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『ドイツのユーロ(前編)①』三橋貴明 AJER2013.4.9(4)

http://youtu.be/pDU-0grAUgE

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 本日はチャンネル桜「報道ワイドウィークエンド」に出演します。
http://www.ch-sakura.jp/hodo.html  


 本日は青山繁晴氏、須田慎一郎氏との対談本「アベノミクスが激論で解けた! (ポスト・サピオ ムック) 」発売日です。 本書は文字通り、三者がアベノミクスについて「激論」を交わすことで、政策の不透明だった部分を解き明かす一冊になっています。金融政策、財政政策、財政問題、TPP、消費税、国防、成長戦略、憲法改正、マスメディアなどなど、激論の分野は多岐にわたっております。


 ちなみに、財政問題では三橋と須田さんがヒートアップしており、結構面白いです。須田さんが途中で、
私は日本が財政破綻するとは思っていませんが、」(P77)
 と語っているように、議論がかなり高レベル化していて面白いです。


 また、青山さんが憲法や自衛隊について語る部分は、是非とも「本質」からご理解頂きたいと思います。(以前も書きましたが、わたくしの国防関連の師(勝手にこちらが師扱いしているのですが)は青山さんと田母神さんです)


 さて、「非対称な交渉」については、また明日取り上げますが、本日はこちらの話。(情報提供M様、多謝!)


『「国家は破綻する」著者らが誤り認める、米研究者らの指摘受け
http://jp.reuters.com/article/jp_eurocrisis/idJPTYE93H04720130418
 米ハーバード大学の経済学者、カーメン・ラインハート氏とケネス・ロゴフ氏の公的債務をめぐる研究に誤りがあると米研究者らが指摘していた問題で、両氏は17日、研究内容に誤りがあったと認めた。ただ、研究の「中心的なメッセージ」は依然として有効だとしている。
 共著「国家は破綻する─金融危機の800年」(原題はThis Time Is Different)で知られるラインハート氏とロゴフ氏は2010年、近代史を通じ、政府債務が対国内総生産(GDP)比で90%を超えると、経済成長率が劇的に減速するとの研究成果を公表。緊縮策への取り組みを正当化するため、世界中の政策当局者らがしばしば研究内容に言及していた。(中略)
 国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミスト、オリビエ・ブランチャード氏は、両氏の研究は「大いに有益」だと指摘。ただ、重債務が本当に低成長をもたらすのかについては疑問が残るとし、低成長が債務拡大につながっているケースもあるのではないかと述べた。』


 問題を整理しますが、
「政府債務(財務省の言う国の借金)が対GDP比で90%を超えると、経済成長率が劇的に減速する」
 という仮説があったとします。(というか、あるわけですが)この場合、政府債務の「通貨」が何なのかにより、話がまるで変わってくるわけです。


 自国で発行できない通貨(外貨、共通通貨)で政府の負債を膨らませるパターンをA、自国通貨建てをBとします。


 Aタイプの場合、政府の負債が対GDP比で90%を超えると(というか、それ以前に)、国際金融市場における長期金利が上がっていくことになります。金利上昇は企業の新たな借り入れや設備投資を困難にし、経済成長率が低迷します。経済成長率が低迷すると、税収が減り、財政はさらに悪化します。


 Bタイプの場合、政府の負債対GDP比が90%を超え、長期金利が上昇を始めた場合、中央銀行の国債買取により金利を抑制することができます。もちろん、インフレ率は上がることになるのですが、物価上昇と金利抑制は企業の投資効率を高め、銀行融資や設備投資を増やすことになるため、必ずしも成長のボトルネック(制約条件)にはならないでしょう。


 さらに、Bタイプの国がデフレだった場合をCタイプとします。「正しいデフレ」に陥っているCタイプの場合は、どうなるでしょうか。ここで言う正しいデフレとは、単なる物価下落ではなく、「物価下落、所得縮小、資金需要低迷、自国通貨建て国債の金利低迷」とうパッケージとしてのデフレ現象を意味しています。(外貨建てバブルを崩壊させたギリシャの物価下落は、「正しいデフレ」ではありません)


 そもそも、デフレの国では企業は金利が「ゼロ」であったとしても、借入や投資を増やしません。理由は、投資効率が悪すぎ、儲からないためです。儲からない環境で投資する経営者は、むしろ経営者失格です。


 すなわち、Cタイプの国は財政がどうだろうとも、政府の負債対GDP比率が何パーセントだろうとも、いずれにしても成長しないのです。正しいデフレに陥っているCタイプの場合、政府の負債は自国通貨建てであるため、現象としては、
「自国通貨建て国債の金利が超低迷し、政策金利がゼロでも投資が増えない」
 というものになります(まさしく現在の日本ですが)。


 すなわち、Cタイプの国においては、「政府債務の対GDP比」と「経済成長率」を結び付けようとしている時点で、ナンセンスということになります。Cタイプの国は、政府の債務がどうであろうとも、いずれにせよ成長しないのです。


 結局のところ、カーメン・ラインハート氏とケネス・ロゴフ氏らの議論にしても、
金利が下がれば、企業はおカネを借り入れ、設備投資を増やし、経済は成長する
 という、インフレ期、あるいはセイの法則を前提にしているというわけです。インフレ期にセイの法則を前提にした議論を展開するのは結構ですが、デフレ期になっても未だにインフレ期と同じ議論を展開しているわけですね。


 最近、「まとも化」してきたIMFの象徴であるチーフエコノミスト、オリビエ・ブランチャード氏は、
「重債務が本当に低成長をもたらすのかについては疑問が残るとし、低成長が債務拡大につながっているケースもあるのではないか」
 と語っています。まあ、そうなのですが、IMFが本当に「セイの法則の呪縛」から逃れられたのかどうかについては、わたくしはまだ疑問に思っています。


 それにしても、本エントリーを読むと、現代の「経済学」の周回遅れぶりが理解できないでしょうか。何しろ、未だに政府の負債について「自国通貨建て」と「外貨・共通通貨建て」を混同した議論が、大真面目に展開されているのです(ポール・クルーグマン教授、ジョセフ・スティグリッツ教授などは除く。)

 俄かに信じがたいでしょうが、これが現代の「経済学」の現実なのです。


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