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『なぜ緊縮財政を好むのか①』三橋貴明 AJER2013.5.21(1)

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NEW!6月8日(土) 八潮市記念講演会「アベノミクスとTPP、そして日本経済の真実」

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 6月13日(木) 蒲田法人会「アベノミクスで激変!どうなる日本経済!」

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 6月30日(日) 益茂証券主催「アベノミクスと日本経済の行方」(会場:福井県福井市)

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 7月11日(木) 第11回烏山講演会「世界経済とマスコミの嘘」

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 本日からわたくしはミャンマーに入っておりますので、ブログは「投稿ウィーク」になります。第二弾は、産経応援様。


なぜ地方は景気が良くならないのか・・地方に及びにくい財政政策と金融政策 前編(産経新聞を応援する会)

 アベノミクスで株式市場は好況感に盛り上がり、都市部においては百貨店などが売上を伸ばすなど変化が起こっていますが、地方では、本当に自分たちまで好景気が回ってくるのだろうかと、焦燥感とも、絶望感とも言える複雑な気分が蔓延しています。こうした感情は多分に気分的なものとも思えるのですが、気分的なものだけではない、本能によって嗅ぎ付けられた危機感がそこに存在するのではないかとも思えるのです。

 はたして、アベノミクスは成功しつつあるのでしょうか。現在、発動しているのは金融政策だけですが、金融政策に関しては、マネタリーベースを増加して、マネーストックを増やして行くことが目的ですから、第一義的目的からすると、三橋先生のおっしゃっている通り、株価が上がったとかは、将来の企業の純資産額の期待値であり、あまり重要なことではないはずです。株価が上がろうが、売買されようが、それは企業や個人の間のお金の移動にすぎませんから、マネーストックの増減とは関係ありません。単に期待先行のマネーゲームが起こっているだけです。マネーストックが増大するためには、金融機関による企業や個人に対する融資、つまり信用創造が行われるという前提がなければなりません。

 まさか、日銀は、信用創造の問題に目をつぶって、期待感だけで景気回復もしくは物価上昇に繋げようとしているわけではないでしょう。そんな子供だましなことを考えているとは思われません。事実、中小零細企業や国民は長い不況で疑り深くなっていますから、他人が株価上昇で浮かれているからといって、自分たちもお金が使えるようになると考えたりはしません。それくらいは、黒田総裁も解っているはずです。

 事実、金融機関は、準備金をじゃぶじゃぶにされて、企業や国民に貸し込まなければならない状態に立ち至っているはずなのに、相変わらず中小企業などへの融資は行われていません。確かに、金融円滑化法の終了に際して、政府から金融円滑化法と少なくとも同程度に、返済に手心を加えるよう指示され、回収は継続して緩和されていますが、しかし、それでも、金融機関が最も利益を挙げられるような金利と交換条件になっているとか、あくまで一定の水準の回収は維持されるとか、の状況は続いており、依然として、中小企業にとっては、あまり希望の持てる金融環境にはなっていないのです。つまり、「融資をしないで回収する」という、金融機関のこれまでのスタンスは変わっていないのです。

 地方は中小企業で成り立っており、中小企業が再生しなければ地方の景気回復もありません。その中小企業の資金調達がいまだに緩められていないのです。金融機関もしょせん金貸しであって、貸しただけのものが返ってくる担保がなければ貸さないという、金貸しの決まりきった「掟」があります。バブル以前は、土地がその担保の役割を負っていました。しかし、「政府および日銀がほとんど故意にバブルを発生させ、強制的に崩壊させる」という仕組まれたマッチポンプによって、土地担保の有効性は否定され、さらに地価下落政策が採用され、現在では担保の役割を負うものがなくなりました。借金をして株式を買うことは希であり、金融機関も、リアルな資産とは言い難い投機性の高い株式を担保に融資をしませんので、株式では土地の代役が出来ません。第一、地方で株取引に手を出す者は、小銭を持った一握りのもの好きに過ぎません。つまり、地方においては、株式は普遍的な資産とは言えないのです。地方において担保の役割を担える資産は「土地」しかありません

 土地を担保に差し入れて、金融機関から借りたお金は新しいマネーストックになります。金融機関が民間から土地担保を取り、貸付を繰り返すことで信用創造がおこなわれるのであって、株式や債権の取引で個人と個人で金銭貸借を繰り返しても、つまり、直接金融をいくら繰り返しても、マネーストックの中でお金が移動するだけですから、それは信用創造ではなく、マネーストックの増加にもなりません。

 これは、株価が上がっても一般の国民には関係がないが、地価が上がればほとんど全国民の財産が増えるという実感に裏付けられます。土地は、現金で取引されることは希であり、通常は金融機関からの借入金で売買されますから、これによって、金融機関のお金が財市場に出て来て、マネーストックが増えるのです。ここが、株や債権の取引との大きな違いです。

 地価が上がると、金融機関は土地資産を担保として信用しますから、信用創造そしてマネーストックは爆発的に増えます。すると、黒田総裁の念願である、金融政策が有効性を取り戻し、民間が債務を拡大し、投資や消費が拡大していき、GDPが増え、物価上昇率も2%くらいは簡単に実現するのです。キーワードは「信用創造」です。そして、信用創造は、「土地」を担保にしか起こらないということです。このところを、きびしく認識しなければ、経済学はただの空論にしかすぎません。

 東京などの大都市では地価が上昇するエリアもありますから、局地的に信用創造が起こっているようですが、その好景気感の連鎖は地方には及びません。事実、大都市以外の地方で地価が上昇する見込みは出て来ていません。それは固定資産税制が都市部の方が有利となるように出来ているからです(注※建物固定資産税)。地価下落政策は、正しくは「地方の地価下落政策」です。土地資産と信用創造の骨がらみの関係によって、「地方の地価下落政策」が採用されている地方においては信用創造が起こらないのです。これが、地方の景気が良くならない第一番目の理由です。

 しかし、今のところ、まだ政府は地価を上げようという政策は採用していませんから、黒田総裁は物価を上昇させる効果については他の何かの政策に頼っているはずです。その一つは、マネタリーベースを増大させたことによる円安の為に、食料や燃料といった輸入品価格が上がり、CPI(消費者物価指数)が上がることです。(日銀が採用している指標はCPIであり、コアCPIでもコアコアCPIでもありません。)黒田総裁が頼りにしている、もう一つは二本目の矢の財政政策です。黒田総裁はおそらく、いくら金融緩和してマネタリーベースを増やしても、円安で輸出型大企業の利益は増大しますので株価は上がるものの、地方の地価が上がる可能性はほとんど無いことから、「信用創造」が拡大するとは思っていないでしょうから、財政政策に依存する他力本願にならざるを得ないのです。


 産経応援様、ありがとうございました!

 Amebaの文字数制限をオーバーしてしまいましたので、明日に続きます。皆様、産経応援様のご投稿をベースに、「地方経済」について活発な議論をお願いいたします。


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