続 ドイツのユーロ

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『TPPの真実(後編)①』三橋貴明 AJER2013.3.19(1)

http://youtu.be/m1nX1hAt28Q

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 わたくしが「ユーロはダメだ」と繰り返しているのは、抽象的な話(「欧州連邦の夢が破れる!」とか)ではなく、単純に現在の共通通貨ユーロの構造と「バブル崩壊後」という環境が、失業率をひたすら上昇させていく「仕組み」になっているためです。特に、ドイツという「勝ち組」の影響が大きく、アベノミクス的な「金融政策と財政政策のパッケージ」を打てない以上、これはもはやどうにもなりません。


ユーロ圏失業率が最悪更新 12%台に
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130402/k10013628171000.html
 ヨーロッパの単一通貨ユーロを導入しているユーロ圏の失業率が最悪を更新し、初めて12%台になりました。
 EU=ヨーロッパ連合の統計局が2日に発表したところによりますと、ユーロ圏のことし2月の失業率は12%でした。
 EUの統計局は1月の失業率を0.1ポイント上方修正し、12%としたため、2月は前の月と同じとなりますが、1999年にユーロを導入して以来最悪を更新し、初めて12%台になりました。
 国別の2月の失業率はスペインが26.3%と最も高く、次いでポルトガルが17.5%などとなっています。
 また、EUなどと支援策で合意したキプロスは14%、フランスも10.8%と、それぞれ悪化しました。
 ギリシャについては、2月の統計はまだ発表されていませんが、1月の最新の統計で26.4%と、4人に1人が失業という極めて厳しい状況が続いています。
 EUは、3月の首脳会議で、とりわけ深刻な若者の雇用確保を最優先課題として、短期的な投資を含めた対策を加速させることで合意しましたが、ユーロ圏では、ことし、2年連続のマイナス成長となる見通しで、雇用情勢のさらなる悪化が懸念されています。』


【図 2013年2月時点 主要国の失業率】
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http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_42.html#Unenp1302


 現在のユーロの状況が非常にまずいと思うのは、ギリシャ、スペイン、ポルトガル、アイルランド、そしてキプロスという「破綻国(EUに支援要請した国々)」以外の国々、すなわち、フランス、オランダ、フィンランドといった「まともだったはずの国々」までもが雇用環境がジリジリと悪化していっていることです。とにかく、ドイツ以外の国々は雇用統計発表のたびに失業率が悪化し、改善の「兆し」が全く無いのです。


 当たり前です。


 ドイツ以外の国々は、ことごとく、
「バブル崩壊⇒国民の消費、投資減少⇒名目GDP停滞⇒政府の税収減⇒財政悪化⇒緊縮財政⇒国民の消費、投資減少」
 という、日本が辿ったルートを歩んでいるのです。


 しかも、元々、ユーロ加盟国は互いの貿易、サービスの輸出入が多かったわけです。と言いますか、域内で貿易やサービス輸出入を拡大するために「統一市場」「共通通貨」を作ったわけですから、当たり前です。


 ユーロ加盟国は統一市場であるが故に、互いに資本関係が強かったわけですが、結果的に、
「一国のバブルが、他国のバブルを造る」
「一国のバブル崩壊が、他国のバブルを崩壊させる」
 と、あまりよろしくない依存関係を強めてしまいました。(但し、ITバブル崩壊後にバランスシート不況に陥っていたドイツはバブルになりませんでした)


 さらに問題なのは、各ユーロ加盟国でバブルが膨らんでいる時期に、ドイツは「構造改革」と「ユーロ圏への輸出」により、経済を強靭化した(=生産性を高めた)ことです。断言しますが、02年から07年までのユーロ加盟国のバブル膨張が無ければ、ドイツの緊縮財政、構造改革路線は、単に「デフレ化」を招いただけだったでしょう。


 小泉政権期の日本がアメリカの不動産バブルのおかげで、構造改革の痛みが和らげられたのと同様に、ドイツはITバブル崩壊後の構造改革を「ユーロ加盟国の需要拡大」で乗り切ったわけです。

 そして今、諸外国のバブルが崩壊し、かつてのドイツのように「外需」で痛みを和らげることが不可能な状況で、メルケル政権は、
「改革を推進する以外に手はない」
 と、どこかの国の構造改革主義者たち、新古典派経済学かぶれたちと同じことを言い、各国に緊縮財政、構造改革を強制しています。


「自分たち(ドイツ)は構造改革の痛みを乗り越え、経済を強化したのだ。なぜ、お前たちにできないのだ」
 という、まことに分かりやすい態度を取っているわけですが、残念ながらドイツが構造改革を推進していた時期(主にシュレーダー政権期)とは、外部環境が違います。ドイツが構造改革を実施していた時期は、ユーロ圏の需要が膨らんでいました。それに対し、現在のユーロ圏は需要が縮小していっています。


 このままドイツが「緊縮財政」「構造改革」路線を曲げないと、「ドイツ以外」の失業率がさらに上昇していくことになります。何しろ、緊縮財政も構造改革も、共に「失業者を増やす」政策なのです。緊縮財政は、公共事業や公務員給与、社会保障支出など「政府の消費、投資」を減らし、雇用を悪化させます。そして、構造改革路線は需要というパイが膨らんでいない環境で(今のユーロの場合)、市場競争を激化させ、やはり失業率を高めてしまうのです。


 経済とは、経世済民の略です。経世済民とは、「民を救うために、世を統べる」という意味を持ちます。すなわち、雇用環境を悪化させ、人々が所得を得る機会を奪う政策は「経済」政策ではないのです。


 ちなみに、1929年に始まった大恐慌期、ヨーロッパのある国はデフレ下の緊縮財政、構造改革を強行し、失業率が何と43.33%にまで悪化しました(1932年)。結果的に、その国では既存の政治勢力が没落し、新たにファシスト政権が圧倒的な人気を得て、世界は悲劇へと突き進んでいくことになります。
 その国とは、もちろん「ドイツ」です。


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