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 昨晩はいい年したおっさん連中(つまり我々)で呑気に飲んでいたわけですが、北朝鮮のミサイルは未だに発射されません。おはようございます。
 
北朝鮮ミサイル これまでのところ発射確認されず 各国警戒続く
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00243923.html
 金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の就任から1年の節目を迎えた北朝鮮は、11日も「ミサイルは発射待機状態にある」とするなど挑発を続けているが、これまでのところ、発射は確認されておらず、各国の警戒が続いている。
 朝鮮中央テレビは午後7時ごろ、「発射待機状態にあって、弾頭には目標座標が精密に入力されている」と報じた。
 これは北朝鮮の主要メディアが、祖国平和統一委員会書記局の報道として伝えたもので、「もうボタンだけを押せば発射されることになっており、発射されれば、敵の牙城が全て火の海になるところだ」としている。
 さらに、「心理戦とか宣伝戦とかいう寝言を言うのは、ばかでもできる醜態にすぎない」と、挑発をエスカレートさせており、ミサイル発射をめぐる北朝鮮の出方を各国が注視している。
 一方、韓国国防省のスポークスマンは、11日の会見で、故・金日成主席の誕生日にあたる15日までにミサイル発射の可能性があるとして、引き続き、警戒にあたっていることを明らかにしている。 』


 今回の北朝鮮の挑発が「非常事態」だと思うのは、彼らが何を考えているかさっぱり分からないためです。何しろ、北朝鮮は勝手に周辺国を挑発し始め、勝手にミサイルを日本海側に移動させ、勝手に「危険な一線」に近づき、勝手に「心理戦とか宣伝戦とか寝言を言うのは、ばかでもできる醜態にすぎない」と挑発をエスカレートさせていっています。


 しかも、北朝鮮政府はメディアを使い、国内に対しても「間もなく戦争になる!」と煽り続けているため、引くに引けません。第三者から見ると、どう考えても「勝手にドツボに嵌っていっている」ようにしか思えないわけです。一体、どのように矛を収める気なのでしょう。あるいは、矛を収める気が無いのか。ならば、そもそもなぜ? 


 というわけで、何を考えているかさっぱりわからない相手ほど嫌なものはありません。政府や自衛隊の皆様の御苦労を拝察いたします。


 さて、本日のメインはこちら。


日本の格付け、極めて多額の政府債務負担能力を反映=ムーディーズ
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK065120720130409
 ムーディーズ・インベスターズ・サービスは9日、日本政府の自国通貨建て・外貨建て債務格付けAa3及び安定的の見通し、格付け手法に基づき推定される格付けレンジAa1─Aa3について、極めて多額の政府債務負担能力を反映しているとの見解を明らかにした。
 ムーディーズは、極めて多額の政府債務を負うことを可能とするファンダメンタルなシステム上の特徴として、1)多額の国内貯蓄と公的部門以外の低水準の負債、それらによって国内金融市場の安定性が維持されていること、2)非常に多額の対外純資産が、世界の金融市場ショックに対する緩衝材となると同時に、対外純資産から生じる多額の所得収支黒字が経常黒字を支えていることを挙げている。これらの特徴により、日本政府は世界で最も高水準の債務負担を抱えるにもかかわらず、世界でも最も低い名目利回りから恩恵を受けている。さらに、日本国債市場は、海外金融市場の変動性の影響をほとんど受けていないという。
 ムーディーズでは、日本に関する最新のレポート「日本国」において、経済力は「強い─非常に強い」、制度の頑健性は「非常に強い」、財政力は「中位」、イベントリスクは「低い」と評価している。
 レポートでは、日銀の新たな「量的・質的金融緩和」政策により、政府は2014年まで引き続き極めて低いコストで資金を調達できるとしている。しかし、長期的なリスクの存在として、増大する政府債務を賄うに十分な国内貯蓄が維持されるかどうかにかかっていること、持続可能な財政構造が構築されなければ、日本国債への信認が失われる可能性があることを挙げている。
 ムーディーズは、こうした状況で、最も深刻なイベント・リスクは日本国債が調達危機に陥ることと指摘。日本の低コストでの資金調達が難しくなる可能性がある転換点は、家計貯蓄と経常黒字の2つという。日本は極めて多額の対外純資産からの所得収支黒字で経常黒字が維持されるとみられるため、家計貯蓄の方がより懸念されるとみている。
 日銀は大胆な緩和策を導入するが、低コストの資金を供給しても、信頼し得る財政再建策とサプライサイドの経済改革を伴わなければ、景気再浮揚への持続的な効果にはつながらず、意図せざるマイナスの影響をもたらす可能性があるという。
 安倍首相が年央に発表を予定している中期の財政・成長政策が信用力に影響を与える要因となる。ムーディーズでは、成長率が高まれば経済・財政問題への対処が容易となるが、低成長が継続すれば、信用上、ネガティブとなるとみている。』


