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『ドイツのユーロ(前編)①』三橋貴明 AJER2013.4.9(4)

http://youtu.be/pDU-0grAUgE

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 中経出版から「目覚めよ! 日本経済と国防の教科書 」が発売になりました。


 わたくしは名古屋にいるわけですが、早朝、携帯の緊急地震速報で起こされました。淡路島で震度六弱の地震が発生し、負傷された方もいらっしゃるようです。


 名古屋と言えば、明後日(月曜日)6時56分から名古屋テレビ「哲人の告白」に出演します。(http://www.nagoyatv.com/tetsujin/ ) 


 三橋経済塾に、仮登録の方でも視聴可能なコンテンツ、

【【対談】上念司&三橋貴明 3rd(後半) 「民主主義とは何か ~一票の格差問題、違憲判決を受けて】

https://m-keizaijuku.com/contents

 が掲載されました。


TPP日米合意 本交渉へ見えた課題
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1204L_S3A410C1EA2000/
 日本の環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加に向けた日米の事前協議がようやく決着した。しかし目立つのはコメなど農産品を守ろうとするあまり、譲歩を重ねた日本の姿だ。TPP交渉と並行して続ける日米交渉では米国が長年訴え続けてきた自動車や保険の市場開放要求が再び突きつけられた。結果次第ではTPP交渉参加への高い代償を払わされることにもなりかねない。(後略)』


 日経新聞が今さら警鐘を鳴らしていますが、アメリカとの事前協議で見せつけられたのは、ひたすら譲歩を重ね、相手に譲歩させることはできない日本の姿でした。「交渉力」とやらの欠片も見ることはできませんでした。


 ちなみに、今回アメリカとの間で取り交わされた書簡により、農業以外の分野がくっきりと見えてきました。


『 保険,透明性/貿易円滑化,投資,知的財産権,規格・基準,政府調達,競争政策,急送便及び衛生植物検疫措置iの分野
(・資料2 「日米間の協議結果の確認に関する往復書簡(仮訳)」(平成25年4月12日)http://www.cas.go.jp/jp/tpp/index.html#kakuryokaigi )』


 というよりも、アメリカにとって日本の農業市場など、所詮はメインターゲットでも何でもないのです。メインターゲットは、上記の書簡にもある通り、保健、投資、知財、規格・基準、政府調達、競争政策、急送便といった「投資・サービス分野」なのでございます。(ちなみに、知財の輸出入はサービス収支に統計されます)


 しかも、アメリカ側は日本に対し、「唯一の具体的な日本のメリット」と考えられていた自動車の関税について、TPPで許容されるマックス(10年後)まで先送りすることになりました。すなわち、TPP参加において日本に具体的なメリットは「無い」ということになります。


 さらに、日本は簡易な手続きで輸入できる自動車台数を、一型式あたり2千台から5千台に引き上げることになりました。国土交通省によると、米国車だけでなく全ての輸入車で適用されるようですが、外国車にとって日本市場へのアクセスが「少し楽になった」ことに変わりはありません


 すなわち、こと自動車に関して言えば、
「アメリカは(十年は)輸入を容易にせず、日本は輸入を容易にする」
 という形に、制度が改められることになります。 
 
 3月15日の会見で、安倍総理は、
交渉力を駆使し、我が国として守るべきものは守り、攻めるものは攻めていきます。国益にかなう最善の道を追求してまいります。」
「昨日、自由民主党からも守るべき項目について決議文をいただきました。我々はしっかりとそれを胸に強い交渉力をもって結果を出していきたいと、このように考えています。」
 と語りました。


 現実に「交渉力」が全く見られない以上、安倍総理もしくは甘利経産大臣は国民に何らかの「説明」をする必要があるでしょう。何しろ、未だにTPPはアメリカとの事前協議段階なのです。

 少なくとも、事前協議段階では何の「交渉力」も見ることができませんでした。


 この後、首尾よくアメリカの議会の批准を経たとしても、日本がTPP交渉に参加できるのは、運が良ければ7月、悪ければ9月です。そして、TPP交渉参加国は10月のAPECで妥結することを表明しています。


