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『TPPの真実(後編)①』三橋貴明 AJER2013.3.19(1)

http://youtu.be/m1nX1hAt28Q

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 本日の19時から紀伊國屋書店 三橋貴明VS岩本沙弓トークセッション&サイン会「アベノミクスは世界のロールモデルになり得るか? 」でございます。

 今はまだ因島にいるので、これから東京に向かいます。
 さらに、明後日3月31日、日曜日、下館青年会議所講演会日本経済の嘘と真実!! 」に出演します。まだ少し、席があるそうです。


  徳間書店「アベノミクスで超大国日本が復活する! 」のAmazonキャンペーンが始まりました(3月30日23:59まで)。
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 三橋貴明の新刊「アベノミクスで超大国日本が復活する! 」をAmazonでお買い求めの方に、豪華著者特典(すべて語りおろし)をプレゼント! 具体的には、アベノミクスの「三本の矢」について、それぞれ金融政策、財政政策、成長戦略にパートを分けて喋っています。ダウンロードには、Amazon注文時の注文番号が必要です。キャンペーン開始以前に予約、購入された方もご参加できます。


 ダウンロードできる三つの特典音声ファイルは以下になります。

http://www.maroon.dti.ne.jp/mitsuhashi201303/
◎三橋貴明の録りおろし音声講座『いま「アベノミクス」に何が起きているのか、これから日本になにが起こるのか』
 特典1 日銀新総裁の誕生で、アベノミクスはこう変わる(約10分30秒)
 特典2 アベノミクスの財政政策で生まれ変わる日本(約11分)
 特典3 日本を滅ぼす偽りの「成長戦略」に気をつけろ(約10分30秒)


 よろしくお願いいたします。


 また、わたくしと古谷経衡氏が経済について語りつくす、経営科学出版「月刊三橋」の第二次キャンペーンが始まりました。

 合わせてよろしくお願いいたします。
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 さて、キプロス危機をきっかけに、ユーロが瓦解し始めたように見えます。


 ロシアなどから大口預金を受け入れ、ギリシャ国債などに投資するというビジネスモデルだったキプロスですが(色々な意味で「よりにもよって!」ですが)、銀行危機、財政危機と「例の道」を辿り、EUへ緊急支援を要求しました。EU側は、キプロスへ緊急支援を実施するに際し、大口預金者の負担も求めました。


 何しろ、キプロスはタックスヘイブンと化しており、さらにマネーロンダリングも横行し、ドイツ、フィンランドなどユーロ圏の経常収支黒字国の同情を受けることができませんでした。EUから支援を受けるには、キプロスは大口預金者に対するヘアカット(元本削減)を実施する必要がありました。


 とはいえ、キプロス側は大口預金者(10万ユーロ以上)と小口預金者の名寄せができず、全預金者に対する課税を実施しようとしたもんですから、預金者が銀行に殺到し、取り付け騒ぎに突入しました。
 
 結局、すったもんだの末に、キプロス第二位の銀行キプロス・ポピュラー銀行をグッド・バンク、バッド・バンクに分け、小口預金は第一位のキプロス銀行に移し、バッド・バンクを順次整理していくことが決まりました。キプロスの銀行におカネを預けていた大口預金者は、最大40%の元本削減を強いられることになります。要はデフォルトです。


 一応、キプロスは大口預金者にも負担を求めた上で、EUから緊急支援を行うということで「形」は保てましたが、今回の一件は明らかに「ユーロの瓦解」の一歩目になりそうです。何しろ、資本移動の自由が前提の共通通貨ユーロの加盟国であるキプロスで、「資本規制」が始まったのです。


 資本規制とは何かと言えば、要するに「おカネの動き」を規制します、という話になります。すでに、キプロスでは銀行が2週間に渡り休業していましたので、資本規制状態に突入していました。


 さらに、キプロス政府は今後も預金の引き出し額の上限を「1日300ユーロ」に制限し、外国への送金にも制限をかけます。


 すなわち、キプロスの預金者たちにとって、もはや1ユーロは「他のユーロ加盟国の1ユーロ」とは異なるものになってしまっているのです。流動性の低い1ユーロ(キプロスのユーロ)は、流動性が高い1ユーロ(他のユーロ加盟国のユーロ)よりも価値が劣るということになります。


 キプロス中央銀行は「規制は四日間」としていますが、本当に四日間で済むのでしょうか。すでに、キプロスの預金者たちは、
「同じユーロであっても、キプロスの銀行のユーロと、他の加盟国のユーロとは価値が異なる」
 という、決定的な事実を知ってしまったのです。


キプロスは預金継続強制やカード利用制限も-ユーロ圏初の統制
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MKAU6Y6S972H01.html
 キプロスは過去に例のない金融の一大実験に踏み出そうしている。単一通貨圏で資金の移転を規制しようとする試みはこれが初めてだ。
 アルゼンチンやアイスランドが通貨価値の急落防止のために同じような措置に踏み切った例が過去にあるが、ユーロ圏の一員であるキプロスの場合、銀行システムから流出する資金は、価値を失うことなくキプロス国外に持ち出すことが可能であり、規制の実施はより大きな困難が伴うと予想される。
 キプロスのサリス財務相は26日、「わずか数週間」で規制の解除を目指すと述べたが、この目標の達成も難しそうだ。1980年代と90年代に資金流出を防ぐ努力を強いられた中南米とアジア諸国は、実際には6カ月から2年の間、資本規制を続けることになった。銀行システムが肥大化していたアイスランドは、2008年の銀行破綻から5年が経過しても規制を解除できていない。 (後略)』


 キプロスの資本規制は、現時点ではどのくらい続くか分かりません。と言いますか、早期に解除してしまうと、間違いなくキプロスの銀行からユーロがドイツ(等)に流出し、またもや取り付け騒ぎになるでしょう


 とはいえ、キプロスの預金者たちが自由に「ユーロ」を引き出したり、送金できないのでは、その時点で、
キプロスのユーロは、他の加盟国のユーロとは異なる通貨
 ということになってしまいます。


 すなわち、すでにしてキプロスは共通通貨ユーロの一員ではないのです。無論、ドイツなどはキプロスのユーロ離脱だけは、何としても防ぎたいでしょう(ギリシャ、スペインに飛び火する可能性が高い)。とはいえ、別に正式に離脱していなくても、資本移動の規制をかけ続ける限り、キプロスは「事実上、ユーロから離脱した」も同然になってしまうのです。
 
 何と言うか、共通通貨ユーロという新古典派経済学者が机上で描いた共通通貨のシステムは、つくづく「現実」に弱いなあ、と思いました。現実とは、経済学者の「想定」を超えた事態が次々に発生するものなのです。


 想定外の事態に、臨機応変に対応できる仕組みというものは、長年の蓄積で作り上げるしかなく、学者が頭の中で考えた仕組みでは全く太刀打ちできないということを、ユーロは繰り返し教えてくれます。


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