 え~・・・・、
1)多額の国内貯蓄と公的部門以外の低水準の負債、それらによって国内金融市場の安定性が維持されていること
2)非常に多額の対外純資産が、世界の金融市場ショックに対する緩衝材となると同時に、対外純資産から生じる多額の所得収支黒字が経常黒字を支えていること
 があれば、「極めて多額の政府債務を負うこと」が可能になるそうです・・・・・・。
 何、正しいこと言っているの、ムーディーズ? 今さら?
 という感じでございます。


【2012年末時点(速報値) 日本の国家のバランスシート(単位:兆円)】
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http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_42.html#12BS


 というわけで、日本国家のバランスシートを掲載いたします(12年末時点 速報値)。何気に、純資産(対外純資産)の金額が300兆円を超えてしまっています。(グラフでは308兆円になっていますが、四捨五入の関係で誤差が生じています。正確には301.3兆円(対外資産699.3兆円、対外負債398兆円)になります)


 この301.3兆円が、ムーディーズが言う「非常に多額の対外純資産」で、もちろん日本は世界一でございます。最近の日本は貿易収支が赤字になることが増えていますが、これまたムーディーズの言う通り、対外純資産から生じる所得収支の黒字が巨額化し、経常収支全体は黒字を維持しています。


 経常収支の黒字とは国内の過剰貯蓄を意味しています(統計的に、必ずそうなる)。結果的に、国内の金融市場は安定的に維持されるというわけです。


 経常収支が黒字の国は、必ず対外純資産が増えます(経常収支の黒字=対外純資産の増加)。そのため、政府がどれだけ負債を拡大しようとも、その反対側で民間の資産が増えるだけです。すなわち、民間の純資産はむしろ拡大します


 世の中というか「日本」には頭の悪い人が少なくなく、
「政府の借金が家計の資産を超えたら破綻する!」(政府の負債が増えると、家計の資産が増えるため、超えるとか有り得ない。家計の資産が増えない場合は、企業の資産が増える)
「家計が金融資産を取り崩すと、破綻する!」(家計がおカネを引き出し、消費や投資に使うと、おカネが「この世から消えてしまう」というトンデモ論
「政府は対外純資産の金額分だけは国債を発行できる(※みんなの党の江田 憲司氏)」(ということは、アメリカなどの対外純負債国は国債を発行できないんだ(笑)
 などなど、国家のBS全体を理解せずに破綻論の理屈付けをしようとしてきました。


 が、これまでは破綻論を後押ししてくれたムーディーズが、ついに普通のことを言いだしてしまったのです。すなわち、経常収支黒字国の政府が財政破綻するなど有り得ない、という話でございます。
 さてさて、梯子を外された破綻論者の方々は、今後はいかなる破綻説を繰り出してくるのでしょうか。いっそ、
「宇宙からの託宣によると、日本は財政破綻する!」
 とか、いかが?


 それにしても、ムーディーズ。相変わらず、
「信頼し得る財政再建策とサプライサイドの経済改革を伴わなければ、景気再浮揚への持続的な効果にはつながらない」
 などと、デフレの国(日本)に対しサプライサイドの経済改革(構造改革)を押し付けようとしています。財政破綻説は相当に弱体化しましたが、次は構造改革派とガチガチとやっていかなければならないわけでございます。


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