幻のユーロ連邦共和国

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『ラインハート=ロゴフ論①』三橋貴明 AJER2013.5.14(1)

http://youtu.be/99nYC2Qpkxs

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 6月13日(木) 蒲田法人会「アベノミクスで激変!どうなる日本経済!」

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_42.html#Kamata

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 週刊西田に「西田ビジョン「西田昌司x三橋貴明 経済対談」vol.2」が掲載されました。
http://www.shukannishida.jp/nishidavision.html


 三橋経済塾コンテンツ(https://m-keizaijuku.com/contents )に以下のコンテンツが掲載されました。
【音声】三橋経済塾・第12回
【テキスト】三橋経済塾・第12回「国防の経済学(前編)」
【音声】三橋経済塾・第12回 中野剛志先生 特別講演
【音声】中野剛志先生・質疑応答


 本日は広島で講演でございます。何か、本州を東に西にと行ったり来たりしている気がします。来週以降もこんな感じです。


 さて、昨日、一昨日と日本の第一四半期のGDPの話をしてまいりました。それでは、外国、特に問題となっているユーロの状況はどうかと言えば、対前期比で0.2%減でした。これで、6四半期連続のマイナス成長で、統計が始まった1995年以降で最長でございます。


 ユーロ圏は全体としては完全に「出口のない長期不況」の状況に陥りました。ちょうど、日本の98年から99年頃と同じ状況でしょうかね。


 例により、ドイツのみが何とか0.1%増加になったのですが、もはやドイツ一国でユーロ全体の成長率を押し上げることはできない状況になっています。

 INGのエコノミスト、カーステン・ブルゼスキ氏は、
「苦境が続いている。ドイツを除くほぼすべての中核国がリセッションに突入し、現時点でこの下方スパイラルを食い止める手立てはない
 と、語っていますが、実際にはあります。すなわち、ユーロ圏がアベノミクス張りの「金融政策と財政政策のパッケージ」を実施することです。とはいえ、財政に関する主権はバラバラで、金融政策の主権は各国からECBに委譲されている状況では、アベノミクス的なデフレ対策をやるなど夢のまた夢でございます。(そもそも「どこの国の国債を買い取るのか?」のコンセンサスをとることすらできません)


 ついに、フランスのオランド大統領が以下のようなことを言い出しました。


オランド仏大統領、ユーロ圏経済政府の創設を主
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE94F08920130516
 オランド仏大統領は16日、ユーロ圏として独自予算や借入権限、統一税制、専任大統領を兼ね備えた経済政府を創設すべきと主張した。
 大統領就任から1年を迎え、記者会見で述べた。
 前日発表された1─3月期の国内総生産(GDP)は前期比0.2%減少、2四半期連続のマイナスで統計上リセッション(景気後退)入りするなか、オランド政権は苦境に立たされている。
 オランド氏は左派リーダーとして経済改革や財政規律面での功績を強調。国民に対しては、将来年金を完全に受給するためには「多少長めに」働く必要があると説いた。
 フランスが競争力低下に伴い欧州での指導的地位を失ったのではないかとの批判については、向こう2年以内に欧州の本格的な政治同盟結成を望むとしたうえで「域内や市民に広がる倦怠(けんたい)感や幻滅感を打破することこそ、欧州連合(EU)創設国のリーダーとしての私の責務であると考える」と述べた。「欧州が現在の状況にとどまるなら、目標を失うことになりかねない」とも話した。
 さらに将来のユーロ圏経済政府に言及し、加盟国による政治・経済に関する重要決定事項の討議や国の財政・福祉政策の統合などが担うべき役割になるとした。』


「域内や市民に広がる倦怠(けんたい)感や幻滅感を打破することこそ、欧州連合(EU)創設国のリーダーとしての私の責務であると考える」


 まさに、昨年11月までの日本でございますね。現在のフランスは、いやユーロ加盟各国は、延々と続く失業率の上昇、特に若年層失業率の異常な上昇、長引くマイナス成長、困窮の中繰り返される緊縮財政と、国民に圧迫感を与えるきつい状況、政策を続けています。そろそろ政治的な限界が見えてくる頃だと思っています。


 現在のユーロの「構造的」な苦境を打ち破るには、結局のところ方法は二つしかありません。一つ目は、各国がユーロを離脱し、金融政策の主権を取り戻すことです。
 そして、二つ目が、「統合政府」の設立です。


 オランド大統領が言う、
「政治、経済に関する重要決定事項の討議や、財政・福祉政策の統合を担う」
 ユーロ連邦共和国政府(名前は何でもいいですが)が実現すれば、取りあえず現在の苦境を逃れる道が開けます。


 とはいえ、現実的に考えてみると、ユーロ加盟国は各国が長い歴史の中において、互いに戦争を繰り返し、それぞれ異なったナショナリズムを構築してきたわけです。フランスとドイツは言うまでもなく、オランダはスペインと独立戦争を戦い、イタリアはドイツ(神聖ローマ帝国)やフランス王国から攻められまくり、ギリシャはナチスドイツの支配を受け、「主権国家」が確立したヴェストファーレン条約が結ばれる前の三十年戦争では、各国が寄ってたかってドイツ圏内で戦争を繰り広げ、とにかく欧州の歴史は「戦争の歴史」だったのです。


 だからこそ、当初の欧州石炭鉄鋼共同体(後のEU)を推進した政治家たちは、
戦争のないヨーロッパ
 を夢に見、統合欧州のための歩みを進めて来ました。


 が、ロベール・シューマン(フランスの外相)が夢見て来た統合欧州への道は、完全に行き詰ってしまったように見えます。
 最大の理由は何でしょうか。個人的な意見ではありますが、新古典派経済学(いわゆる新自由主義)の悪影響は相当に大きいと思います。


 本来、統合欧州を実現するのであれば、
互いに同じ『ユーロ国民』として助け合う、ナショナリズムに基づくユーロ連邦共和国
 を目指す必要がありました。ところが、現実には(EU発足の頃から)新古典派経済学の影響が強くなり、
「関税や為替レートや制度について、互いに同じルールでフェアに競争しよう。同一ルールの下で競合している以上、負けた国は自己責任だ
 という発想になっている「共通通貨ユーロ」にたどり着きました。結果的に、ユーロ圏内が「勝ち組」と「負け組」に分かれていき、ユーロナショナリズムが醸成されるどころか、逆に各国のナショナリズムが強まってしまう事態になりました。

 オランド大統領の気持ちはまあ、分かるのですが、現実にはユーロ圏の統合政府設立はもはや不可能です。
 ユーロ連邦共和国の夢は、幻に終わりました。壮大な社会実験として、多くのユーロ圏の人々を困窮に追い込みつつ。


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