 すなわち、日本に残された「交渉」のチャンスは、一回か、良くても二回だけなのです。


 元農水大臣の山田正彦氏が、ご自身のブログで興味深いエントリーを掲載されていました。


『TPPについて米国通商代表部のリリースでは、すでに関税の問題でも日本に発言の場はない
http://www.yamabiko2000.com/modules/wordpress/index.php?p=327
 先のシンガポールのTPP参加国での交渉を終えて、米国通商代表部の公式なリリースの英文と翻訳を谷岡議員から頂いたが、それによると驚くべき内容が記載されている。
 米国通商代表部のバーバラ・ワイゼル主席交渉官は次のように述べている。私が大切だと思われるところ抜粋する。
「TPP参加国は、これまで達成した非常に多くの交渉問題に対する意見の一致に基づき、本会合において11か国の代表は残存する問題について相互に受け入れ可能な道筋を見つけ、合意の法文化を進める動きを進展させた。
 その結果、関税、通信、投資サービス貿易技術的障害、衛星や植物検疫の手法、知的財産、規制の統一、開発やその他の問題など多岐にわたる領域において多くの問題に対する解決を見出すことに成功した。(たしかに、直後のロリー・ワラックさん…の話ではすでに29章900ページに及ぶものが出来上がっていて、日本は参加にあたってそれを読むことも、できないとされていた)
 この進展をもって、関税、通信、規制の統一、開発を含むいくつかの交渉グループは今後の会合で法的文書に関して再度集まっての議論は行われず、これらの分野においては残った課題は合意がファイナルとなる最終ステージ(10月とされている)で取り上げられることになる」
となっている。
 聖域が認めなければ交渉から撤退してもいいなどと安倍、自民党政権は述べているが、5品目の関税についても例外が認められるどころか、これでは9月の会合では議論する余地もなく、10月の最終交渉で署名させられるだけになってしまう。
 日本は29章900ページに一言も訂正も追加もできず、だからと言って後から参加したカナダ、メキシコ、日本には拒否権、撤退も認められていない。
 自民党の平沢勝栄議員も「一旦船に乗ったら港に着くまで途中で降りられない」とテレビで述べていたが、自民党の幹部も皆承知の上で述べているのだ。
 何としても交渉参加させてはならない。』


 考えてみたら当たり前で、これまでにTPP交渉参加国は十数回も交渉を重ねて来たわけで、
「関税、通信、投資サービス貿易技術的障害、衛星や植物検疫の手法、知的財産、規制の統一、開発やその他の問題など多岐にわたる領域において多くの問題に対する解決を見出すことに成功」
 しているでしょう。

 そうなれば、
「関税、通信、規制の統一、開発を含むいくつかの交渉グループは今後の会合で法的文書に関して再度集まっての議論は行われない」
 ことになって当然です。何しろ、すでに「交渉は終わっている」わけでございます。


 現状が上記の通りとして、ラスト一回もしくは二回の交渉で、900頁もの合意事項を日本が「交渉力」でひっくり返せるなどと考えていたら、それは誇大妄想というやつでございます。

 アメリカとの事前協議で、日本の情けない「交渉力」を見せつけられた以上、国民側としては、
「TPP交渉に参加して、合意を覆せず、国民との約束を守れないとわかった場合、交渉から離脱するのか、否か
 について、安倍政権に説明を求めて構わないでしょう。何しろ、総理御本人がTPP交渉参加の会見で、
「先の衆議院選挙で、私たち自由民主党は、「聖域なき関税撤廃を前提とする限り、TPP交渉参加に反対する」と明確にしました。そのほかにも国民皆保険制度を守るなど五つの判断基準を掲げています。私たちは国民との約束は必ず守ります。」
 と語っているのです。


「安倍政権は国民との約束を守るために、いざとなれば交渉から離脱するのか、説明するべき」にご賛同下さる方は、

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