生の論文を掲載したかといえば、もちろんすでに「ねじれが解消された参議院選挙後」を見据えているためです。先日の混合診療のエントリー  でも分かる通り、現在、自民党内で「新古典派経済学的政策」対「国民経済派(あるいはケインズ主義派)」の政治的争いが激しくなっています。自民党の「分かっている政治家」の皆さんは、産業競争力会議や規制改革会議などから上げられてくる「新古典派経済学的政策」を、骨抜きにすることを繰り返しています


 もちろん、
「何で、竹中やら三木谷を産業競争力会議に入れているんだっ!」
 という批判は至極真っ当だと思いますし、彼らが産業競争力会議に「民間議員」として入っていなければ、わざわざ「骨抜きにする」といった面倒くさいことをしなくても構わないのです。


 とはいえ、現実に彼らは産業競争力会議から「民間議員」すなわち国民の主権と無関係な立場で「自分たちのための政策」を実現するべく、マスコミを使って大声を上げています。すなわち、安倍政権の産業競争力会議に竹中氏や三木谷氏らがいるのは「環境」なのです


 この種の「国民経済にとって不利益が発生する可能性がある環境」の下で、「何ができるのか」を考えなければなりません。参議院選挙が自民党の勝利に終われば、今後、三年間は選挙がない可能性があります。


すでに確定している環境の下で、何をやるべきなのか?
 を考えなければならない時期です。もちろん、竹中氏や三木谷氏らが産業競争力会議から外れるのが一番で、そのための言論を展開するべきですが、同時に「最悪の環境下」において何をするかを熟慮しなければならないのです。


 具体的な手法は、すでに提示しました。参議院選挙で「連結ピン」となり得る方を当選させ、わたくし達の声というか「(現在のタイミングで)正しい政策」を政治家にインプットしなければならないわけでございます。


 わたくしが知る限り、青木先生の論文に示された「正しいこと」を完璧に理解されている参議院議員候補は、京都選挙区の西田先生と、全国比例区の赤池先生のみです(他にもいりゃっしゃるのかも知れませんが、残念ながらわたくしは存じ上げません)。ならば、どうするか。

 京都選挙区では西田先生を、全国比例区では赤池先生を「声を上げるのに十分な得票数」で当選させることです。というわけで、わたくしは日本全国の有権者全員が投票できる候補者として、赤池まさあき先生を推薦いたします。参議院選挙の全国比例区、二枚目の投票用紙では、政党名(自民党など)ではなく「赤池まさあき」と名前を書いて下さいませ


昨日同様、快くご投稿をご承知頂けた青木先生に感謝して頂ける方は、

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